堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、SHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、SHLが属するCEBブログやメディア発信などから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

前回に続き、CEB白書「Making Change Management Work」をご紹介します。風土改革やM&Aなど大きな組織変革を成功させるためのCEBからの提言です。

第215回 変革マネジメントを機能させる(2/2)

より現代にマッチした効果的な変革マネジメント方法がオープンソース・アプローチです。オープンソース・アプローチはコンピューターソフトウェアの分野で1990年代に始まったもので、今では他の分野や商品にも適用されています。オープンソース商品の最もよく知られたひとつの例がWikipedia です。Yelpや Wazeも同じくオープンソースで、クラウドソーシングによって情報を収集し、その情報をユーザーが使います。
オープンソース・アプローチには以下のようなユニークな利点があります。

  • 参加型
  • 開放的でいろいろな人が参加できる
  • 多様な専門性や見解にアクセスできる
  • 複数のユーザーと一緒に何度も改善を繰り返すことで、常に最新の状態でいられる

オープンソース変革では社員が変革の計画と実行をします。スタッフは変革を遂行するだけでなく、変革に影響を与え改善もします。オープンソース変革には以下の3つの要素が含まれます。

  • リーダーが、変革戦略の意思決定に積極的に社員を関わらせる
  •  社員が導入計画を立案する
  • 「告げる(Tell)」ではなく「話す(Talk)」に焦点を置いたコミュニケーション

オープンソース戦略を変革アプローチに組み込むことで、組織には以下のようなメリットがあります。

  • 変革が成功する確率が34%から58%に上がる
  • 導入にかかる時間が3分の1減る
  • 社員の生産性が上がる(社員が変革に費やす時間が週当たり約13時間少なくなる)
  • 組織の中で変革に抵抗する人の数が減る

大多数のリーダーが変革に社員を巻き込むことの重要性に気付き、また、すでに巻き込んでいる、と述べますが、ほとんどの社員は含められていないと感じています。さらに、どの程度巻き込むのが適切なのか(量や方法)についての判断は極めて難しいものです。先進的な企業は以下のことを行っています。

  • 全員ではなく、適切な人を巻き込む
  • ビジョンを確立する前に社員を含める
  • 社員の専門性や変革要件を基に、誰をどの程度関与させるか区別する

正確な人材マネジメントの必要性

オープンソース・アプローチを取るために、組織は人事の仕組みやシステムを最大限に活用すると同時に、変革に前向きに関与する個々人の能力をマネジメントして追跡しなければなりません。

先進的な企業は客観アセスメントを使って、個人の、「変革の当事者意識を持つ」「あいまいさに対処する」「変革中に他者をサポートする」などオープンソース変革行動を受け入れる傾向を測定します。

貴社のどの人が以下のような変革能力をどの程度持っているかを理解できれば、配置配属や必要なトレーニングについて効果的な意思決定ができます。

変革の当事者意識を持つ

  • 変革関連行動の責任を取る
  • 自発的に物事を起こす
  • 必要な変革を仕事プロセスに導入する
  • 厳しい選択や検討後のリスクを含む決定を素早く明確に下す

あいまいさに対処する

  • 周囲の環境の不透明さやあいまいさに楽に対処する
  • 前向きな見方を保つ
  • 次々と変化する環境でも冷静でいて、生産的に仕事をする

他者をサポートする

  • 共通の目標に向けて周囲の人とうまく仕事をする
  • グループの目標を達成するための仕事で、自ら進んでギブアンドテイクしようとする
  • 建設的な関係を築く

変革策を実行する前にアセスメントデータを使って、個人やチーム、会社レベルで、変革レディネスについてのプロファイルを作成しましょう。組織変革を成功に導くために誰の何を開発したらいいのかを理解するために、これらのプロファイルが役立ちます。


(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

組織変革を成功に導くためにCEBが提言するのがオープンソース・アプローチです。言葉は耳新しいですが、戦略やビジョン策定の段階から社員を巻き込む、というのは日本企業が昔からやってきたことかもしれません。ただ、この誰をどういう風に関与させるべきかという点では学ぶところがありそうです。そして、その「誰を」を選ぶ際に客観アセスメントが大いに役立ちます。

この白書の原文は以下のボタンからダウンロードできます。どうぞご利用ください(お名前や所属などの情報入力が必要です)。

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(文責:堀 博美)

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