堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループHPのプレスリリースやブログなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループのブログ記事をお伝えします。

第294回 新しい年、人事が「止めるべきこと」「始めるべきこと」「引き続きやるべきこと」

人事リーダーの皆様へ

ご存じの通り、当社はチームメンバーに定期のパフォーマンスレビューを実施しています。毎年1月、休暇が終わって皆が新たな気持ちで仕事に向かう時、我々は時間を取って日常の仕事から離れ、昨年のあなたのパフォーマンスについての我々の見解を振り返ります。あなたにはそれを基に、上司とみっちり1時間話し合いを持ち、今年、成長して一層高いパフォーマンスを上げられるようなアクション・ラーニング目標を設定していただきます。

このリポートは、2020年、あなたに期待するパフォーマンス変化について、あなたの上司や同僚、直属部下、顧客からのフィードバックをまとめたものです。このフィードバックについてより詳しく上司と話し合い、成長目標を合意してください。

あなた独自の強みと能力開発ポイントについての、焦点を絞った、生産的で支援的な対話を促すため、このリポートは3つの領域に分けて組み立てられています。すなわち、あなたが昨年よりも成功するために、あなたが(1)止めるべきこと、(2)始めるべきこと、(3)引き続きやるべきこと、です。昨年は大変お疲れ様でした。2020年も期待しています。

♯1:止めるべきこと
AIやマシンラーニング、ニューロサイエンスなどを持ち出してひけらかすこと

人事にとって現代の「通貨」はビジネスインパクトです。素敵な新しいテクノロジーによってより良い人事決定が可能になりました。しかし、新テクノロジーがそのままビジネスに結果を出すことにつながるとは限りません。人事リーダーは、最重要ビジネス課題を支援するような効果的な人事戦略を開発することでインパクトを最大化できます。これらの人事戦略を遂行するために、人事リーダーには、その仕事をうまく、公平かつ効率的に、そして納期と予算通りにでき、また、購入や導入がしやすいツールやプロセスに注目してもらいたいです。

2020年、人事リーダーには、キラキラした新しいHRテック−人工知能やマシンラーニングなど脳や遺伝子に関わるものすべて−の登場に夢中になった状態を脱してもらいたい。そして、より良い人事決定を通して目に見える形でビジネスにインパクトを与えるという基本に戻ってもらいたい、と考えます。新しいツールが実は社員の力を高めないのであれば、それがAIであっても、ニューロサイエンスであっても、関係ありません。

人事リーダーは、テクノロジーが、より確かな人物像や人事投資でもってビジネスのミッションを進めることにどう役立つのか、に再度焦点を当てるべきです。現実の問題を解決しない「○○搭載」商品を売り込んでくるベンダーによって方向を見失ってはいけません。

♯2:始めるべきこと
「タレント」という言葉を、「人」から「チーム」へ再定義すること

「タレント」の見方をちょっと変えて、人々のグループの集積された能力ポートフォリオとして捉えてはどうでしょうか。個人で考えると、完全にマッチする人を見つけるのはますます難しくなります。チームで考えることによって、競争力の高いツールとしての様々な働き方(臨時社員、テンポラリー、契約社員、フリーランスのギグなど)や新しい組織構造(ファンクショナル・アウトソーシング、バーチャル・チームなど)のパワーと価値を解き放つことができます。

人事リーダーにスキルやコンピテンシーに基づいてチームの人員配置を考えさせるようなこの「タレント」の新定義はまた、会社のトレーニングや能力開発の戦略を変えます。例えば、トレーニング・ニーズをどう診断するか、会社が提供する学習機会に社員がどうアクセスしてどう報酬を得るか、などです。

♯3:引き続きやるべきこと
証拠に基づく人事決定をサポートするためにデータを活用すること

2020年、人事リーダーは引き続き「デジタル化」に取り組み、データや分析を活用して、自社の人材マネジメントプログラムの健康状態を診断して、そのインパクトや人事の投資効果を定量化すべきです。

ビジネスは、人事リーダーが、価値の高い先駆的指標を見分け、より早いフィードバックを得る方法を考え付き、プロセスと結果についての有意義な測定値を判断する、と信頼しています。そして、分析を実施して、タレントプログラムが会社や我々のチームに与える影響を評価する他のデータソースを明らかにしてくれる、と期待しています。

人事リーダーの皆様の多大な貢献に感謝しています。あなたが次に何をやるのか、待ちきれません。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/3-things-hr-should-stop-start-and-continue-doing-in-the-new-year/

著者はKen Lahti。SHLのChief Science and Innovation Officerです。

この記事の形式は少し手が込んでいて、人事リーダーに対する、年次考課のフィードバックの形をとっています。Kenは不特定多数の人事リーダーを念頭に書いているわけですが、経験豊富な彼の意見に、日本で人事に携わっている皆様にも当てはまるところがあるのではないでしょうか。

私は#2の「タレントを個人ではなく、チームで考える」というコメントが印象に残りました。最近、お客様企業からチーム編成や相性(?)などについての問題提起をいただくことが増えてきた、と感じています。職務の遂行に求められる要件はますます多岐にわたり複雑化しています。それをひとりの人に求めるのはかなり無謀かもしれません。まだまだストレートな答えのない問題ですが、今後の取り組みテーマだと思っています。

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