堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、教育・能力開発担当者向けウェブサイト「Learning & Development Professional」からの記事をご紹介します。

第230回 成長マインドセットを使って学びを刺激

オーストラリアのシュナイダーエレクトリック社は、強みに基づいた「ポジティブリーダーシップ」の考え方を仕事や個人の能力開発に取り入れています。

同社の人材開発シニアマネジャー、スコット・ネル氏は、この施策がどう機能し、学習者とリーダーの両方がその利点をどう享受しているかについて、次のように本誌に語りました。

「能力開発計画を立てる際、従来は、社員が各自の役割に求められるコンピテンシーを見て、それらのコンピテンシーに対して評価される、というやり方でした。一見、論理的なやり方に思えますが、結局は、その人が苦手なこと、できていないことをただ取り上げることになります。」

弱点が明らかになったら、その弱点に焦点を当てた、もしくは、「ギャップを埋める」ような能力開発計画が立てられます。

ネル氏は続けます。「そのような計画を人は実行に移そうとするでしょうか?実際、能力開発計画が弱点に焦点を当てているとパフォーマンスは24%落ちる、というCEBの調査結果があります。」

「想像してみてください。もしあなたが、自分の元気がなくなるようなことをするよう強制され、自分でもうまくやれていないとわかるとしたら、それはあなたのやる気やエンゲージメントにどんな影響を与えるでしょうか?」

シュナイダーエレクトリック社の、強みに基づいたポジティブリーダーシップ・アプローチはこの問題をひっくり返す、とネル氏は言います。

「我々は、社員がうまくやっていることを探し、それを次のレベルにもっていく方法を探します。弱点を無視するのではありませんが、今の強みを活用して弱点を補い、てこ入れするのです。」

「その結果、社員は自分の能力開発に乗り出す気持ちになり、成功に向けて意欲的になります。CEBの調査では、この強みに基づいたやり方はパフォーマンスを36%向上させます。」

シュナイダーエレクトリック社のL&Dを改善するもう一つの施策が、リーダーに成長マインドセットを促す「Flourish, Ignite, and Illuminate」プログラムです。

ネル氏は述べます。「ビジネスを真に成長させるためには、我々が成長のマインドセットを持っていなければなりません。」

「キャロル・ドゥエック教授の膨大な研究成果を基に、我々はこの理念を、リーダーシップに関して我々が提供する全てのものに、そして、個別のワークショップに組み込んで、社員がそのようなマインドセットを育てることを支援しています。」

シュナイダーエレクトリック社では、「固定的なマインドセット」と「成長のマインドセット」の両方が、スポーツや子供、著名人、そしてビジネスの場面でどう表れているかを調べています。

「我々は、考え方に挑戦する経験学習に時間をかけ、失敗を学びのチャンスとして扱い、成功を予測する中核として努力を大切にします。」(ネル氏)

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

多国籍重電メーカーの能力開発に関する取り組み事例です。ドゥエック教授はその著書『マインドセット―「やればできる!」の研究』やTEDトークなど、最近脚光を浴びているスタンフォード大学の心理学の教授です。産業界でもその成果を活用する動きが広がっているようです。

(文責:堀 博美)

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