SHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループHPのプレスリリースやブログなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループCEOのAndy Bradshawによるビデオブログの記事をお伝えします。

第306回 我々のお客様は人材戦略をどのように再考しているか

変化が従業員のライフサイクル全体に影響を与えています。SHLは世界中のお客様と提携して、最も差し迫ったニーズに対応しています。

このブログでは、新型コロナウィルスの中で起きているお客様のビジネスのダイナミクスの変化とBlack Lives Matterの動きに関連して、ここSHLで私たちが見ていることについてお話ししたいと思います。顧客が求め、必要としている、人に関する答えを考えます。

私たちは、ほとんどの組織がパンデミック危機への当初の対応に内部リソースを動員するのを見てきました。現在、組織はより戦略的、そして確かにより中長期的な意思決定を行っている時期です。それらの決定のいくつかは、この危機が始まる前とは異なります。多くの組織がタレントマネジメント戦略において検討しているポイントは主に次の3点です。

最初の領域は変革に関するものです。多くの組織はこの時期を利用して、すでに進行中の変革を加速しています。デジタル化が進んできたため、これらのプログラムのほとんどが加速しています。

それに加え、組織は、リーダーシップをどう再構築するか、この新しい環境での将来に向けて自社の人材プールにどんな能力があるか、をじっくり検討しています。彼らは、デジタルビジネスのニーズを満たすために、これまでと異なる新しいスキルを探しています。それらのスキル(つまり、テクニカルスキルやコーディングスキル)を持つ人々をどのように採用するかを検討しています。

そして最後に、リソースを調整し、中長期的に会社を再構築する方法を尋ねるために、いくつかの組織が私たちのところに来ています。必然的に不況期となるだろうと予測し、人材についての意思決定を先取りしてすぐにでも行おうとしているのです。政府の助成金が減り始めていることも背景にあると私は思います。

2点目は従業員にまつわる変化です。多くの組織は、従業員に対してより人間的であろうととしています。リモートワークやそれが人々に与える影響について考え、従業員の福祉とワークライフバランスやそれが生産性に与える影響について考えています。彼らは従業員がどんなサポートと必要としているかを探っています。つまり、組織が従業員に対してより人間的であろうするための取り組みに関して、多くの活動が見られます。

さらに、組織はダイバーシティとインクルージョンの取り組みにますます注目しています。ジョージ・フロイドの殺害とBlack Lives Matterのキャンペーンにより、その勢いが高まっています。どのようにしてプロセスを改善できるか、どのように組織全体での採用と昇進の意思決定のバイアスを減らして排除することができるかについて、お客様から多くの問い合わせを受けています。これは、いくつかの組織がその風土を再考し、自分たちの価値観を再検討することにつながっています。繰り返しになりますが、これらすべては、組織が対処しようとしている、人材に関する大きな問題です。

3番目の領域はよりSHL特有のものです。多くの組織がこの機会を利用して、人事管理に使うベンダーを統合しようとしていると私たちは見ています。現在、その多くは全般的なコスト削減によって進められていますが、同時に、組織がこの期間に戦略的パートナーシップを望んでいることによるところも大きいです。

組織内の人的資本は今後数か月および数年にわたる成功の鍵です。そのため、リーダーは、人材に関する問題を理解し、自分たちが求める変革に必要な、人材に関する答えを提供してくれる他の会社と、より深いパートナーシップを築こうとしています。この取り組みは、彼らが適切な文化と価値を持つようになるために役立つでしょう。

以上が人事管理に関してSHLが見てきた3つの領域ですが、人材獲得に関しては少し異なります。ほとんどの組織では採用がいくらか減っています。これは珍しいことではありませんが、それとは対照的に、ほぼ反対に大量採用をしている組織があります。

彼らは数か月間休業していたために多くの従業員を失い、今や再開に向けてそれらの職を大量に採用しなければなりません。これは、これらの組織にとっての大きな課題です。

しかも、大量採用をバーチャルで行わなければならないので一層大変です。バーチャル環境の中で候補者を惹きつけ、評価し、面接し、採用通知を出す場合、依然として素晴らしい候補者エクスペリエンスを提供できていることをどう確認できるのでしょうか?

組織にとって採用プロセスにおける候補者エクスペリエンスがこれまでと同じように優れていることを確認することが重要です。私たちは、組織がこの機会を利用して、エンドツーエンドの採用と人材獲得のシステムとプロセスを見直し、どのように合理化できるかを検討している様を見ています

ここ数年間、失業率が低い期間が続きました。組織は候補者を求め、彼らを惹きつけて転職させようと懸命に努力しなければなりませんでした。現在、失業率が増加するにつれて潮流が変わる可能性が高く、より多くの応募者が来ることが予想されます。組織が最高の人材を確実に得るためには、非常に堅牢で効率的なソリューションが必要です。

以上が、マーケットで私たちが見てきたことです。お役に立てば幸いです。来月またお会いできることを楽しみにしています。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

SHLグループCEOからのビデオメッセージを書き下ろしたものです。
(ビデオメッセージは下記URLからご覧いただけます。)
https://www.shl.com/en/blog/insights-by-andy-how-our-customers-are-rethinking-talent-strategy/
毎月定期的に配信される予定です。

(文責:堀 博美)

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