SHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はCEBブログから、エンゲージメント調査に関する記事をご紹介します。

第208回 全ての従業員エンゲージメント調査で尋ねるべき9つの質問

従業員エンゲージメント調査の得点が高いことが最終ゴールではありません。最終ゴールは業績向上です。

従業員エンゲージメント調査は、マネジャーが、自分のチームが仕事や会社についてどう考えているかを理解するためのおそらく最も一般的な方法です。

実際、CEBデータによれば、92%の会社が調査を実施しています。そして、上級リーダーの80%は従業員のエンゲージメントが高いことが事業目標達成の重要な一部であると信じているなど、結果は重要な指標となっています。

問題は、会社のあらゆる階層のマネジャーが、調査結果のデータを当てにして自分の会社への貢献度を示すことに慣れ、エンゲージメントの向上がつながるべき事業結果についてほぼ立ち止まって考えないことです。適切な調査を作ろうと一生懸命になりますが、調査が自分たちにどのようにお返ししてくれるのかをほとんど考えません。

伝統的なエンゲージメント調査は、従業員の仕事や会社に対する満足度や幸福感を評価するよう設計されています。「あなたは充分に認められていますか?」「あなたの上司はあなたを個人として大切にしていますか?」「職場に親友はいますか?」などです。さらに、従業員を幸せな気分でいさせるために会社が華やかなオフィスや特典を与えることもしばしばです。

わかります。ほぼ常に変化し不確実さが高まっている状況に直面して、ビジネスは躍起になって従業員が会社や変化そのものに対して前向きな気持ちでいられるよう頑張っています。特に、変化が業績を大きく阻害する可能性があるという困ったデータを考えると、そうなります。

しかし、前向きな態度やコミットメントは役立ちますが、従業員の業績を推進する上位3つが単なる心情の何倍もの力を持っていることをCEB調査が示しています。すなわち、「会社のゴールの理解と関係づけ」「同僚へのコミットメント」「適切な能力を持っていること」です。

従業員エンゲージメント調査の質問項目を考え出す際、マネジャーはとりわけ上記3点を念頭に置くべきです。最終的な目的である従業員の業績向上を実現できるような調査項目を組み立てるのに役立ちます。

仕事で成功するために、従業員は自分が組織の中でどう当てはまっているのかを理解していなければなりません。細心の注意を払って作成された戦略の実行がうまくいくかどうかは、従業員が会社のゴールにどれくらい沿って動いているか次第です。しかし、上級幹部の61%は、自分の考えと日常業務の間のギャップを埋めることに苦労していると答えています。

そこで、エンゲージメント調査が、従業員が会社のゴールや、それと自分の仕事の結び付きを理解しているかどうかを示すことが重要です。

<次の質問を自問してください>
あなたの質問は、従業員が「戦略をよそに」自分の仕事をしようとしているのか、それとも、戦略ゴールに意図的に貢献するようなやり方でしているのか、を明らかにしていますか?

高業績従業員の特徴の一つは、彼らが互いから学び、教え合うことです。めまぐるしく変化し、ますますグローバル化する仕事環境では、全ての従業員が、同じ部屋で働く人と同じくらい楽に、別の大陸にいる人とも一緒に仕事をしているようでなければなりません。

コンピテンシーや価値観、仕事スタイルの重点が、個々人のタスクのパフォーマンスを促すものから、強力なネットワークによるパフォーマンスを促すものへと移行することが必要です。

<次の質問を自問してください>
あなたの質問は、従業員が複数の専門分野にまたがった共同チームの一部としてそれぞれのベストな仕事を遂行しているかどうか、をあなたが理解する助けになっていますか?

能力は大きな変化の期間中、高業績に最も貢献するものです。能力は従業員の理解力、機敏さ、周囲のネットワーク、方向づけ、期待から成ります。

能力は、変化そのものに対し、コミットメントの3倍のインパクトを持ちます。CEBの分析によれば、コミットメントは高いが能力の低い従業員は実際、変化に関連するストレスに苦しんで低業績になる可能性が18%高いです。

<次の質問を自問してください>
あなたの質問は、従業員が、変化の中でしっかり進むことを助けるようなツールや情報、周囲の人々の活用を意識し、充分な自信を持ってできるかどうか、をチェックしていますか?

上記の点を踏まえ、以下に、マネジャーが従業員のパフォーマンスを改善するためにエンゲージメントを把握することに役立つような、上位9つの調査項目を挙げます。

  1. あなたは、組織全体の戦略目標を理解していますか?
  2. あなたは、会社がその目標やゴールを達成することを助けるために、自分が何をすべきかわかっていますか?
  3. あなたは、自分の仕事と会社の目標やゴールとの間にはっきりとしたつながりを見ることができますか?
  4. あなたは、あなたのチームのメンバーであることを誇りに思っていますか?
  5. あなたのチームは、あなたにベストな仕事をする気を起こさせますか?
  6. あなたのチームは、あなたが仕事を完遂することを助けてくれますか?
  7. あなたは、自分の仕事について正しい決定を下せるような適切な量の情報を持っていますか?
  8. あなたは、組織のインフォーマルな構造やプロセスをよく理解していますか?
  9. 仕事で予期しないことが起こった時、あなたは通常、誰に助けを求めればよいかわかっていますか?

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

社員を対象とするこれらの調査は一昔前は「満足度調査」と呼ばれていました。しかし、調査実施の手間を考えると職場環境や人間関係など福利厚生的な確認だけではもったいないです。御社の社員調査はいかがでしょうか?業績向上をダイレクトに狙った調査項目設計のヒントになりましたでしょうか?

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