SHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

前回、CEB SHL Talent Measurementが2011年から毎年実施しているグローバル・アセスメント・トレンド調査の2014年の結果に関するプレスリリース記事をご紹介しました。今回は、その同じ調査から明らかになったもうひとつのテーマについてのメディア記事をご紹介します。オーストラリアの人事専門サイトHC Onlineで6月25日付ニュースとして取り上げられたものです。

第157回 モバイル・アセスメント:長所と短所

世界的に見て、携帯電話は基本的な衛生よりも普及しています。国連によると、携帯を持っている人は66億人、それに対して自宅にトイレがある人はわずか45億人です。

職務への応募プロセスでモバイル・テクノロジーを使う求職者は増えていくでしょう。最近の調査によれば、オーストラリアは、採用者がモバイルを活用する率が最も多い国のひとつです。しかし、応募者に自分のモバイル・ツールでオンライン・アセスメントを受けさせることは、問題を引き起こす可能性があります。

CEB「グローバル・アセスメント・トレンド調査」では、オーストラリアとニュージーランドの採用者の59%がモバイル・アセスメントの使用を支持しています。世界平均は42%です。ただし、それら早期適応者の半数以上はモバイル・アセスメントを支持する研究結果を欲しています。

モバイル・アセスメントは新しい分野ですから研究の数は一握りしかありません。しかし、ケン・ラッチ(CEB商品開発部長)によれば、これまでのところ、研究結果は「あるテストにおいてはデバイスが異なると結果も異なる可能性がある」ことを示しています。

『同一職務への応募者に対して様々な受検手段が用意される場合、我々は、そのテストがモバイル・デバイスで、従来のオンライン・インターネット・テストと同じようにちゃんと機能するかどうかを確かめなければなりません。

『研究結果は必ずしもそうではないことを示しています。特に、知的能力テストや問題解決スキルを測定しようとするアセスメントでは、モバイル・デバイスで受けた人は、通常のオンラインテストやモバイル以外の手段で受けた人よりもかなり成績が落ちます。

『つまり、受検者に知的能力テストを実施したい場合にその人にモバイルで受検させると、その人は不利になります。より低い点を取り、不合格になる可能性が高いでしょう。』(ラッチ)

人がモバイル・デバイスを使う場所が非常に様々であることが得点に差が出る理由である、とラッチは言います。また、人がモバイル・デバイスを使うのは、長時間ではなくちょっとした隙間です。これもまた、難しい知的能力テストを受けるに必要な集中度に影響します。

問題解決に関連するもの以外のテストはモバイルでもそうでなくても同じように機能する、
とラッチは述べます。

さらに、モバイルでのテスト実施は不正受検の確率を高める可能性もあります。調査回答者の約20%がこのことを問題視しています。

『インターネット上で実施される監督者なしのテストには、どんな種類であれ、不正受験の可能性があります。人がモバイルを使う場所を考えると、モバイル・テストはその可能性を高めるかもしれません。ラップトップPCやデスクトップPCと比べて、モバイルはほぼ常に携帯され、様々な状況で使われます。ですから、家にいる配偶者や友人や誰かから意図的に助けをもらう、というだけでなく、バスの中や喫茶店などどこででも、彼らがアクセスできる様々な人々からの助けをもらえます。』(ラッチ)

あなたは応募者にモバイル受検をさせますか?

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

社会の変化と共に採用試験の様相もどんどん変化しています。しかし、現時点ではモバイル・デバイスで知的能力テストを受検させることはあまり好ましくないだろう、との警告です。OPQなどパーソナリティ検査に関しては問題ないようです。

本記事のベースになっている「2014年グローバル・アセスメント・トレンド・リポート」はここからダウンロードできます。 画面上で申請フォームへのご記入が必要ですが、記入によって何らかの義務が発生することは全くありませんので、どうぞお気軽にご活用ください。

文責:堀 博美

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