堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は採用場面での適性検査事例です。

第193回 事例:マイクロソフト

大卒採用:マイクロソフト中国はベストな大卒人材を素早く効果的に採用するために、CEBアセスメントを活用しています。今では採用にかかる時間は短縮化され、合格者はテクノロジー人材の上位25%にはいります。

マイクロソフト

  • 世界で売上最大のソフトウェア・メーカー
  • 世界全体で従業員128,000名以上
  • 主な商品はマイクロソフト・ウィンドウズ、マイクロソフト・オフィス・スィート、インターネット・エクスプローラー・ウェブ・ブラウザ、Xboxゲーム・コンソールなど

多くの成功グローバル企業と同様、マイクロソフトは現地マーケットで人材をめぐる厳しい競争によく直面します。中国、台湾、香港は国を挙げてテクノロジーに取り組んでおり、急成長している企業が互いにベストな人材を奪い合い、そのために特別なコストをかけることも辞しません。

マイクロソフト中国は大卒採用で応募者を惹きつけることには非常に成功していましたが、それらの人々の質が十分に高いとは言えませんでした。誰もが切望する営業マーケティング職について、多数の不適切な候補者を振り分けるプロセスは費用がかさみ、すでにパンク寸前の人事部にとって負担でした。

マイクロソフト大卒担当マネジャーのヴァイン・ゾウ氏は次のように述べています。『ベストな大卒者を採用することが必要でした。ただ最も賢いだけではなく、最も会社に合った人です。そしてそれを、人事へのプレシャーが少なくなるよう効率的に行うことが必要でした。我々はまた、応募者により素早く、打てば響くような対応をしたいと思っていました。さもなければ、ベストな人材はプロセスに飽き、競合他社にアプローチしてしまうリスクが常にありました。』

マイクロソフトはCEBと協力して、より効率的な大卒採用プロセスを設計して導入しました。ベストな応募者を公平に、素早く、最初から最後まで魅了し続けられるようなやり方で見極めるプロセスです。

マイクロソフト中国では大卒採用プログラム(MACH(Microsoft Academy of College Hire))に通常、6000人から7000人の応募があります。今は、最初の人事の手作業による振り分けの後、2000人ほどがCEBの能力テスト(言語と計数)とOPQを受検します。

テスト結果はユニバーサル・コンピテンシー・フレームワーク(UCF)に対応付けられており、マイクロソフトはその職務や会社戦略に最も関連する受検者のコンピテンシーを測定することができます。最も重要な点は、高業績につながる可能性の最も高い受検者を見つけることができることです。

CEBと協力して、マイクロソフト中国は成功に必要な5つの主要コンピテンシーを明らかにしました。そのうちの3つは「どのように関わるか」、2つは「どのように遂行するか」です。「どのように関わるか」とは例えば、他の社員や変化に対して、です。「どのように遂行するか」とは例えば、適切な技術や専門性を活用することで、です。

これらの領域での得点が高かった人が高業績者になる確率は、「関わり」で6倍、「遂行」で4倍でした。

この5つのコンピテンシーに沿ったアセスメントによって、マイクロソフト中国は候補者の人数をさらに50%減らすことができます。電話による英語熟達度テストの後、最大50人がアセスメントセンターに呼ばれます。アセスメントセンターではグループ討議やロールプレイが実施され、その職務と組織に最も適した候補者が選ばれます。

現在、アセスメントセンター段階まで到達する候補者は、職務関連演習で顕著に高い得点をとり、マイクロソフト中国では採用者の質が大きく改善しています。

ヴァインは次のようにコメントしています。『我々が測定のベンチマークとするハイテク業界人材と比べると、通常、我々の候補者の結果得点の平均は上位25%にはいります。これは我々が大卒者の上位層の採用に成功していることを示すよい指標です。』

さらに、採用チームの生産性は大きく向上しました。応募者により素早く対応しています。最初の応募から合否通知までの期間は6週間にまで短縮しました。採用にかかる期間が平均2週間減っています。

ヴァインは続けます。『アセスメントを含めることが非常に効果的な採用ツールであることが実証されました。人事チームの負荷を軽くし、同じ人数のスタッフでより多くの応募者をさばくことができます。今ではどの人も応募して48時間以内に我々からの返信を受け取ります。

『アセスメントが公平で客観的であると広く認められていることも重要です。応募者は自分たちが共通の土俵で競っていると知っています。応募者の経験がよりよいものになっているということは、競合他社に彼らを奪われるようなことがあまりなくなっているということです。』

ヴァイン・ゾウ氏にとってプログラムの成功は、解決策の質と同じくらいCEBとのパートナーシップの質が大いに関係します『2年間、CEBは我々と緊密に連携して進めてくれました。我々の要件を完全に理解し、社内の様々な部署に関わって全員が同じ方向を向いているようにしてくれました。厳しいスケジュールや予定変更にも関わらず、CEBは全ての要件を満たしてくれました。』

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

大量の応募者からどうベストな人材を見極めていくかのプロセスに適性検査が大きな役割を果たしている事例です。最終合格者のデータをベンチマークと比較することで質を確認することができます。

文責:堀 博美

バックナンバー

2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年

学会発表論文