堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

SHLグループでは人材アセスメントに関する調査をグローバル規模で毎年実施しています。今年で3回目となるこの調査はオンラインで実施され、SHLと関わりのある463名から回答を寄せられました。ここでは報告書のサマリー部分を和訳してご紹介します。
(詳細な報告書は以下のURLから入手できます。)
http://www.shl.com/Campaign/2011-Global-Assessment-Trends-Report/default.aspx

第77回 グローバル・アセスメント・トレンド調査結果(サマリー)

世界各国から463人の人事実務家がSHLグローバル・アセスメント・トレンド調査に回答し、人事測定の慣習やトレンド、それらが企業の人事管理施策に与える影響についてのご意見を提供してくださいました。報告書の主要結果は以下のとおりです。

ポイント1 「サクセッション・プランニング(後継者育成計画)」がますます重要になっている
  • 2010年に6位だった「サクセッション・プランニング」の優先順位が、2011年では2位に上昇しました。社内で鍵となるリーダーの役割への注目が増えていることがわかります。
ポイント2 回復基調にある経済環境において、「パフォーマンス管理」の優先順位がトップを維持
  • 2010年と同じく、2011年でも「パフォーマンス管理」が優先順位の1位です。この項目と、「サクセッション・プランニング」「社外からの採用」「キャリア開発」「社内昇進/異動」が上位5つを占めます。
ポイント3 「どこからでも」テストを受けられるようにする企業が増加
  • 応募者の自宅など離れた場所でのテスト受検は、2009年以降毎年増えています。
  • また、回答した人事実務家の3分の1以上が、スマートフォンや携帯電話でのテスト受検を認めるとしました。
ポイント4 最先端を走る……スマートフォンや携帯電話を通じての採用
  • スマートフォンや携帯電話の利用は増えていますが、採用担当者も応募者もアセスメント実施にこの技術を使うことを強く要求しているわけではありません。33%の企業がこれらのツールを使ってのテスト実施を認めると述べていますが、携帯電話でテストを利用できるように要求する採用担当者や応募者は10人に1人以下です。しかしそれでも、応募者の資質をすばやく評価し、より早い段階で採用プロセスに巻き込むことができるという点で、携帯電話によるテストを使用する会社は有利であると考えられます。
ポイント5 採用前のテストは「一般的なもの」と「職種に特定するもの」の両方を含む
  • 人事実務家は、採用プロセスにおいて、「一般的なテスト(知的能力テストやパーソナリティ検査など)」と「職種に特定するテスト(知識、職務適性テストなど)」の両方を使用すると述べています。高業績を広く予測するコンピテンシーと、特定の職務に求められるコンピテンシーの両方を評価したいと考えているようです。
ポイント6 「構造面接」の使用が増えている
  • 95%の会社が採用プロセスで「構造面接」を使っている、もしくは、使うことを計画しています。過去2年間の85%から増えています。
  • ほとんどの会社で「面接官が一人の対面面接」と「電話面接」が使われています(それぞれ80%と76%)。一方、「対面のパネル面接」は73%の会社で使われており、「ウェブカメラによる面接」は25%強の会社で使われています。
ポイント7 比較的「安全な」ソーシャル・メディア上の候補者情報が使われている
  • 人事実務家の50%以上が、応募者についての検討プロセスの一部として、ソーシャル・メディア上のサイトの、職歴や学歴、他者からの推薦コメントを参照、もしくは参照することを計画しています。
  • 一部の人事実務家は、応募者の写真や、応募者の友人が貼ったコメントやリンクを検討しています。この種の情報は法的に正当化できにくい可能性があります。
  • 採用プロセスにおけるソーシャル・メディア情報の使用に関する正式な指針を持っている会社はわずか16%です。
ポイント8 採用ツールとしてソーシャル・メディア検索を使用する動きが増えている?
  • 2011年に使用を検討している採用ツールとして、「ソーシャル・メディア検索」が、「文化適応テスト」に次ぐ2位を占めています。ソーシャル・メディアが企業の採用活動の一部分として本当にうまく当てはまるのかどうかを判断するために、このトレンドに注目したいところです。
ポイント9 キャリア開発を最大限に活用している企業は少ない
  • 4人に3人の人事実務家が定着率向上のための戦略として「キャリア開発」を使うと報告していますが、全社員にフォーマルなキャリア開発プログラムを持っている企業は34%に過ぎません。さらには、「指名された者だけが受けられるプログラム」ではなく、「社員なら誰でも参加するかどうかを選択できるプログラム」を提供している企業は30%弱です。また、職種別のキャリアパスを描いている企業は39%しかありません。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

回答した463社の地域別内訳は、ヨーロッパ(中東、アフリカを含む)53%、アメリカ(中南米を含む)39%、アジア(オーストラリアを含む)8%です。報告書本文では地域別でもデータを分析し、比較しての考察が加えられています。

特徴的なポイントをいくつかピックアップしてみました。

  • 人事の最優先課題として「社外からの採用」を上げた人事実務家はアメリカやアジアで多い。(ヨーロッパ36%、アメリカ45%、アジア43%)一方、「社内のトレーニングニーズ分析」をあげた企業はヨーロッパに多い(ヨーロッパ36%、アメリカ27%、アジア24%)。
  • 採用アセスメントで「パーソナリティ検査」を使う人事実務家はヨーロッパに多い(ヨーロッパ82%、アメリカ61%、アジア71%)。「職種適性検査」はアメリカに多い(ヨーロッパ45%、アメリカ53%、アジア27%)。
  • 募集広告にソーシャル・メディアを使用する人事実務家はアメリカに多い(ヨーロッパ36%、アメリカ42%、アジア27%)。

文責:堀 博美

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