SHLグローバルニュース

このたびの東日本大震災の被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は2011年3月2日にプレスリリースされた記事をお届けします。オーストラリアBUPA(British United Provident Association;ブリティッシュ・ユナイテッド健保会社)カスタマー・コンタクト・センターのスタッフ採用における適性検査活用事例です。

第71回 事例:BUPA

国際的な大手ヘルスケア会社であるBUPAは、オーストラリアにおいてSHLならびにPageUp People社と協力し、面接を受けた人が合格する比率を高め、顧客サービス改善とビジネスの成長を推進しています。

民間のヘルスケア・プロバイダーにとって、カスタマー・コンタクト・センターによるサービスの水準は、収入とブランド認知の両方に非常に重要です。BUPAオーストラリアは、業界最高レベルのポートフォリオを素早く把握し、顧客が充分な情報を受けた上でヘルスケアについて選択できるよう手助けできる人材をよりうまく見分けることの必要性に気づきました。つまり、過去の経験だけでなく、知的能力と接客スタイルを評価するような、選抜プロセスの改善です。

SHLは在職スタッフ100人のサンプルに様々なテストを実施し、業績評定との関係を分析しました。その結果、今後の採用に向けた、証拠に基づく、しっかりとした選抜基準が明らかになりました。

データを分析したところ、カスタマー・コンタクト・スタイル検査(CCSQ)、Verify言語能力テスト、Verify機能的推理能力テスト(図形列テスト)の3つが、フォーマルな人事考課結果やチームリーダーによる見解と強く相関していることがわかりました。採用や研修で使用されれば、これらのテストは、貴重かつ非常に費用対効果の高い、将来の業績の予測変数となります。

これらの結果を基に、BUPAオーストラリアは現在、採用でVerify機能的推理能力テストとCCSQの2つを使用しています。今後はVerify言語能力テストも加わる予定です。

機能的推理能力テストは初期の予備選抜で使用されています。30パーセンタイル以上の得点を取った受検者が次の段階に進めます。BUPAオーストラリア採用マネジャーである Rebecca Houghtonは次のように述べています。『履歴書ならびに電話による予備選抜と一緒に機能的推理能力テストを用いたことで、700人の応募者の半分以上を素早くはずすことができました』

残り300人が面接に参加し、同時にCCSQなど他のアセスメントも受けました。

Rebecca Houghtonはさらに次のようにコメントしています。『新しいアセスメントを取り入れたことで、我々は面接に参加する候補者の質を大きく改善できました。以前は参加者の25%ほどでしたが、今では面接参加者の62%くらいを採用しています。これだけで既に時間とコストの大きな削減です。さらに、新規雇用者のデータが得られる2011年後半には、パフォーマンスの明らかな改善や退職率の低下などが見られるだろうと期待しています。』

このアセスメントは、PageUp People社による、既存の人材マネジメントプラットフォームに組み込まれています。その結果、コンタクトセンターだけでなく全ての採用に渡って、BUPAは採用プロセスを合理化し、よりシンプルで費用対効果の高いものにすることができます。『PageUpの導入でおそらく効率は30%ほど向上したと思います。チームにもう一人加わったかのようです。』とRebecca は述べています。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

ご存知の通り、イギリスはNHS(National Health Service)という制度により、無料で医療を受けることができます。NHSのスローガンが「ゆりかごから墓場まで」です。しかしながら需要に供給が追いつかず、効率やサービスが年々低下すると言う問題点が顕著になってきました。それに対するのが私費医療です。BUPAのような健康保険法人に加入していれば、いつでも迅速に医療サービスが受けられます。

BUPAにとって顧客と直接に接するカスタマー・コンタクト・スタッフのレベルアップは非常に優先順位の高いテーマであると言えましょう。

文責:堀 博美

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