堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は事例をご紹介します。SHLグループのHPに掲載されているものです。

第270回 事例:Genea――エンタープライズ・リーダーシップ・ソリューション

競争の激化とビジネスの多様化に直面し、Genea は、SHLのタレントアセスメントとリーダーシップ開発プログラムを活用してリーダーのマインドセットを変え、大局的な見方をして集団で結果を出すようなリーダーを構築しました。

Genea

会社概要
オーストラリアのシドニーに本部があり、グローバルに展開
不妊治療技術のパイオニア
1986年創業、従業員約400名
課題
社内外の環境の変化の中で成長を維持すること
今日および将来の、ネットワークで結び付いた協力し合うリーダーを育成すること
結果
リーダーたちの能力について客観的な見方と理解が得られた
リーダーシップ能力のギャップが低減した
マインドセットと行動が、明らかにエンタープライズ・リーダーシップの方向に移行した
多角化戦略を競争上の強みにできるリーダーの能力が増した

不妊治療業界における急激な成長とグローバル化に直面し、Geneaは、ハイエンドのプロバイダーとしてのポジションを維持したいのならば進化する必要があると認識していました。患者は常に実際の治療結果に大きな期待を抱きますし、今や全般的なケアがますます重要となっています。仕事のスピードも変わってきました。顧客からのフィードバックに素早く応えたり、規制の変更に合わせたりしなければなりません。

社外環境のこれらの変化に合わせ、Geneaは新しい国々や新しい商品群へと多角化していました。これまでのコアビジネスである不妊治療から離れての、医療器具への参入です。これらの変化は明らかに異なるリーダーシップ・アプローチを必要とします。会社としてのこれまでの成功を継続したければ対処しなければならない課題です。

人事部長のアンディ・ブラウンは次のようにコメントしています。『社員満足度調査の結果、当社のリーダーは部署や職種を超えて互いにより戦略的にパートナーを組む必要があることがわかりました。それが重要な問題でした。

我々は常にケアの継続性を向上させることに努力してきました。我々の多角化戦略の競争優位の基盤は各部署がうまく協力して動けることですが、巻き込むことが難しい場合もありました。』

ネットワーク・リーダーシップへの移行をサポートするために、GeneaはSHLのエンタープライズ・リーダーシップ・ソリューションを導入しました。リーダーが自分の部署やチームの業績だけに集中する狭い見方から離れて、会社が全体として大きな成果を上げるためにどう動けばよいかを考えさせることが目的です。

シニアリーダー30名がSHLのアセスメントを受け、個人と組織の両方のレベルでエンターブライズ・リーダーシップ指標に照らしての詳細なデータが得られました。リーダーは自分のアセスメント結果についてフィードバックを受け、自分のリーダーシップスタイルへの気付きが促されました。これがその後のワークショップで自分の改善点に焦点を合わせることに役立ちました。

『我が社のリーダーがどう動いているかを客観的に評価し、我々が対処しようとしている問題を経営陣に示したいと考えていました。このアプローチが現状を正確に映し出し、我々が達成したいことへの了承を得ることに役立ちました。』(ブラウン)

アセスメント後、対面式のワークショップが行われ、サポート資料や社内のサポートグループが提供されました。このプログラムのゴールは、リーダーをエンタープライズ・リーダーシップの方向へと移行させることです。時間を有効に使い、より戦略的な決断を下し、社内の他の人たちをよりうまく活用できるリーダーです。

プログラムの前と後のアンケートの評定点によれば、明らかにエンタープライズ・リーダーシップのマインドセットと行動に移行していました。

参加者の上司たちは次のように報告しています。

  • 会社全体の戦略と他部署の戦略を支援するような自部署戦略を作る能力が49%増加した。
  • 新しいプロジェクトを立ち上げる前にベストプラクティスを明らかにして他のリーダーと積極的に共有し、出てくる課題を舵取りしていけるリーダーの数がほぼ倍増した。
  • 4分の3以上のリーダーが、自分の仕事や学んだことを、類似したプロジェクトで仕事をする他の社員と共有するようになった(プログラムの前は2分の1にすぎなかった)。

『エンタープライズ・リーダーシップのマインドセットを取り入れたことで、我が社のリーダーは、共通の価値観を持つ、部署の壁を越えた協力的なパートナーシップを結べるようになりました。リーダーがチームに「全体像」を見せるため、メンバーのエンゲージメントレベルが上がり、自律性や革新性が生まれています。』(ブラウン)

この成功を受け、Geneaは現在SHLと協力して、次の集団である中間管理職・前線リーダー・専門職にプログラムを実施しています。最初にプログラムを受けた人たちが社内メンターとしてこのプログラムをサポートし、盛り上げています。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

SHLグループの提唱するエンタープライズ・リーダーとは、個人リーダーシップとネットワーク・リーダーシップの両方を発揮するリーダーです。詳しくは本コラムの第180回及び第184〜186回をご参照ください。

(文責:堀 博美)

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