SHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今年に入り、適性テストなど人材測定が会社の業績に与えた効果をまとめたCEB調査研究リポートThe Talent Measurement Effectを少しずつご紹介しています。今回は第2部です。

第170回 人材測定の効果――(4)ビジネス・アウトカム・スタディ(前編)

手法について

顧客と共同で実施されるビジネス・アウトカム・スタディは、我々のソリューションの価値を示すものです。各々の顧客企業やプロジェクトの具体的な目的に照らして分析します。。アウトカムには通常、売上増加、コスト低減、コールセンター担当者の通話所要時間短縮化、定着率改善などが含まれます。

我々の人材測定ソリューションの活用がこれらアウトカムにどの程度の影響を与えたかを、精緻な研究戦略とデータ分析を用いて量化します。

結果の信頼性を確保するため、各スタディは以下の基準を満たさなければなりません。

すなわち:

  • 信頼に足る業績指標を得るに充分な期間、社員がその職に就いていなければならない(入社直後の導入・訓練期間を除く)。
  • 信頼に足る業績指標が入手可能できなければならず、かつ、それらの指標は個人の職務行動によって影響を受けるものでなければならない。指標には、個人の売上金額、目標達成率、利益伸び率、その他標準化された生産性/効率性の測定値などである。
  • 社員それぞれについて、複数の業績測定データが入手可能できなければならない。

厳しい専門的科学的ガイドラインに基づいて、CEB研究者がアセスメント結果と職務業績の間に本当につながりがあるかどうかを判断します。昨年は様々な業界の顧客に対して、58件のスタディが実施されました。

これらのうち、78%が好ましい、もしくは非常に好ましい結果でした。つまり、アセスメント・ソリューションがほとんどすべての企業の業績指標に対して、強い、測定可能な影響を与えていました。否定的な結果に終わったスタディはひとつもなく、残り22%は結論を出すにはデータが足りない、という結果でした。

これらスタディからの興味深い結果のいくつかを以下にご紹介します。情報の中には機密を要するものもありますので企業名は掲載していません。

年間1600万ポンド多く売り上げる営業担当者を見つけ出す

ある大手国際的ホテルチェーンで、アセスメントで高得点をとった営業担当者は、売上が1600万ポンド多く、売上目標達成率が17%高かった。

3倍の速さで売上を伸ばす支店長を見つけ出す

アメリカのある自動車ローン会社で、アセスメントで高得点をとった支店長は、支店の売上の伸びの速さが3.7倍、取り扱い件数の伸びの速さは1.5倍だった。

患者の複雑な問題に7倍以上うまく対処できるケア・スタッフを予測する

アメリカのあるヘルス・ケア・プロバイダーで、アセスメントで高得点をとった患者サービス担当者は、業績が平均以上である割合が2倍、患者の複雑な問題に非常にうまく対処できると評定される割合が7.5倍だった。

顧客の期待を満たす可能性が52%大きい技術者を予測する

ある大手通信会社で、アセスメントで高得点をとった技術者は、顧客からの期待を満たす成果を出す割合が52%大きく、照会販売を非常にうまく増やす割合が64%大きかった。

目標を達成する割合が2倍の金融サービススタッフを明らかにする

ある大手のグローバル金融サービス会社で、アセスメントで高得点をとった会計・財務報告スタッフは、目標を達成する割合が2倍で、仕事が極めて正確である割合が49%大きかった。

勤怠が4倍よい倉庫作業者を明らかにする

ある一流小売店で、アセスメントで高得点をとった倉庫作業者は、生産性が13%高く、勤怠がほぼ4倍よかった。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

棒グラフで結果を図示するとインパクトがありますね。
次回も引き続き、第2部をご紹介します。 一足先にご覧になりたい方は、以下のURLからダウンロードできます(お名前や社名などの入力が必要です)。

http://ceb.shl.com/uk/forms/content/the-talent-measurement-effect?cid=701D0000000bUje

文責:堀 博美

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