堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はCEBブログの記事をご紹介します。前回のこのコラムでご紹介した記事(「コネクター」タイプの管理職が業績アップに効果的)に関連する話題として取り上げました。

第243回 必ずしもあなたが答えを持っている必要はありません。誰が持っているかを知っていればよいのです。

組織図は階層を映し出していますが、もはや仕事がどのように遂行されるかをあまり表していません。組織ネットワーク分析が役立ちます。

うまくいっているチームには「物事をどうやるか」を知っている人が少なくとも一人います。顧客についての背景情報を求めて皆が寄ってくるような分析家や、様々なプロジェクトで使えるアイデアや新しいテクノロジーの案を出す管理職などです。

従来のように単に組織階層を通してではなく、これらインフォーマルなつながりを通しての業務遂行がますます増えてきました。同じ仕事を完了するにも現代の社員はかつてよりはるかに互いに協力する必要がある、というのが最近の大きな傾向です。しかしながら、問題は、これらのつながりが必ずしも常に予測できるとは限らず、またつながりが最も必要な組織の間に存在するとも限らないことです。

会社のフォーマルな組織図は今でも役立つ書類です。誰が何をやることになっているか、誰が会社の様々なチームや部門でフォーマルな権限を持っているかがわかります。しかし、上述の通り仕事のやり方が変わってきたということは、仕事の進め方を皆が改善する際に重要な知識やガイダンスを誰が持っているか、を組織図が浮き彫りにすることがあまりなくなってきた、ということです。

職場に存在するフォーマルなネットワークとインフォーマルなネットワークを調べると、会社の風土を変えたり、マネジメント施策をより効果的なものに変えたり、ダイバーシティを促進したりすることに役立ち、現代の会社を成功させるその他様々な要素に影響を与えます。

組織ネットワーク分析(Organization Network Analysis: ONA)は、社員がどのようにやり取りし、互いに影響を与え、情報を共有するかを吟味する統計技法です。社員の間のつながりを明らかにすることによって、ONAは社員のやり取りを視覚的に地図化し、社内の活動拠点がどこにあるかを示します。どの社員がつながりから外れているか(すなわち、期待ほど生産的ではないか)や、どこに驚くようなつながりができていているかもわかり、
仕事プロセスをフォーマルに考え直すきっかけになります。

ONAを活用する会社は、適切な人材どおしの協力を促進するチャンスを見つけることができます。ONAは社員に簡単な短い二つの項目を質問するだけで実施できます。そして会社はその結果を使って次の2つの重要な課題を遂行できます。

  1. 協力を増やす機会を明らかにする
    最初のステップは、同僚に最も影響を与える、最もつながっている社員を見つけることです。このプロセスを通して、会社は組織内のコミュニケーションのパターン(ネックや連携、外れている社員を含む)を明らかにできます。これらすべてが仕事をより効率化する取り組みに役立ちます。
    ONAは組織設計に役立ちます。最も効果的になりうる場所に社員を配置しやすくなるからです。外れた社員や部署に情報交換や協力を確立することにも役立ちます。
  2. より賢明な変革ができる
    影響力のある社員を組織施策に巻き込むことによって、情報がより効果的に広がり、変化がより素早く取り入れられ、コストのかかる混乱が抑えられます。例えば、CEBメンバーのある会社は最もつながっている社員を先導者として用い、アクションプランについての情報提供をしてもらいました。
    ONAを使うと、変革マネジメントプロジェクトの成功をインフォーマルなリーダーが手助けする可能性が高まります。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

ONAの具体的なやり方について詳しくは触れられていませんが、おそらく、「あなたが仕事で困った場合に誰に相談しますか?」と「誰からよく相談されますか?」という二つの調査項目からインフォーマルなネットワーク図を描いていくものと推測されます。そのメリットは記事の通り。社員調査の中にこういった項目を組み込むこともご検討いただくとよいのではないでしょうか?

(文責:堀 博美)

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