SHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループHPのプレスリリースやブログなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループHPブログからIT人材の採用に関する記事をご紹介します。

第326回 IT人材採用において技術的スキル以外のスキルを評価することの重要性

スキルとフィット(適合度)がIT人材採用に不可欠である理由、そして貴社応募者の非技術的スキルを最もうまく評価する方法を学びます。

2021年4月13日 サム・ホワイトマン

デジタルスキルは、テクノロジー企業やIT部門以外でも需要が高まっていることは明らかです。テクノロジーの分野において、必要な技術的スキルと戦略的洞察力を備えた人材を確保することは極めて重要です。ただし、他の仕事や役割と同様に、非技術的なスキルを持つことも重要です。それらは、職種や役割、業界を超えて求められるスキルです。

技術的スキルと非技術的スキルの適切な組み合わせを持っている候補者を惹きつけて採用することは容易ではありません。さらに、職種にフィットし、組織の価値観にフィットする候補者を選ぶ、となると、言うまでもありません。Gartner社の調査リポートによると、IT人材の惹きつけと採用は多くの企業にとって優先度が高いものの、成熟度はまだ低いようです。つまり、非常に重要であるにもかかわらず、多くの組織ではIT人材獲得機能がまだ完全に開発されておらず、優先順位に沿っていないのです。優秀なIT人材を惹きつける方法を知り、彼らを適切かつ客観的に評価し、選抜することが成功のためには不可欠です。

IT人材の採用は単なるハードスキル以上のものであり、その役割に適した人材を獲得することが大切です。

デジタル化はますます進んでいますが、今でも私たちが行うあらゆることの心臓部は人間です。必要なテクノロジーを購入して投資することはできますが、デジタルの未来は人間とその努力にかかっています。結局のところ、誰がデジタル変革を主導するのでしょうか…?人です!ロボットではありません。

ITプロジェクトを実行し成功させるには、さまざまな人材が協力する必要があります。技術的に熟練しているだけでなく、協力的で、コミュニケーションがとれ、創造的な人々が必要です。技術的に熟練した人を1つの部屋に集めても、お互いのアイデアに耳を傾ける能力をもたず、熱意や意欲を共有していなければ、うまくいきません。

Gartner社によるTop Priorities for IT: Leadership Vision for 2021報告書では、「テクノロジー、つまり分析やAI、ロボット工学の変革のスピードについていくためには、組織は単なる技術的なスキルセットではなくコンピテンシーに焦点を当てなければならない」と述べられています。グーグルのようなITの巨人もまた、優れたIT人材を形作るのはハードスキルだけではないことに同意しています。職務適性とは技術的スキルと非技術的スキルの両方が一緒になって形成されるものだからです。

では、なぜ非技術的スキルがそれほど重要なのでしょうか?その理由は次の3つです。

  1. スキルは教えることができますが、性格は教えることができません

    誰かに新しいスキルを教えることはできますが、彼らの人となりを変えることは(ほとんどの場合)できません。あなたが、職務に対して適切なビジョンと理想的なパーソナリティを持っているが、特定のプログラミング言語の経験や技術的な背景が不足している候補者を見つけたら、まだ落とさないでください。技術的スキルや背景を持っていることの重要性を無視するわけではありませんが、多くの技術的スキルはOJTや研修を通じて開発できます。組織は、従業員の役割や職種に関係なく、彼らを育成し、スキルアップし、指導するメンターとして責任を持って行動する必要があります。

  2. IT人材の採用における失敗は費用がかさむ可能性があります

    IT人材の採用における失敗の影響を過小評価しないでください。間違った人を雇うことは、チームの士気だけでなく、組織の製品ロードマップにも影響を与える可能性があります。個人としては頭が良いが、チームで動けない、変化に適応できない、またはやる気がない候補者が、高業績者になる可能性は低いです。

  3. 全体的なフィットが、パフォーマンスと生産性を向上させます

    候補者のパーソナリティ、モチベーション、経験、スキルが役割に合っていれば、その人の仕事への満足感が高まります。最終的にはコミットメントと生産性につながります。自分のことを考えてみてください。あなたが候補者の立場になったとして、自分に合った仕事についた場合には、自分や自分ができることに合っていない仕事についた場合に比べて、最善を尽くそうという意欲が高まるでしょう。

