堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループHPのプレスリリースやブログなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループのブログ記事をお伝えします。AIを活用したビデオ面接ツールについてその開発者が執筆しています。

第297回 SHLのビデオ面接ソリューションが世界の労働者を結びつける

科学に裏付けられた、AI搭載のビデオ面接ソリューションが、採用のための公平なソリューションを生み出し、採用にかかる時間を80%削減します。

ビデオ面接が強力で貴重な新しい採用ツールであることに議論の余地はありません。候補者と採用担当者の両者をスケジュール調整や移動の制約から解放しますので、より多くの候補者が面接を受けられる可能性が開かれます。しかし、より多くの面接を効率的かつ効果的に管理するためには、面接の評価方法を見直す必要があります。

人工知能(AI)は、決定を力強く補助し、プロセスに一層の標準化をもたらすものとして有望です。テクノロジーを支える科学の基礎があれば、AIは公平で有益です。

SHLビデオ面接ソリューション以前、AIによるビデオ面接ツールには2種類ありました。

ひとつめのツールは、ウェブ外のなんらかのAIベースの顔認識分析を用いてビデオを分析するものです。このツールは大量の得点を吐き出しますが、その結果が職務に関連している、もしくは、採否決定や職務パフォーマンスを予測していると言える根拠や証拠はありません。

もうひとつのツールは現在の採用プロセスを模倣したりその職務のトップ・パフォーマーを予測したりするよう、そのAIを学習させるものです。ここでの問題は、そのアプローチにはアセスメントの科学における理論的根拠がないことです。アルゴリズムは単純に現在のシステムにおけるバイアスを広めます。例えば、もし会社が女性を低く評価してあまり選抜していなければ、アルゴリズムもそうなるでしょう。

これらふたつのアプローチのどちらも機能しないことは明らかです。それでは、解決法は何でしょうか?ビデオ面接を使わないことでしょうか?絶対に違います。科学が救いの手を差し伸べます。

SHLは妥当化されたAIアルゴリズムを用いて、候補者を職務関連コンピテンシーに照らして採点します。どのコンピテンシーを評価するかは、職務要件を基に科学が情報を提供します。

評価されるコンピテンシーには、ソーシャルスキルや自信、仕事マネジメントなどの分野を含めることができます。また、候補者によって提示された回答の内容を基に、Javaスキルなどのドメインスキルや職務知識を評価することもできます。

我々は内容的妥当性のある質問を用い、候補者が答える文章を使って回答を測定するNatural Language Processing(NLP)を開発しました。顧客は、ビデオ面接において職種によって異なる採点方法を設定でき、その後、自動採点モデルで関連するコンピテンシーの得点を組み合わせることができます。この組み合わせは従来のアセスメントと同様です。

我々のAIアルゴリズムが公平で偏りのないものであることを確認するために、SHLは製品開発中ならびに顧客に導入後、グループ間の得点差を検証しています。Uniform Guideline on Employee Selection Proceduresなどの専門基準に従い、我々は得点を検討して保護グループに対する「不利な影響(adverse impact)」の証拠を探します。もしAIアルゴリズムが「不利な影響」を示しているように見えれば、我々はアルゴリズムの構成要素の特徴を調べ、意図しない得点差を生み出す特徴を見つけて取り除きます。

科学を用いてAIを導くと、ビデオ面接ツールは非常に強力になります。職務関連コンピテンシーを評価すること、実証的に妥当化されたAI採点を用いること、そして、公平性/バイアスについてアルゴリズムをモニターすることによって、我々はAIの力を活かして、素晴らしい、関係者全員にとってのウィンウィンの人事決定を下すことができるのです。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/shls-video-interviewing-solution-unites-the-worlds-workforce/

著者はHimanshu Aggarwal。昨年SHLが買収したAspiring Minds の共同創立者のひとりで、AIを用いたアセスメント技術の第一人者です。

SHLグループはバーチャル・ソリューションとしてビデオ面接を発表しました。
(詳しくはhttps://www.shl.com/en/solutions/virtual/をご覧ください。)
現時点では英語版のみです。

我々としては、それがどれくらい効果的で世の中に受け入れられていくのか、その動向を見極めながら日本語版の開発を促していくことになると思われます。

(文責:堀 博美)

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