SHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、SHLグループのブログから、女性管理職に焦点を当てた記事をご紹介します。

第349回 女性管理職の燃え尽き症候群を減らす3つの方法

女性の管理職は水面下で、重荷を背負うプレッシャーを感じており、男性管理職よりも燃え尽き症候群に陥るリスクが高いです。これに対処するために何ができるでしょうか?

2022年3月10日 アビゲイル・ウィンター

最近ティックトックやインスタグラムを利用したならば、おそらく、ディズニーの最新アニメ映画『ミラベルと魔法だらけの家』に対するリアクション動画を見たでしょう。映画は魔法のマドリガル家を中心にしていますが、『増していくプレッシャー』という曲が世界中で共感を呼んでいます。その中で姉のルイーサは、自分の周りのみんなをサポートするために感じているプレッシャーを次のように歌っています:「プレッシャーがポタポタと降りかかる、一生止まらないまま……少しずつ増えていくプレッシャー、大きくなり破裂するその時までずっと」。ルイーサは強くて大きいですが、「何が悪いの?」と尋ねられると、彼女は自分が感じる責任の重荷ともろく崩れることへの恐れを歌います。映画が進むにつれて、ルイーサは家族の中で自分の特別な力や天分を失う最初のメンバーとなり、マドリガルの家に、文字通りそして比喩的に、亀裂が走ります。

この曲が特に女性の共感を呼んでいるのも当然です。それはおそらく、女性がかつてないほど疲れている時に来ます。絶え間ない不確実性と変化の中にある組織を支えるのと同時に、子供と家族の重みを担います。実際、McKinseyとLeanIn.orgによる最新の「Women in the Workplace」リポートは、パンデミックの開始時よりも女性の燃え尽き症候群が増え、パンデミック中に、女性と男性の燃え尽き症候群の差がほぼ2倍になったことを明らかにしました。

さらに、部下を持つ管理職、特に女性は、持たない管理職よりも燃え尽き症候群を経験する可能性が高くなります。同様の立場にある男性と比較して、女性管理職は一貫して部下の福利を促進するためにより多くのことを行っています。チームメンバーをチェックしたり、チームメンバーの仕事量を管理したり、すでに燃え尽き症候群になったり仕事と家庭の両立問題に取り組んだりしている人々を支援したり。

また、女性リーダーは、自分の職務の範囲外であるDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の仕事にかなりの時間を費やす可能性が最大2倍大きいです。たとえば、社内DEIグループのサポート、イベントの調整、少数グループの人々の採用、などです。彼女たちはまた、男性よりも、メンターとなってその人たちに新しいチャンスを提唱し、積極的に差別に立ち向かうことを通じて、有色女性と結びついている可能性が高いです。

このことは私に、女性とマイノリティが「オフィスの家事」をより多く行っていることを調べた、2020年のフォーブスの記事を思い出させます。「オフィスの家事」とは、目に見えず、報われない仕事です。給湯室付近を片付けたり、会議室を元通りに戻したり。また、プレゼンテーションのスライド編集、配布リストの管理、会議の議事録の送信など、小さいながらも不可欠なタスクもあります。

つまり、ちょうどルイーサ・マドリガルのように、女性管理職や女性リーダーが「抱えられない重すぎるプレッシャー」に取り組んでいるという絵が描かれます。彼女たちは、正式な責任の範囲内で対応するという認識や余地なしに、すべての従業員にとってより良い結果をもたらすこれらの仕事を引き受けています。私たちは、管理職が福利をサポートするとき、従業員はより幸せになり、燃え尽き症候群を経験しなくなり、退職を検討する可能性が低くなることを知っています。これは、強力な結びつきを持ち、DEIが会社にとって最優先事項であると信じている従業員にも当てはまります。

しかし、燃え尽き症候群と戦うために組織は何ができるでしょうか?この質問をグーグルで検索すると900万件近くの結果が得られますが、それでもまだ私たちは疲れ果てています。ですから、今は別のことを試す時です。 McKinseyとLeanIn.orgは、次の3つのアクションを報告しています。

  1. 柔軟性を受け入れ続けるだけでなく、明確な境界も設定する
    リモートまたはフレックスで仕事をするとき、多くの人は「常にオン」であるというプレッシャーを経験します。しかし、勤務時間外に緊急でない要求に対応する必要はないと言われた、と回答したのは従業員の20%だけです。特に仕事と家庭の境界が曖昧になっている時は、明確な仕事基準を確立することが、従業員のプライベートな時間を守り、燃え尽き症候群を防ぐための重要な解決策です。
  2. 管理職は、従業員の燃え尽き症候群と福利に影響を与えるのに最適な立場にある
    この影響がプラスになるようにするには、仕事と私生活のバランスをうまくモデル化し、費やした時間よりも職務遂行の結果に報い、チームの福利をサポートする必要があります。
  3. 最後に、組織は、従業員に何が必要かを尋ねるべき
    研究によれば、権限委譲が燃え尽き症候群のレベルを下げます。従業員を支援する仕組みを増やすことによって従業員に権限を委譲することができ、それは、特定のニーズを対象とする場合にのみ機能します。ですから、従業員が何を必要としているのかを尋ねてください。仮定しないでください。

パンデミックが女性管理職を含む従業員の燃え尽き症候群を加速させたことは否定できません。燃え尽き症候群について話すとき、それは実際には従業員についてではなく、職場とリーダーシップについて多くを語っています。今こそ、リーダーが燃え尽き症候群への戦略を立てるときです。そうすれば、より幸せで、より健康で、より生産的な労働力を手に入れることができます。組織が従業員、特に負荷を担っているルイーサのプレッシャーを取り除くことができるのは、何か別のことを試み、創造的な解決策を模索し、従業員の話を聞くことによってのみです。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちらです。

https://www.shl.com/resources/by-type/blog/2022/3-ways-to-reduce-burnout-in-female-managers/

パンデミックにより私たちの働き方は大きく変わりました。女性管理職だけでなく、男性管理職にとっても、部下マネジメントの試行錯誤が続いているのではないでしょうか。

(文責:堀 博美)

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