SHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はイギリスのオンラインビジネスサイトBusiness Reporterからの記事をご紹介します。

第359回 メタ職場での一日

この数年間の出来事は、仕事の世界を変えました。同僚、顧客、仲間とのやり取りがオンラインになり、新しい意味を持つようになりました。私たちは、どのようにすれば、新しいデジタルのつながりを構築して、たとえ職場にいなくてもすべてを把握できるのか、を学んできました。

これらはすべて、「メタバース」で期待できる新しい状態の一部です。インドで椅子に腰かけながらアメリカにいる同僚と、あなたのこの前の休暇について井戸端会議をしたり、週末の集まりを計画したりすることを想像してみてください。メタバースの職場ではすべてが可能です。もはやサイエンスフィクションではありません。

「メタバース」という言葉は、Neal Stephenson が彼のSF小説「Snow Crash」(1992年) で作り出したものです。現実的な3D設定やその他の仮想現実(VR)環境で出会うリアルなアバターの人々を描いています。これは、メタバースが将来どのように機能するかに非常に近いものです。

メタバースを構成するテクノロジーには、次のものが含まれますが、これらに限定されるものではありません。

  • VR(バーチャルリアリティ)――ユーザーがそこで行動していてもいなくても、存在し続ける永続的な仮想世界。
  • AR(デジタル世界と物理的世界の特徴を組み合わせた拡張現実)――ただし、そのスペースへのアクセスには必ずVRやARを介さなければならないわけではない。
  • BCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース )――脳の電気的活動と外部デバイスとの間の直接通信。

メタバースは、仕事の世界における大きな可能性を表しています。しかし、可能性はさておき、近い将来に実際に提供できるものについて話しましょう。

  1. 求職者がメタバースで職場を探索できる
    パンデミック中、すべての企業は、さまざまなオンラインプラットフォームを通じてリモートで採用するしかありませんでした。適切なソフトウェアを使用すれば、採用は効率的かつ円滑なものになります。そして、メタバースが、欠けている人間的要素を付け加えることができます。求職者はメタバースの中の職場で一日を過ごし、雰囲気をつかむことができます。就職はもはやミステリーではありません。入社を決める前に、採用担当者のアバターと実際に1対1で話し、職場を評価することができます。
  2. 実際の仕事課題をベースにしたアセスメント
    メタバースはシミュレーションの一歩先を行っており、応募者のアバターがオフィス仕事を遂行するアセスメントを提供できます。たとえば、マーケティング職への応募者が現在のチーム全員と話をし、改善を提案することで、マーケティング計画のギャップを埋める、などです。
  3. メタバース内のオフィスでの採用活動
    採用活動はアバターを使用して行うことができます。応募者が仲間の応募者に会ったり、グループ討議に参加したり、面接を受けたりすることができます。
  4. 採用・昇進のための実務的アセスメント
    たとえば、医療、工学、または製造分野の熟練職への応募者は、応募者がさまざまな部品を検査する必要がある車の診断を実行するなど、メタバースでの実践的なタスクを介して評価できます。
  5. メタバースでの対面ミーティング
    パンデミック中、世界は一晩でオンライン会議に移行しました。また、一部の企業や業界は、通勤時間が短くなったこと(もしくは、なくなったこと)の恩恵を受け続けるために、完全にメタ職場に移行する可能性があります。そこでは、アバターを介したビデオ会議、メタ職場での共同プロジェクト解決、さらには福利厚生やメンタリングが行われるでしょう。可能性は無限です。

初期段階では、メタバースは特定の用途に特化したツールであり続ける可能性が高いです。他のテクノロジーを補完するものであり、他のテクノロジーに取って代わるものではありません。その理由は、標準化の欠如、市場の断片化、提供されるさまざまなユーザーインターフェイス、および統一されたガバナンスシステムの欠如です。これらのハードルが克服されるまでには、しばらく時間がかかるでしょう。そして、メタバースは、スマートフォンやインターネットと同じように、私たちの日常生活の一部と見なされるでしょう。

補助的なテクノロジーであることに加えて、企業はAR/VRヘッドセットを利用できるようにするというロジスティクス上の課題に直面します。特に、採用にメタバースを導入する必要がある場合はそうです。応募者全員にヘッドセットを発送するのは費用対効果が高いでしょうか?企業ブランディングのメリットは、それらのコストを上回るでしょうか?また、ヘッドセットはスマートフォンのように必須のテクノロジーになるのでしょうか、それともフィットネスウォッチのようにオプションのテクノロジーになるのでしょうか?メタバース内の職場のルールはどんなものでしょうか?そのような疑問がたくさんあります。道筋は今後3〜4年でクリアできるでしょうが、やるべきことはたくさんあります。

一方、日常のオフィスでは、企業はメタバース体験をどの程度没入型にすることができるか、そして、通常の職場体験をどの程度補完するものにする必要があるかについて、判断しなければなりません。パンデミックによって会議にビデオ会議ソフトウェアを使わなければならなかったように、私たちは、短期間でメタバースを導入しなければならないという、ルーチンを破壊するような将来に備える必要があります。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちら。
https://www.business-reporter.co.uk/technology/a-day-in-your-life-at-the-meta-workplace

この記事は、SHLラボのMark Brincat(Chief Technology Officer)によって寄せられたものです。

コロナ禍で一変した職場は多いでしょう。さらにメタバースが職場にどんな影響を与えていくのか、一個人としてはもちろん不安もありますが、楽しみです。

(文責:堀 博美)

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