堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は英国オンライン情報誌Online Recuitment Managize (onrec)(2014年2月)から採用テストに関する記事をご紹介します。

第153回 サイコメトリックスのパワー(1/2)

あなたはFacebookのプロフィールをスキャンして分析できることを知っていましたか?また、あなたの会社では応募の際、履歴書と一緒に応募者の心理測定結果が提出されていますか? このように今のサイコメトリックス(心理測定)をめぐっては、テスティング方法の技術的進化と産業界の認知度が混沌とした状態です。

人材コンサルティング会社Chemistry GroupのビジネスコンサルタントAlasdair Scottは本誌に対して、サイコメトリックスのパワーが伝統的な測定やレビューの先を行っており、自社の風土やブランド、さらには自社が提供できる職務経験を売り込むツールを企業に与えている、と語ります。『心理測定アセスメントはかなりのスピードで採用場面の標準になってきました。現在、英国企業の70%が選抜プロセスの一部として使っています。これらの企業にとっては同時に、ゲーミフィケーションから状況判断テスト(Situational Judgement Test)と呼ばれるシミュレーション・エクササイズまで、様々な形で応募者に自社の役割や風土を売り込むチャンスが来たわけです。これらの「職場の1日」的なアセスメントは応募者が興味を持って受検できますし、会社のブランドを高めることにつながります。』

Scottによれば、サイコメトリックス分野で最もエキサイティングな進化のひとつは、ソーシャルメディアを活用した個人測定です。『この分野はアカデミックな世界で興味をもたれてきましたが、ここ数年、企業にとってFacebookやLinkedInを分析してパーソナリティのような特性を測定することがより現実的な選択肢になりつつあります。人とのやり取りや私生活の大きな部分をオンラインに移す人の数はどんどん増えており、心理測定的なものを拾い上げる機は熟してきたと言えます。最先端の言語分析は、ただあなたのFacebookのプロファイルをスキャンすることであなたのパーソナリティを予測できるところまで来ています。あなたが「好き」なものやあなたが掲示する写真から組織風土や役割への適性がわかります。真のアイデンティティや自身がオンラインで簡単に見つけられるため、これが測定のポピュラーな形になりつつあります。』

適性検査を販売するAssessmentDay社ダイレクターOliver Savillは、自社のサービスへの関心の高まりを実感しています。昨年1年間で心理測定テストについての会社からの問い合わせが50%増えたそうです。また、受検の準備をしたいという応募者も増えています。問題例やアドバイスをもらいたい、と応募者は必死です。Savillは意識や教育が今後大きく変わるだろうと考えます。『驚くことに、今でも心理測定テストをまやかしのように思っている大人はたくさんいます。おそらく自分たちが子供の時にやった性格占いが頭にあるのでしょう。』しかし、彼も、年々、人事マネジャーが近代的な心理測定テストについてより理解するようになってきたと注目します。『自社の採用プロセスに心理測定テストを加えたいという関心は新しい会社でかなり大きいです。世代のせいかもしれません。若い社長は、自分たちが大学生の時にテストを受けたことを覚えているのでしょう。』

Savillによれば、最近の最も大きな変化は求人広告会社などが心理測定テストを応募者の求職活動の中に組み込んでいることです。すなわち、各応募者のプロフィールに履歴書情報と一緒に心理測定テストの結果を含める、というアイデアです。『これは素晴らしいアイデアです。採用する会社が応募者ひとりひとりをテストするという従来モデルを壊すものです。いくつかの大企業ではすでに始めています。心理測定の世界はますますオンライン化します。心理測定についての理解をもつソフトウェア・エンジニアは一旗挙げることができるでしょう。今年、多くのバーチャル・リアリティ・テストやインタラクティブ・アセスメント、「ゲーミフィケーション」の要素を取り入れたテストが出てきました。そのうちのいくつかは、会社イメージを意識している会社に採用活動に多くの金額を払わせるよう作られた小道具でしょうが、もっと真剣なバージョンもあります。それらが将来の姿かもしれません。いったい誰にわかるでしょう。』(Savill)

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

前回の本コラムで、バークレイズ銀行の対話型シミュレーション・アセスメント・ツールのことをご紹介しました。今回の記事はそれに関連します。採用アセスメントの近未来の姿についてです。

文責:堀 博美

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