堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は事例をご紹介します。より焦点を絞ったタレント・マネジメント・プロセスへの取り組み事例です。

第103回 事例:ゼロックス

状況

2007年4月、ゼロックスの営業部と人事部がリーン・シックスシグマ分析(データに基づいた、結果志向の業務改革手法)を実施しました。目的は採用プロセスにおけるギャップを明らかにし、より効率的なツールややり方を取り入れることです。人材獲得チームにとって、これは採用と能力開発の戦略を再評価することを意味します。

人材獲得採用マネジャーであるマーティ・スポコニー氏によれば、『採用プロセスの設計・管理をより一貫させることの必要性を強く訴えることで、即時の変革が推進されました。非効率を軽減し、有能な人材を惹きつけ、社員層を厚くするためです。』

測定可能な改善を奨励する組織風土の中、スポコニー氏のチームは新しい解決策を探し始めました。

チャレンジ

ゼロックスではそれまで、既存の採用ツールが実際に職務成果を予測していることを示すような分析を行っていませんでした。そのため、採用時のアセスメントが営業職のよりよい採用に帰結していることを実証する情報はほとんどありません。チームは数社のベンダーを検討しました。

解決策

『ゼロックスはSHLを選びました。ベストなアセスメントとサービスをベスト・バリューで提供してくれるからです。当社のデータ重視の風土に合致したパートナーを探していました。我々と緊密に連携し、我々の成功に一緒に投資してくれるパートナーです。』とスポコニー氏は言いました。

人材獲得の望ましい解決策を創り出すために、ゼロックスはまず、外勤営業職の職務記述書をSHLに提供しました。その後、SHLが社内専門家からのインプットで職務分析調査を設計しました。ゼロックスはまた、アセスメント結果を吟味する基準として3年分の売上目標達成率データも提供しました。SHLは外勤営業職として成功するために重要なスキルを明らかにし、アセスメントで測定すべきものに対応付けました。すなわち、営業ポテンシャル、顧客志向、粘り強さ、プロフェッショナル・ポテンシャルです。

『外勤営業の全部署に職務分析調査票を送付しました。うち40%が回答を返送し、それらの結果が妥当性分析に使われました。調査票の返信率は期待以上でした。かなりの部分、営業本部長と強力なキャンペーンのおかげです。』とスポコニー氏は述べています。

結果

SHLアセスメント得点が上司評定や売上目標達成率とどれくらい一致しているか、が分析されました。予想通り、アセスメントで高い得点をとった営業担当者は:

  • 2009年の年初来よりの売上目標達成率が22%高かった(3年間では15%)
  • 上司から「スタートが早い」と評価された率が3倍
  • 上司から適性があり「必ず再雇用する」と評価された率が2倍

事業部のリーダーたちはここまでの成果に非常に関心を寄せており、多くの部署が類似の選抜ツールについてもっと知りたいという希望を表明しています。社内の研修教育部が特に、より正確にターゲットを絞った研修を実施し、能力開発を加速させたいと熱心です。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

本コラムの第66回で、ゼロックスUKの大学新卒採用の事例をご紹介しました。今回はアメリカでの事例で、営業職のタレントマネジメントの基礎資料としてアセスメント・データを活用しています。次はこのデータを採用や研修にどう活用していくか、事例の続編が待たれます。

文責:堀 博美

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