堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループが配信している「SHL Global Newsletter」やHPから記事をピックアップ、日本語に翻訳してご紹介するものです。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回もSHLのプレス・リリースから調査の結果をご報告します。

第25回 動機付けに「万能の」やり方はない、とSHLが警告

SHLグループの調査から、何が社員を動機付けるかは社員によって大きな違いがあることがわかった。社員から最大のアウトプットを得ようとする場合、大雑把なアプローチに頼ることはできないのだ、とこの結果は警告している。(2008年12月3日 SHLグループ  プレス・リリース)

  • 会社は、動機付けの方法を社員に合わせて調整すべき。
  • 意欲の低さは、仕事を先送りすることやストレス、求職活動につながる。
  • 社員の概ね3人に1人(30%)は、自分の上司が動機付けしてくれない、と思っている。

人材評価ソリューションのグローバル・リーダーであるSHLグループの調査から、何が社員を動機付けるかは社員によって大きな違いがあり、自分の上司が常にまたは時々動機付けしてくれると思う社員は4分の1(25%)しかいないことがわかった。会社が社員から最大のアウトプットを得ようとする場合、大雑把なアプローチに頼ることはできないのだ、とこの結果は警告している。

例えば、男性は「上層部マネジメント」と「ライン・マネジメント」のまずさによって大きくやる気をなくす(それぞれ38%、29%)。他方、女性は男性同僚よりも、「批判」や「同僚との関係の悪さ」に影響される(それぞれ17%、19%)。また、女性は「お茶をご馳走されること」でやる気になる(15%)が、男性は「仕事帰りの一杯」や「職場の宴会」の約束で元気になる(それぞれ15%、7%)。

年令もまた意欲に影響する。若手社員は「面白くない仕事」でやる気をなくす傾向が強い(18〜34才で35%、35才以上で26%)。若手社員はまた、年齢の高い社員よりも会社の風土や職場環境によってやる気になる。

心配なのは、調査回答者のほぼ3分の1(30%)が、自分の上司が動機付けしてくれたことがほとんどもしくは一度もない、と回答したことである。法曹、金融、銀行業界が最悪(39%)で、マスコミ、マーケティング、宣伝業界が最良(19%)だった。ロンドン居住者が最も上司によって動機付けられることがなく、34%がほとんどもしくは一度も動機付けられたことがない、と回答している。

意欲の低さは職場で破壊的な影響を持ち得る。回答者のほぼ半数(46%)が「ストレスにつながる」、多くの人(43%)が「物事をぐずぐずと先延ばしする」と回答し、ほぼ3分の1(30%)が結果として「新しい仕事を探す」ことになると認めている。

現在の経済状況は予想ほどマイナスの影響を持っていないようである。結果として「よりやる気になった」と回答したのは15%で、その理由は、「リストラされる心配」(53%)、「仕事量の増大」(23%)、「昇進チャンスの増加」(18%)である。ほぼ3分の2(63%)は経済状況は自分の意欲に「何の影響も与えていない」、15%が「よりやる気をなくさせた」、と回答した。

「社員が楽しく仕事に打ち込み、生産的で会社のよき支持者であるようにするためには、意欲付けされていることが重要です」と、SHLグループ主席心理学者ジェイムズ・バイウォーターがコメントしている。「大層なことをする必要はありませんが、適切な人材を適切な方法で必ず動機付けることが重要です。みんなそれぞれ異なるのですから。報酬や競争、プレッシャーでやる気になる人がいれば、元気付けやチームワーク、同僚から認められることを好む人もいます。間違えると、情熱のない生産性の低い社員につながり、収支に壊滅的な影響を与えることもありえます。」

さまざまな人を動機付けるものを評価することの重要性を認識し、SHLは意欲検査を改訂した。個々人にどの要素が重要かを掘り下げている。この情報は管理職にとって、自分のチームをどのようにマネジメントしてメンバーから最大のアウトプットを得るかを判断する際、貴重である。新しいバージョンには、新しい社員意欲リポートが含まれる。使いやすいよう再デザインされており、やる気にさせる要因とやる気をなくす要因、対象者を最もうまくマネジメントする方法のヒントやコツなど、5つのセクションが含まれる。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

プレスリリースで記事の中に調査の概要が記述されていませんでしたので、別途問合せました。この調査はSHLグループがYouGov というイギリスのマーケットリサーチ会社に委託して、2008年11月22日〜24日、インターネット上で実施されたものです。サンプル数は1297人。18才以上のイギリス人全体をよく代表するよう調整されている、とのことです。

SHLの意欲検査MQは、受検者のやる気に影響を与える要素を、4領域18尺度36因子で測定するものです。記事ではUK版(英語)が改訂されたとのことですが、項目や因子は変わっていません。

今ちょうど時は5月。4月に夢いっぱいで入社した新入社員は「五月病」などにかかっていませんか?どういうことで仕事にやる気を感じるか、は人それぞれ違います。それぞれの個性に合わせた指導・育成を実行するためにMQ検査がお役に立てることと確信しています。

文責:堀 博美

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