堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はイギリスの人事専門サイトManagement Todayで5月に掲載された記事をご紹介します。

第227回 あなたは人材を怖がらせて遠ざけてはいませんか?

いい第一印象を与える必要があるのは、応募者の側だけではありません。

応募先の会社によい印象を与えることがどれくらい重要か、求職者はわかりすぎるほどわかっています。それで仕事をもらえるかどうかが決まるのですから。しかし、会社側は採用プロセスの中で応募者に与える印象について考えていません。それが悪い評判につながります。

約4000人を対象とした先日のCEBの調査によれば、応募者の4人に1人が、最近の求職活動中にネガティブな経験をしたと答えています。

いやな経験の主な理由はコミュニケーションのまずさです。我々の分析では、不満を感じた応募者は「採用ブラックホール」にはまっていました。すなわち、プロセス中、会社側が沈黙してしまうのです。履歴書や応募書類を受け取ったことを知らせない、採用プロセスで応募者がどううまく進んでいるのか面接でうまくやれたかどうかのフィードバックを与えない、などです。

さらに悪いことに、不採用になった場合に応募者に知らせないこともよくあります。採用プロセスでうまく進んでいる幸運な人にとってさえ、採用が決まるまでに約13週間(ほぼ3ヶ月!)宙ぶらりんの状態でいるようです。

顧客や見込み客に対し、問い合わせに答えない、提案してほしいというリクエストを無視する、納品の遅れを連絡しない、などほったらかしにする会社なんてありえません。しかし、求職者に対してはよくあるのです。

いやな応募者経験がビジネスに与える影響は過小評価されており、会社や商品ブランドの評判に大きなリスクとなります。3人に1人の応募者が自分の就職活動中のいやな経験について友人に話しますし、ソーシャルメディアを使って不満を吐き出すこともしばしばです。さらに、5人に1人の応募者がその会社の商品やサービスの使用や購入を止めます。

一方、会社が応募者によい経験をさせることができれば、その応募者の入社後にも波及効果があります。そういう応募者は入社後、15%多く努力し、38%多く定着します。幸せな社員ほどよく働きます。

会社は応募者を困らせようとするつもりはありませんが、期待やテクノロジーが変わり、採用プロセスがそれについていっていません。採用担当者は同じ人材に対して角つき合わせて競争しており、結果としての応募者経験を改善しなければなりません。しかしながら、効果的な採用を維持するためには、新奇で面白い選抜手法への誘惑は避けるべきです。

適切な印象を与えるために採用担当者が知っておくべきこと、やるべきことは4つあります。

  1. 求職者はオンラインでのストレートな経験を期待している。

    人々は今や、買い物から銀行まで何でもモバイル機器を使ってやります。しかし、仕事の応募プロセスはまださほど明確で直観的ではありません。会社は、モバイル機器を最大限に活用した使いやすい、自社のキャリアサイトや応募プロセス、アセスメントにすべきです。

  2. 応募者はより大きな透明性を望んでいる。

    自分が応募する仕事について、そして、その仕事に就くために何をしなければならないのかについて、応募者はもっと知りたいと思っています。会社は、その仕事に日常求められることや採用プロセスの段階について最初に応募者により多くの情報を提示しないことによって、チャンスを逃しています。応募者の期待を事前に設定させることで、それが自分にとって適切な仕事なのかどうか、引き続き活動を続けるべきかどうか、彼らが充分な情報を持っての決断を下すことに役立ちます。

  3. 応募者はフィードバックを与えたり受け取ったりしたいと思っている。

    時間やエネルギーをかけて採用プロセスを進みながら、求職者は、自分がどれくらいうまくやれているのか、自分の資格は充分なのか、アセスメントの成績はどうなのか、どうしたら今後さらに改善できるのか、知りたいと思っています。会社が完全な結果報告を共有する必要はありません。ちょっとしたヒントやこつで充分役立ちます。その応募者がもっと適している可能性のある他の求人情報を案内する会社もあります。また、採用プロセスの各段階の問題点を見つけたり段階相互のかみあい具合を理解したりするために、定期的に応募者からフィードバックをもらうことも重要です。

  4. 応募者は状況のアップデートを望んでいる。

    求職プロセスでは、応募者が応募先の会社から連絡をほしいと思う重要なポイントがあります。それらのコミュニケーションは特にその人に向けられたものでなくてもかまいませんが、応募者が次の段階を予想し、何を行動すべきかわかる必要があります。応募書類提出やアセスメント完了、面接終了などの時点で会社から知らせがあると、応募者経験はとてもよくなります。また、その仕事の確保にその人が成功したのかどうか、会社が応募者に知らせることも必要です。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

日本では18卒採用の選考が正式にスタートしました。就職活動中の学生間の口コミのインパクトは大きいものです。特にネットが発達した現代、そういうサイトへの書き込みを皆様、気にしていらっしゃるのではないでしょうか。

この記事はcandidate experience、すなわち、求職活動中の応募者としての経験についてです。Good candidate experienceを与えることが会社にとっても非常に重要であること、そのためにどんなことを考えておかなければならないか、あらためてご確認いただければと思います。

(文責:堀 博美)

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