SHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、CEBブログの「リーダーシップ開発」コーナーに掲載された記事をご紹介します。前回の雑誌記事「ミレニアル世代のマネジメント:虚構と現実を分ける」に関連する内容です。

第178回 ミレニアル世代は火星から来たのではありません

多くのマネジャーやビジネスコメンテーターが、ミレニアル世代が労働人口の中で最も重要な層であり、細心の注意を払って獲得・管理しなければならないと指摘しています。

それには理由があります。2025年までに7500万人以上のベビー・ブーム世代がアメリカの労働力からリタイアし、2030年までにアメリカは3000万人の労働力不足に直面しそうです。この傾向は世界の他の国でも同じです。つまり、会社はあらゆる職務で欠員補充の人材が足りなくなる可能性があります。現在20歳代のミレニアル世代が2030年のリーダー職を埋める人材なのです。

それに加え、仕事環境(人々がどのように仕事を行うか、どのように人と協力して仕事をするか)はこれまでにないほど急速に変わりつつあり、充分な成長を確保するために会社はこれまでと違う不慣れな市場に進出して競わなければなりません。

ミレニアル世代の社員はこの変化の時代に役立つスキルをもっており、次の10〜15年間に予想外の新しい高みへ会社をリードするポテンシャルをもっています。ミレニアル世代は上の世代よりもテクノロジーに精通しています。あらゆる業態・規模のブランドにとって重要な戦場であるソーシャルメディアやデジタルメディアを楽々と使いこなし、(多くの調査結果が示しているように)複数の業務を並行して行うことが上手です。

彼らはスーパーマンではない

しかし、ミレニアル世代が有益なエネルギーや活力、新テクノロジーの知識をもたらしてくれると言っても、チームの他のメンバーを犠牲にしてまで大事にすべき異星人ではありません。現在の労働力における3つの世代グループ(ベビーブーム世代、X世代、ミレニアル世代)はそれぞれ異なる、しかし、同じくらい有益なスキルや能力をもっています。

次の15〜20年間に強固なリーダーシップ・パイプラインを確保するために、管理職は3つの世代すべてから最大限のメリットを得ることを学び、3つの世代グループがうまく協力し合うことを支援しなければなりません。

3つの世代はどう違うか

ミレニアル世代はリーダーになれる可能性が高い、という管理職の見方が正しいことをSHLデータは示しています。リーダーのポテンシャルが高い社員は、ベビーブーム世代で16人に1人(6.3%)、X世代で13人に1人(7.4%)、ミレニアル世代で11人に1人(8.4%)です。

しかし、ミレニアル世代が現時点で全て優れているというわけではありません。若い世代を最大限に活用するために、会社は適切な教育研修プログラムを開発して実施しなければなりません。4つの重要なマネジメント活動について3つの世代を比較したSHLデータを図1に示しました。よいアイデアや提案を作り出す能力(「ビジョンを作る」)の世代間の違いは少しですし、それらのアイデアを社会化する力(「目標を共有する」)はほとんど差がありません。しかし、下の2つでは大きな差があります。人を動かしてアイデアや提案への支援を得る力(「支援を得る」)は上の世代が強く、アイデアを行動に移す力(「成功をもたらす」)は若い世代が強いです。

図1:重要なマネジメント活動における3つの世代の比較(数値はパーセンタイル得点)

3つの世代を全て活用してのリーダーシップ開発

ミレニアル世代は物事をやり遂げることは素晴らしいですが、自分の考えへのサポートを呼びかけて支援を得ることはあまりうまくありません。今後の数十年間で「ネットワーク・リーダーシップ」がどれだけ重要かを考えれば、これは明らかにミレニアル世代の社員が是正すべき盲点でしょう。そして、データによれば、その是正を提供できるスキルと能力を共有するのに最も適した人々は上の世代の社員です。

これらの違いを理解することによって、管理職は自分の部下たちのスキルと経験をうまく活かすことができ、会社の将来にとってのベストなリーダーを開発することができます。ます。以前のブログでミレニアル世代社員をどう引きとめエンゲージさせるかを見ました。そこで引用したデータでは、ミレニアル世代は「自分の成長(学習やスキル獲得の機会)」と「昇進(昇進・昇格の機会)」によって最も動機付けられます。つまり、ミレニアル世代は自分たちのアイデアやプロジェクトへの支援をどう集めるかを学ぶ必要があるだけでなく、彼らはまたそのリーダーシップスキルをぜひ開発したいと思っているのです。

世界中の会社でミレニアル世代は重要です。その理由は15年後にはシニア社員が足りなくなる可能性があるからであり、ミレニアル世代が上の世代に欠けているスキルを持っているからです。しかし、会社が3つの世代のスキルをどうすれば最大限に活用できるかを学べば、はるかに強いリーダーたちを生み出すことができるでしょう。

ミレニアル世代は火星から来たのではありませんし、ベビーブーム世代は金星から来たのではありません。我々は皆、地球というひとつの星にいるのであり、共に働くことで大きく前進することができるでしょう。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

図1の世代間比較は大変興味深いです。なんとなく感じていることもデータになると説得力があります。

文責:堀 博美

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