SHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループのブログから、採用に関する記事をご紹介します。

第259回 採用の意思決定を改善するための、避けるべき3つの間違い

適切な人材を見つけることは、決して容易ではありません。
適切なデータと科学、テクノロジーがあれば、人事決定はより簡単に、より正確になります。

社員の選抜は、それが外の労働市場からのものであれ、会社内部からのものであれ、最も重大な人事課題です。しかし、優秀なリーダーやマネジャーでさえ、自分が間違った判断をしたことがあると認めることは多いです。それは何故でしょうか?また、判断を改善するために何ができるでしょうか?

科学的なアセスメントツールは適性のある候補者の発見と育成に役立ちます。このことは数十年前から実証されているにもかかわらず、最大限に活用されていません。SHLの最新の「グローバル・アセスメント・トレンド・リポート」によれば、94%の企業が「受検者へのテスト実施が採用プロセスの貴重な部分である」と回答する一方、5社中2社は「社外からの採用の際にアセスメントを利用していない」と回答していました。

これには多くの理由がありそうです。長期的に会社の業績が失速する時、半数以上のケースで人材のギャップが起こります。Gartnerによれば、10件中1件はリーダー層に存在するギャップのせいです。裏返せば、強いリーダーのいる会社はリーダーが弱い会社と比べて約2倍、業績が成長します。

それでは、採用マネジャーはどのような間違いをしているのでしょうか?

どれだけ避けようとしても、誰もが人や職務役割、文化について偏見を持っているものです。そのため応募者や職務要件についてのあなたの認識は歪められているかもしれません。

もうひとつの例は、事業が急拡大していて管理職が自分たちの組織規模を正しく認識していない場合です。一部屋にチーム全員を集めて、重要な問題を徹底的に議論することができない、と理解できないのです。このような歪曲が、間違った物事が優先されたり職務特徴が間違って候補者に示されたりすることにつながりかねません。大局的な観点が必要です。

多くの企業が毎年採用をしていますが、上司の中には自分の直感と経験で良い判断ができると考えている人もいます。

一方、SHLグループのアセスメントは毎年3000万人以上が受検しています。人の判断のみの場合と比べて、人や職務、事業の背景や結果についての幅広い分析をアセスメントデータと組み合わせる方が、良い判断ができる可能性が非常に高いでしょう。

労働市場はダイナミックであり、採用マネジャーが変化についていくのが困難なことも多いです。職務記述書からはずれたり要件が正しく優先順位付けされたりしていなくて間違ったタイプの人材を惹きつけてしまうと、悲惨な結果になりかねません。狙うターゲットが間違っていれば、採用は必ず失敗します。

助けは得られます。行動経済学や心理学は大きく進歩してきました。しっかりしたツールや分析を活用することで、採用や能力開発の担当者は以下の点を改善できます。

  • 職務の重要要素を文書化し、それに沿って人物特性の優先順位をつける
  • スキルや知的能力、行動を測定する
  • 鍵となる行動を成果データと対応させる
  • スキルやコンピテンシーのギャップを狙って修正する
  • 様々なトレーニングプログラムのインパクトを測定する
  • 職務の新しいプロファイルにアクセスできる
  • 労働市場についてより正確に理解する

ツールが完璧な採用マネジャーを作ることはできません。しかし、人の強みや弱み、動機付け要因や仕事の好みなど、全体像を理解できれば、よりよい判断を下すことは可能です。
様々な背景の人が適切な職務に就けるようになるでしょう。間違った採用で無駄になるコストは減り、関係チームや本人の人的コストも最小化されます。

採用は決して容易なものとはなりません。実証されてきた客観的ツールと厳密さを活用することだけが、人事担当者や候補者、会社、ひいては経済を支援できるのです。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原題は「Avoid These 3 Mistakes to Improve-Hiring-Decisions」です。
https://www.shl.com/en/blog/avoid-these-3-mistakes-to-improve-hiring-decisions/

重要な人事決定を補助するものとして、アセスメントデータをご活用ください。

(文責:堀 博美)

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