堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループHPに掲載されているブログの記事をご紹介します。

第274回 効果的なコンピテンシーモデルを作る5つのこつ

最高のコンピテンシーモデルを開発して導入しようとする際は、まず以下の5つの質問を自問しないと大変なことになります。

効果的な人材マネジメント戦略の基礎は、会社全体のコンピテンシーモデル開発です。よい枠組みは、会社全体に渡っての優れたパフォーマンスに必要な重要行動を含みます。うまく作成されれば、これら明確に定義された行動が、その会社で何が重要であり各社員がどのように自分の業務を遂行するのかについての、共有された基準点となります。これら個々の行動がテーマごとにグループにまとめられたものがコンピテンシーです。

しかし、会社全体のコンピテンシーモデル全てがうまくいっているわけではありません。我々の経験から、効果的なコンピテンシーモデルを開発するためには、全ての会社が検討し、定期的に見直すべき5つの重要な質問があります。

コンピテンシーとその根底にある行動は、現状維持以上のパフォーマンスを反映しているのか?もしくは、低業績者でさえ示しているようなもっと平凡な行動を記述しているに過ぎないのか?この質問を自問しなければ、既存の社員にとってチャレンジングではなく、また新しい社員にとっても真に「素晴らしい」とはどんなものかがあいまいなモデルになってしまいます。

我が社がどこに向かっているかを考えてきたか?モデルから、コンピテンシーと我が社の将来に向けたビジネス目標の間にはっきりとしたつながりが見えるか?モデルは、現在重要なものを反映しているだけではなく、会社が向かうべきところにビジネスを持っていくために重要な行動にスポットライトを当てていることが必須です。

将来の要件や会社の戦略的なビジョンを反映するようなモデルを作ることが、会社を正しい方向に駆り立てます。今日のほとんどの会社にとって、デジタル化が新しいビジネスモデルや戦略の背後にある原動力であり、将来のビジネス目標を達成するために社員が示さなければならないコンピテンシーを決めるものでしょう。

そのコンピテンシーモデルは不必要なほどに複雑ではないか?ビジネスにうまく導入する障害とならないか?時には、(作成者が良かれと思って作成していても、)新しく作成されたモデルが細かすぎて、影響を受けるまさにその人たちがほぼ理解できないようなものになっていることがあります。コンピテンシーの言葉は、適度な具体性を持ちながらも、人々が自分の仕事や会社の風土についてどう話しているかを反映するものでなければなりません。

望ましい行動の幅を網羅することと、モデルを簡潔にすることとの間で適切なバランスを見つけることが、モデルが社内で受け入れられ、社員が慣れている形式や言葉に沿っていることにつながります。

自社のモデルが社内のある一部、たとえば、最も人数の多い職種や、その時点で戦略的な焦点が当たっている部署にだけ関連している、ということになりやすいものです。ビジネスの営業的なところや対顧客の分野に焦点を当て、他の社内サポート部門を無視してしまうことはよくあります。

うまく作成されたモデルは、開発プロセスにおいて会社全体を代表するような協力者を確保することでこの問題を避けます。適切なレベルの網羅性と深さを確保するために、SHLユニバーサル・コンピテンシー・フレームワークのような幅広い役割に適用できることが示されたコンピテンシー・フレームワークから出発することを検討するとよいでしょう。

膨大な時間と努力をかけてすごいコンピテンシーモデルを開発しながらも、導入について忘れられることはとてもよくあります。それでは、この素晴らしいモデルは棚ざらしです。プロセスの一部として全社の人々を巻き込んで同意を得、最終的に決まった段階でどううまくモデルを導入できるかを明確にすることが重要です。

開発と同時進行で共同で導入計画を立てることによって、積極的な関与が得られ、導入がはるかにスムーズになります。導入の推進力となりそうな人(そして、推進を阻みそうな人)を除外することが、コンピテンシー施策が行き詰まる理由になることは多いです。


コンピテンシーモデルの開発の最初、および、途中途中でこれら5つの質問を自問することで、うまくいく、将来も有効に使い続けられる、そしてあなたの会社に真の付加価値をもたらすモデルが作成される可能性が高まるでしょう。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

社員に求められるコンピテンシーモデルを自社で開発する会社は多いと思います。記事の5つの質問は参考になりますでしょうか。

私個人として改めて肝に銘じたのは質問1と質問3です。その職種や役割に全般に求められるものではなく、特に高業績者が示す行動に焦点を当てること。また、あれもこれも、と欲張りすぎて過度に複雑になってしまうこと避けたいものです。

(文責:堀 博美)

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