堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、8月にSHLグループがプレスリリースした記事です。

第108回 SHLグローバル・リーダーシップ研究結果

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、8月にSHLグループがプレスリリースした記事です。

SHLが第1回のグローバル・リーダーシップ研究結果を発表しました。リーダーシップ・ポテンシャルについて世界的な様相を提示することが目的です。SHLデータベース100万人強の分析をもとに、上位25ヶ国が明らかになりました。今日、他国に比べて有能なリーダーが多いのは、香港、ドイツ、イギリス。逆に少ないのはデンマーク、ブラジル、ノルウェーという結果です。

ところが、明日のリーダーシップ人材ということでは状況が一変します。将来リーダーとなるポテンシャルをもつ人材が最も多いのはメキシコ、トルコ、エジプトでした。イギリスは18ランク落ちて20位以内から外れ、香港は首位から20位へ。一方、メキシコとブラジルはそれぞれ19ランク、21ランク上昇し、メキシコは1位になりました。

『イギリスに今日のリーダー人材は充分存在します。しかし、もし、将来のリーダーを育成すべく学習や能力開発に投資しないならば、イギリスはリーダーシップについての時限爆弾を抱えているようなものです。』と、SHL商品担当チーフオフィサーのポール・レベットは述べます。『教育水準の向上や起業を奨励する風土など多くの環境要因が、ブラジルやインド、メキシコ、トルコなどの新興国の、将来のリーダーシップ・ポテンシャルのランキングを押し上げています。もしこれらの国がこのポテンシャルを見極めて育成・開発していくことができれば、大きな成長チャンスを持つことになります。』

『企業は社内のリーダーシップ人材についての知見を高め、自国の外にも目を向ける必要があります。どこにリーダーシップが存在するのかを理解することが、リーダーシップ開発や人事異動・中途採用にとって重要であり、それがグローバル経済において企業が勝ち続けることにつながります。』

SHLは、企業内リーダーシップ育成の長期的取り組みについて次の5点を推奨しています。

  • まず、貴社でリーダーとして成功するための行動やスキルを明らかにする。
  • 社内のリーダーシップ・ポテンシャルの全体像をつかむ。その際、ポテンシャルが高いと思われる人材だけに対象を絞らないこと。
  • 科学的なデータを用いて貴社の人材と競合会社の人材を比べ、うまく承継されるようにするためにはどこにリーダーシップが不足するのかを明らかにする。
  • 教育予算配分を含めて能力開発策の焦点を絞り、それを実施する。
  • 貴社のリーダー人材がどこに存在するのかをグローバルに見て、ギャップを埋めるために、創造的戦略を用いて国境を越えて人材をまかなえるよう、準備する。

リーダーシップ・ポテンシャルの供給量:人口に対する割合で上位25ヶ国

順位 今日の有能なリーダー 明日のリーダーとなる
可能性を持つ人
今日リーダーと
明日リーダーの順位の変化
1 香港 14% メキシコ 54% 21↑
2 ドイツ 13% トルコ 50% 16↑
3 イギリス 10% エジプト 44%
4 オーストラリア 10% スイス 43% 2↑
5 アメリカ 10% ブラジル 42% 19↑
6 スイス 10% インド 41%
7 カナダ 10% イタリア 41% 10↑
8 日本 9% アメリカ 41% 3↓
9 シンガポール 9% ドイツ 40% 7↓
10 ニュージーランド 8% オランダ 40%
11 スウェーデン 7% 台湾 39% 1↑
12 台湾 7% アラブ首長国連邦 39% 9↑
13 フランス 7% デンマーク 39% 10↑
14 タイ 7% スウェーデン 37% 3↓
15 フィンランド 7% ポルトガル 37%
16 ベルギー 7% ロシア 37%
17 スペイン 6% スペイン 37% 変化なし
18 トルコ 6% アイルランド 37%
19 イタリア 6% インドネシア 37%
20 南アフリカ 6% 香港 37% 19↓
21 アラブ首長国連邦 6% イギリス 37% 18↓
22 メキシコ 6% ノルウェー 36% 3↑
23 デンマーク 5% ポーランド 35%
24 ブラジル 5% カナダ 35% 16↓
25 ノルウェー 5% 中国 34%

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

この結果は、2006年〜2011年に37カ国で実施されたSHLグループのOPQデータベース100万件強を分析した結果だそうです。

「今日の有能なリーダー」とは、以下の重要リーダーシップ特徴を多く持つ人。

関係構築力/問題解決力/コミュニケーション力/水平思考力/影響力/変化対応力/手順化力/動機づけ能力

また、「明日のリーダーとなる可能性を持つ人」とは、「上記のリーダーシップ特徴のいくつかを持つが、リーダーシップ・ポテンシャルを充分に実現するために更なる能力開発が必要な人である」、と補足されています。

それ以上の詳しい算定基準などが明らかにされていないため、この結果をどう解釈できるか、正直、なんとも言えないのですが、皆様はランキングをご覧になって、直観的にどのような感想をもたれたでしょうか。

ちなみに、日本は、「今日」で8位ですが、「明日」ではランク外となっています。実は、日本エス・エイチ・エルが扱っているOPQのデータは、当社のサーバー内で処理されていますので、今回の分析対象であるSHLグループのもつデータベースに入っていません。おそらく、海外企業がその日本人社員に実施したOPQデータが中心であり、そのため、サンプル数やそもそもの集団に偏りがあるのでは?と懸念しています。

文責:堀 博美

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