堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回もオンライン情報誌HR Grapevineからの記事をご紹介します。前回は映画「シンデレラ」からの教訓、今回はサッカーのジョゼ・モウリーニョ監督からの教訓です。

第176回 ジョゼ・モウリーニョ――ビジネスリーダーの新モデル

ジョゼ・モウリーニョ監督が今月、チェルシーを3回目のプレミアリーグ優勝に導きました。彼の成功から彼のリーダーシップスタイルについて様々なことが語られてきましたが、おそらくビジネス界が学ぶべき重要なレッスンは彼の協力重視の職業観でしょう。

会員制アドバイザリー会社CEBの研究は、結びつきを解き放ち、グループをまたがっての協力を強化し、効果的なネットワークで情報にアクセスし、結果を出すことのできる能力が成功のカギであることを示唆しています。

CEBプラクティス・リーダーのブライアン・クロップは次のように述べています。「豊かなネットワークで職務を遂行するリーダーは、知識の共有やプロセスの改善、仕事の重複を省くことなどのおかげで2ケタ成長を実現させることができます。それに比べ、自分のチームの業績だけに焦点を当てるリーダーは、その人が優れていたとしてもわずか4%しか成長させられません。」

モウリーニョは、自分の最も重要な仕事は、選手に「チームワークの結果として個人目標を達成」させることだと述べています。クロップによれば、問題はモウリーニョのような協力重視のリーダーが極めて少ないことです。

「多くの人にとって協力に焦点を当てることは、よくて「あればそれに越したことはない」もの、最悪の場合は自分自身の目標達成に集中すべき時に他人の目標達成を助けるのは役に立たない妨げと見られます。会社が胸を張って未来に目を向けたいのならば、この点を変えなければなりません。」

そのためにCEBは3つのステップを提唱しています。

1 「協力」のマインドセットを築く

実際に個人の行動がどのように全体に影響するかを見ることによって、リーダーが自分自身で発見できるよう会社が援助しなければなりません。ある多国籍企業が実施してうまくいったエクササイズはオーケストラを連れてきたものでした。ひとりの演奏家が自分勝手に演奏した時にグループのダイナミクスや結果がどう変わるかを管理職に観察させました。

2  一緒に仕事をすることを容易にする

優れたリーダーは独自の情報力をもっています。彼らは、誰から助けが得られ、誰を助けることができるかを知っています。しかしながら、この情報を集めるには時間と労力と資金がかかるため、多くの人は自分自身の部署に集中しなければならない時にそんな余裕はないと感じてしまいます。そこで、個別のリーダーやチームの強みと弱みを互いに見える化し、それらをどう提携させれば全体戦略やビジネス成熟度に合致するかを明らかにすることで、会社がその点を促進できます。定例のビジネスレビューなどがよい方法でしょう。

3 報酬戦略を適切化し、協力にインセンティブを出す

多くのリーダーは同僚を助けることが大切であるとある程度理解していますが、それでもそうすることで自分自身の業績が危なくなるかもしれないと思います。会社は、個人的な成功と同様に全社的な貢献も見つけて賞賛することに上手になる必要があります。ある小売企業はリーダーたちに共通の目標とそれに必要な新しい業績評価指標を作らせ、うまくいっています。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

私はサッカーは全く疎いのですが、ジョゼ・モウリーニョ監督の采配の特徴がcollaborative work-ethic にあるというこの記事の筆者の意見に賛同していただけますか?

文責:堀 博美

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