堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

リクルーターに関するCEB白書を連載してご紹介しています。今後のリクルーターのあるべき姿は「人材アドバイザー」であると問題提起し、人材アドバイザーに求められる能力と、その評価・開発について論じてきました。

第198回 CEB白書:リクルーターを人材アドバイザーとして再定義する(5・完)

景気や労働市場が不透明な中、リクルーティング機能はただ必要なポジションを埋めるだけのものであってはなりません。影響力を発揮して真のビジネスインパクトを推進することが必要です。プロセスの効率化や自動化でできることはほぼ出尽くしました。最も可能性があるのはパイプラインマネジャーと戦略アドバイザーの能力を開発することで、ここが最も改善の余地があるところでもあります。

オペレーションから戦略へと移るプロセスには、人材アドバイザーが従来とどう違う行動をするのか、それらの特徴をもつリクルーターをどう評価・選抜するのか、リクルーターへの期待や能力開発プログラムに人材アドバイザー能力をどう埋め込むのか、などがあります。

戦略アドバイザーとパイプラインマネジャーの能力を明らかにする 「注文を受ける人」ではなく「意思決定者」を作り上げる

優れたリクルーターには、会社についての鋭い知識や労働市場についての深い専門性を持って人員に関する決定情報を伝えることによって、雇用側マネジャーに影響を与える権利があります。彼らは次のように動きます。

  • 人材戦略の根幹を雇用決定に反映させる。
  • 雇用側マネジャーに対し、満足させるだけでなく、異議を申し立てる。
  • 労働市場に関する深い専門性を使って雇用決定に影響を与える。
  • 狙いを絞った人材パイプラインを構築する。
  • 自分の採用推薦のビジネスロジックを伝える。

リクルーター選抜では戦略能力をただ語らせるのではなく、デモンストレーションさせる

  • リクルーター選抜で、面接から観察ベースのアセスメントへ移行。リクルーターのハードスキルとソフトスキルについて収集した情報を信頼する雇用側マネジャーは40%だけです。
  • 現実世界でのリクルーティング経験をシミュレーションする。リクルーティングのシミュレーションでリクルーターに能力をデモンストレーションさせると、彼らが実際に戦略スキルを応用できるかどうかが明らかになります。
  • 「困難な瞬間」を利用する。生のプレゼンテーションでの逆境を使うと、リクルーターがプレッシャーのもとでも落ち着いて雇用決定に影響を与えることができるかどうかわかります。

戦略的インパクトの指標をスコアカードや能力開発プログラムに組み込む

  • リクルーターへの報酬を戦略的インパクトに沿ったものとする。会社は主にリクルーターにプロセスについての説明責任を持たせます。しかし、ビジネスへの戦略的インパクトを測定すると、格段に人材アドバイザーが生み出されます。
  • 戦略的有効性を測定してその軌跡を追う。通常プロセス指標と並んで戦略成果を比較考量し、長期間リクルーターの有効性を追うことで、「戦略」を量化します。
  • 能力開発プログラムに戦略スキルを含める。リクルーターと上司が定期的にミーティングをして能力開発の目標や次のステップについて話し合うなど、戦略能力の振り返りと能力開発を促します。

このプロセスは実現不可能な理想を追い求める空想的な旅ではありません。実務的で現実的な道のりです。ハーツヨーロッパとJPモルガン・チェースの成功が、転換は達成可能であり結果にはそれだけの価値がある、ということの心強い証拠でしょう。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

白書の原題は「Redefine Recruiters as Talent Advisors」。

https://www.cebglobal.com/shl/uk/forms/insights/redefine-recruiters-as-talent-advisors/
からダウンロードできます。(お名前などの入力が必要です。)

論文を読みながら「リクルーター」という言葉がしっくりこない感覚がどうしてもありました。これは、欧米と日本で採用の考え方が基本的に異なるからかもしれません。職種別採用の欧米と、総合職として新卒一括採用を主とする日本。この意味では日本の採用担当者はすでにこの論文で言う「人材アドバイザー」に近いのではないか、と思いますがいかがでしょうか?

文責:堀 博美

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