SHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は人事専門雑誌askGrapevineHR電子版(2013年2月5日付)の記事を取り上げました。SHLグループ自身が社内で実施している人事施策について、人事部長ニッキー・ホールが語っています。

第120回 タレント・オーディットでビジネスの成長力を確保する

タレント・オーディットは人材の現在の能力と将来の可能性について明確な像を企業に提供してくれます。SHLは商品ポートフォリオの一部として顧客にオーディットを実施していますが、ここでは、そのSHL自体が成長して顧客への影響力を高めようとしている、という話です。

SHL人事部長ニッキー・ホールは次のように述べています。「重要なことは、ビジネス戦略の達成方法を検討するために人材をどのように測定したいのかを明らかにすることです。」

「我々にとってのその成果が、我々が社内で『タレント・ファースト』と呼んでいる新しいプログラムです。それはオーディットの結果を活用して、教育研修やプロジェクトでそれらの人材の能力開発を行うことに他なりません。SHLの事業戦略に対応した明確なキャリア・パスを社員が持てるように能力開発をし、顧客からの要望に応えるためのベスト・ポジションに配置します。」

人材開発

2011年、SHLはPreVisorと合併し、ビジネス心理学者を抱える世界最大の民間企業となりました。ホールは合併の時にSHLに加わりました。入社して最初に社員から聞いたことのひとつは、「私たちは能力開発し続けたい、ぜひキャリアを伸ばしたい」という言葉でした。

彼女は、スタッフが会社であるレベルに達すると、自分でコンサルタント会社を始めたり企業の中で人事担当者として仕事をしたりしたいという理由で退職するという伝統に気づきました。

SHLのタレント・オーディットの中で、それぞれの社員のキャリア・パスが明らかになりました。これによって会社は、世界中のビジネスニーズを映し出すような能力レビューと今後の能力開発計画を作成することができました。

「異動や登用はビジネスを大きく前に進めます。転換のプロセスであり、私はそれを社内で実施・展開してスタッフの能力開発を支援できることにわくわくしています。それは我々の業務遂行能力を高めるだけでなく、スタッフのエンゲージメントや定着率も高めてくれます。寝るのを忘れるほど夢中にさせてくれるもの、そういうものを前に興奮しない社員がいるでしょうか?」(ホール)

ポテンシャルの見極め

SHLにとってタレント・オーディットのプロセスは社員を能力開発できるだけでなく、部門を越えて新しい人材を発見する機会も与えてくれます。 「我々にとって目からうろこの経験でした。自社の人材のことを知っていると思っていましたが、そのポテンシャルや志望の全体像が見えていなかったことがまもなくわかりました。大きな学びでした。」(ホール) オーディットの結果、SHLは将来のリーダー候補者を見極めることにも焦点を当てています。これまで発見できなかったポテンシャルを明らかにするためにいくつかのアセスメントをするつもりだとホールは説明します。これまで会社は社員の過去の業務成績にかなり集中しており、彼らがSHLの将来のリーダーになれるよう会社がどう育成できるかにはあまり焦点を当てていなかったそうです。 「現在、オーディットを終え、実装段階にはいったところです。引き続き注目していてください。向こうに何があるか(実施した結果、どうだったか)お話できることでしょう。」(ホール)

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

タレント・オーディット(人材の棚卸し)はSHLグループが得意とするコンサルティング・サービスですが、今回の記事ではSHLグループの人事部長がそのタレント・オーディットを社内で実施していることを述べています。グループはこの数年、合併や買収など組織としての大きな転換を経験しました。その流れの中での今回の施策だと思われますが、グループ対応窓口である筆者自身もやりとりの端々からグループの組織風土が徐々に変わってきていることを感じています。

文責:堀 博美

タレントマネジメ
ントコラム 日本エス・エイチ・エルの人事コンサルタントの視点

バックナンバー

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年

学会発表論文