次に、IT人材に求められる重要なコンピテンシーと、それらを評価する方法について詳しく説明します。

  1. 高い品質水準に向けて尽力する――技術的蓄積や品質管理機能をどのくらい持つかに関係なく、求められます。
  2. 良好な人間関係を維持する――プロジェクトの成功は一人だけでできるものではないことを忘れないでください。ビジネスマネジャー、エンジニア、サイエンティストからサプライヤーに至るまで、常に複数の利害関係者が関わっています。他の人の話を聞き、お互いに信頼を築き、共通のゴールを達成するために協力する能力が、プロジェクトを成功させます。
  3. 批判的に評価する――問題を理解し、さまざまな角度や視点から問題を見て、さまざまなアイデアの間に論理的なつながりを作り出す能力に関連しています。
  4. 時間を効率的に使う――すべての仕事には共通点が1つあります。それは締め切りです。あなたがレストランで働いているかハイテク企業で働いているかは関係なく、時間内に何かを提供しなければなりません。IT職はプロジェクトに関わることが多いため、何にどのように優先順位を付けるかを知っており、納期に間に合うように効率的に作業できることは、IT人材にとって間違いなく重要な資質です。
  5. 変化に適応する――常にスムーズに進行するものなどありません。変化に迅速かつ落ち着いて適応する能力は、成功のために不可欠です。
  6. 新しいアイデアを生み出す――ITプロジェクトを進める際に混乱が生じることがあります。既存の枠組みにとらわれずに考え、創造的な解決策を提供できる人材は、どのような組織にとっても間違いなく重要です。
  7. 素早く決定する――何らかの形のリスクを伴う意思決定でさえ、時には迅速に行う必要があります。
  8. 情報を分析する――マネジャー、顧客、データ、サポートチケット、競合他社など、あらゆるところから情報が提供されます。注意を払い、検討し、行動の根拠とすべき重要な情報が何かを知っていることが欠かせません。
  9. 素早く学ぶ――最高のパフォーマンスを発揮するエンジニアリング組織はじっとしません。新しいテクノロジー、仕事の仕方、テクニックに適応し、取り入れなければなりません。学習のマインドセットを持つことが重要です。
  10. 達成に向けて努力する――厳しい目標を設定し、それらを達成または超えるために断固とした努力をすることが含まれます。

IT人材の採用に不可欠なコンピテンシーがわかったところで、次にそれらを適切に評価する方法を知る必要があります。候補者に関する正確で包括的な洞察を提供する、科学的に証明されたツールを使用すれば、最善かつ客観的な決定を下すことができます。具体的には、次のことから始めてください。

  • 測定すべき基準のセットを作成します。IT人材の採用には、優秀人材の特定から多様性向上に至るまで、非常に多くの検討すべき事項と重要な要素があります。計画を立てるときは、候補者にどのような資質を求めるか、あなたが何を達成したいのかを考え、測定すべき基準をリストアップしてください。
  • 技術的スキルの評価と非技術的スキルの評価を組み合わせます。1つのプログラミング言語でスキルを測定することは、高業績者を見つけるための方程式の一部ですが、すべてではありません。候補者をより適切に評価するためには、複数手法によるアセスメントを実施してください。コーディングインタビューなどの技術的スキル評価と、行動面パーソナリティ特定職務向けのアセスメントなどの非技術的スキル評価を組み合わせます。
  • 幅広いアセスメントに対応するプラットフォームを選択します。1つのベンダーで複数のアセスメントを行うことで、コストを削減し、効率を高めることができます。さらに、データの比較も簡単です。データはあらゆるデジタルビジネスのコアであり、人やプロセスやテクノロジーを結び付けます。貴社の人材データのすべてを1つのプラットフォームにまとめることで、最適な採用決定を下すことができます。

技術的スキルだけでなく非技術的スキルも備えたIT人材を採用することが、成功のために重要です。候補者が高業績者になるかどうかをより適切に判断できるからです。複数のコンピテンシーについて候補者を評価することで、最高の従業員を採用できるでしょう。そのためには、複数手法によるアセスメントを行い、客観的で厳密な知見を提供する適切なツールを使用する必要があります。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/the-importance-of-evaluating-non-technical-skills-in-tech-talent-hiring/

筆者はSHLの採用ソリューションを率いているサム・ホワイトマンです。
以前ご紹介した記事でも、ハードスキルとソフトスキルの両方を見ることが重要である点が述べられておりましたが、ソフトスキルの重要性について、より詳しく解説した記事です。

(文責:廣島晶子、監修:堀 博美)

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