堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

前回、人事考課に関する米国の潮流についての記事をご紹介しました。今回はそれに関連してのCEBブログの記事をご紹介します。

第189回 人事考課をやめたいですか?もう一度考えてください。

ほとんどの企業の人事考課システムは置換えの必要はないですが、変化が切に必要です。

マイクロソフトは2013年に、そして先日、アクセンチュアが33万人の社員の人事考課をやめると発表しました。

しかしながら、現実は、どちらの巨大企業もパフォーマンス評価をやめたわけではありません。ただ、これらの記事は、社員と管理職と会社の間に緊張関係を作り出すプロセスに光を当てました。

いろいろな記事で言及されたように、アクセンチュアはフォーチュン500社のうちの小グループ(わずか6%)に仲間入りしました。そのグループとは得点やランキングにあまり価値を置かないグループです。

この最新ニュースは多くの人事担当者に自社の人事考課プロセスを見直すきっかけを与えました。ほとんどの人が近代化の道を好む傾向がありますが、それは「木を見て森を見ず」ということにならないでしょうか。多くの人事担当者はどんなプロセスが社員の生産性向上に最も役立つのか、確信がありません。

人事担当者へのベストなアドバイスは、人事考課プロセスについての決断を急いで下すことはやめる、ということです。高業績企業は議論の中心に考課得点を使いません。人事考課を過去の業績の記録として使うのではなく、その代わりに、社員の将来のパフォーマンスを向上させるために使います。

変更前に自問すべき3つの質問

以下の3つの質問への答えが、ほとんどの企業に進むべき道を照らし出すでしょう。

「自社の人事考課は後ろ向きか?」
管理職は過去の業績を、部下が将来もっと生産的になることを助けるために自分が何をできるかのガイドとして使うべきです。過去の成功や失敗を強調したり、過去についてのフィードバックをするのではありません。

Juniper Networksは、過去の業績評価を、社員が今後必要な能力を描き出すことと組み合わせる手法を提案しています。

「考課においてインプットを提供するのは誰か?」
管理職一人当たりの部下の数はかつてないほど増えていますし、社員は職務遂行にかつてないほど同僚と協力しなければなりません。これらの変化を踏まえ、フィードバックは複数の情報源(同僚、仕事仲間、顧客など)から来るべきです。

国際的法律事務所Herbert Smith Freehillsはこの新しい考えを組み込んだ人事考課プロセスを設計しています。自己評価において、社員は自分個人の成功を主張するだけでなく、自分が周囲の人から受けた貢献を記述しなければなりません。協力のメリットと、マネジメントチームがそれに価値を置いていることが伝わります。また、この種の協力による業績についてマネジメントが量化し、それに報いることにも役立ちます。

「フィードバックは常に与えられるのか、それとも年に1回か2回なのか?」
それが定期人事考課の期間だけの場合、最後になってよかったことと悪かったことを思い出すのではなく、年間を通してコーチングするよう管理職に教育することを人事担当者は考えるべきです。そのほうが管理職にとっても社員にとっても大切です。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

制度の改革よりも、個々の社員の将来に向けてのFB、360度評価の活用、日常的なコーチングが業績向上への近道です。急がば回れ。

文責:堀 博美

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