続・人事部長からの質問
人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。
是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。
採用基準を見直して新入社員の離職率は下がり定着性はあがったのですがパフォーマンスはかなり低い集団になりつつあります。経営から見直しを迫られていますがどこから手を付ければよいでしょうか。
従来の採用基準をどのように見直した結果として、パフォーマンスが落ちてきているのであれば、新たな採用基準、採用プロセスに問題がないか見極める必要があります。
問題の原因を明確にし、具体的にどこを改善すべきか探りましょう。
採用基準の変更がパフォーマンスの低下に関連性があるのか、まずパフォーマンスが低いとされる理由を考えて下さい。スキル不足なのか、ポテンシャルはありそうなのにモチベーションが低く成果につながらないのか、そもそも仕事とも適性があるのかなどです。
過去の採用基準で採用された既存社員のパフォーマンスとも比較し違いを洗い出します。
採用基準を変えたものの採用プロセスが従来のままで、適性が正しく測れていない場合もあります。
また選考から採用、入社後のオンボーディングプログラムが新たな採用基準に対応していないケースも考えられます。新しい採用基準で採用された人材でありながら受入れ側が、従来型の人材として扱えば、採用された側の間でミスマッチが生じてしまいます。
パフォーマンスが確実に上がっていくには時間がかかる場合もありますし、定着性とパフォーマンスの両立は難しいものです。採用と育成の両面から考え、その効果を定量的に把握し、継続的に見直していくことで経営陣にも理解をしていただきましょう。
文責:奈良 学
適性検査では苦手と感じている事柄について、面接で深掘りをしたが、弱みであるとは感じませんでした。適性検査の結果と面接での受け答えのどちらを尊重すればよいでしょうか。
尊重すべきは面接の結果です。
逆のケースも同様。適性検査の結果では高いスコアでも面接で低いと思ったら低いと評価してください。
面接の場合は応募者が緊張して力を発揮しきれない場合もあります。その場合は力を発揮できる空気を作り出す必要があります。アイスブレイクの重要性です。
応募者が力を発揮しきれなければ、どんな評価も大きい差を生みます。
文責:三條正樹
中途採用者の早期退職を防ぐための効果的なフォローアップ施策やオンボーディングプロセスについて教えてください。
歓迎の表明、研修、メンター制度/バディ制度、社内ネットワーキング、実務支援、1on1ミーティングなどがあります。
入社初日に歓迎を表明する機会を作ります。朝礼での紹介、オフィスツアー、歓迎会などです。
当たり前ですがしっかり研修すべきです。もし新入社員研修プログラムを作っていなければ作る必要があります。内容は、会社概要、規則とポリシー、福利厚生制度の説明。基本的なビジネススキルの訓練。業務関連スキルの訓練。安全衛生、メンタルヘルス、リスク管理等です。
メンター制度やバディ制度などで、新入社員がいつでも質問できる人を決めておくと安心です。
配属された部署における人間関係構築のみならず、関わることがある他部署の人とのネットワーキングも重要です。
経験者として採用されている人の場合、会社も本人も即戦力となることを期待します。できるだけ、早期に業務で結果を出せるよう実務的なサポートをしてください。
組織風土の理解やキャリア開発、能力開発などをサポートできる上司との1on1も必要です。
中途採用者の定着には、仕事で期待される結果を出すことと組織風土や他の社員に対する適応の二つが大きな影響を及ぼします。できるだけ早く、結果を出し、チームに馴染むことを目指して取り組んでください。
文責:清田 茂
能力開発のために、キャリアプランを検討する研修を入れたいですが、研修を期に転職を検討されることを防ぎたいです。ジョブローテーションや、社内公募制度等、柔軟に対応をしているつもりですが、その他転職を防ぐために気を付けることはありますでしょうか。
いろいろと施策をお考えのようですので、大丈夫ではないですか。
どのような研修でもそうですが、重要なことは研修の目的を明確にし、それを伝えることです。キャリアプラン研修が、会社で居場所がない人に向けたものといった誤解を招かないように「皆さん、社員のお一人お一人の成長を支援し、社内での活躍の場を広げる」ためのものであると明確に伝えます。当然個人の今後のキャリアパスの目標と会社の今後の構想が一致しているものであることも理解していただきましょう。
社内公募制や柔軟なローテーション、新しいプロジェクトへの挑戦機会の創出といった仕組みを導入するとことは、キャリアプランを考えることと同時に、転職への意識を減らすことにもつながります。社員がこの会社だからこそ実現できるキャリアプランがあると考えてくれるように、自社にしかない魅力、報酬や待遇などを改めて伝える機会をとし、他社に移るメリットはないなと感じてもらえればよいと思います。
文責:奈良 学
特定のキーポジションにおいて、類似した経験とパーソナリティによるポテンシャル、どちらの方がパフォーマンス予測精度としては高いでしょうか?
両方あるにこしたことはありませんが、どちらか一つしか無いのであれば職種よると回答します。たとえば住宅営業の仕事であればパーソナリティですし、法務に関係するとか業界のナレッジやスキルに近い仕事は経験を重視します。
それらはパフォーマンス予測精度に関連するからです。
文責:三條正樹
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