堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は360度評価ツールの活用事例をご紹介します。プレミアムスピリッツ業界世界第6位のカンパリ・グループです。

第187回 カンパリ・グループ

カンパリ・グループ

  • プレミアムスピリッツ業界世界第6位
  • 主なブランド:アペロール、アプルトン、カンパリ、チンザノ、スカイウォッカ、ワイルド・ターキー
  • 本社:イタリアのセスト・サン・ジョバンニ
  • 社員数:世界中で4000人

カンパリ・グループは最高の人材を必要としていました。SHLと協力して360度プログラムを開発し、14カ国、8つの言語で実施しました。プログラムはすでに成果を上げています。

<課題> 人々のパフォーマンスを加速すること

カンパリ・グループはビジネスにとって人が重要であることをよく知っています。カンパリCEOのBob Kunze-Concewitz氏は次のように述べています。「ビジネスは常に動いています。そこでの競争に勝つか負けるかは、人の能力や行動、モチベーションと強くつながっています。急速に成長する時、状況は予測できず、そこで差をつけるのが人のアイデアや判断、柔軟性なのです。」

カンパリは、人々のパフォーマンスを推進するマネジャーによって率いられたチームで仕事をする最高の人材が必要であることを知っていました。また、急速に拡大している組織として、すべての重要職についてのしっかりした後継者計画を欲していました。そのために立ち上げたのがPassion for Peopleという研修プログラムです。その目的は以下によって人々のパフォーマンスを加速することです。

  • 人のマネジメントに対して一貫した独自の「カンパリ・ウェイ」を開発すること
  • 適切なトレーニングやツールでマネジャーをサポートすること
  • サポートやコーチングを提供して、困難な日々の部下管理業務においてマネジャーをより支援すること。

プログラムの一部として、カンパリは世界中のマネジャーの包括的な360度能力開発プログラムに投資することを決定しました。プログラムの整然とした展開をサポートできる戦略パートナーを見つける必要がありました。サポートには、現地言語や時差を超えてのサポートを費用対効果高く、かつ、業務の混乱を最小限にとどめることも含まれます。360度プログラムをグローバルで展開できる能力と、コンサルティングの実績が評価され、SHLが選ばれました。

<解決策> 360度フィードバック・プログラム

英語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、フランドル語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語の8つの言語で、合計で14ヶ国300人以上のマネジャーがプログラムに参加しました。

SHLがカンパリと相談して、「カンパリ・ウェイ」の4つの対人マネジメント・コンピテンシー(Envision、Enable、Empower、Energize)をもとに360度フィードバックの質問項目を作成しました。8つの言語に翻訳され、SHLプラットフォームに搭載されて参加者と評定者がアクセスします。ロンドンにあるSHLのサービスチームが質問紙の実施を担当し、ヘルプデスクのサポートを提供してプログラムが予定通り進むよう手配しました。ヘルプデスクは24時間体制、それぞれの実施国の言語での対応です。

360度フィードバックに、トレーニングセッション、ワークショップ、個別のコーチングを組み合わせたことで、参加者は人のマネジメントについての「カンパリ・ウェイ」を理解して活用できるようになりました。カンパリのEmanuela De Franchis(グローバル教育研修部長)は次のようにコメントしています。「フィードバック・プログラム以上のものでした。自分の強みと弱みをより理解するところから、よりよいマネジャーになるためのツールやコーチングを身につけるところまで、参加者を連れて行ってくれました。我々のコンピテンシーモデルに合わせて質問紙をカスタマイズし、本当に役立つツールにすることにおいて、SHLの専門性と経験は貴重なものでした。」各国での展開に続いて、参加者はカンパリとSHLが共同開発した自己啓発用のワークブックを使い、コーチングセッションで360度リポートを解釈して自分の能力開発計画を立案しました。また、各国に対し、SHLがグループの平均点を報告し、人事チームがどの分野に具体的に手を打つべきかを見極めるお手伝いをしました。

<結果> 利益ある成長を推進

カンパリのPassion for Peopleプログラムは以下の目的で360度フィードバックと能力開発を統合したものです。

  • マネジャーに望ましい重要行動に添わせる
  • 後継者計画の重要性を強調する
  • 個人の目的をグループの戦略やミッション、価値観と結び付ける
  • ポテンシャルの高い社員を意欲付け、能力開発し、惹きつけるようなカンパリ・マネジャーを育てる

360度プログラムの本当の価値は長期で判断されるものですが、グローバル人事のチームは、この施策が社内で受け入れられ結果が出始めていることで勇気づけられています。Emanuela De Franchisは次のようにコメントしています。「フィードバックはすでに業績改善を推進しています。2012年度の社員調査では、プログラムで狙った2つのコンピテンシーであるチームリーダーシップとコミュニケーションの点で満足度が高まったことを示しました。」1点から7点の尺度で、チームリーダーシップの満足度の平均点は5.08から5.35へと5.3%、グループレベルでのコミュニケーションの満足度平均点は4.71から4.95へと5.1%上がりました。Emanuela De Franchisは次のように付け加えています。「能力開発プログラムによって当社のマネジャーは、継続的な利益ある成長の推進に役立つような適切なスキルと行動を手に入れることができました。SHLは創造的でサポーティブであり、すべての段階で我々と深く関わってくれ、素早く我々に自信をつけさせてくれました。」

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

人事における360度ツールの活用は一時勢いが落ちたように思われましたが、最近また復活しつつある感があります。ただ質問紙を実施するだけでなく、そのあとのフォローが大切です。この事例のようにトレーニングやコーチングと結び付けることで本当の能力開発につながります。

文責:堀 博美

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