堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループのブログから、新しいアセスメントプログラムを導入する際のパートナー選びについて、SHLグループのChief Science and Innovation OfficerであるKen Lahti が書いた記事をお伝えします。

第287回 結婚しましょう!適切なアセスメント・パートナーを選ぶ

アセスメント・パートナーの選択は、結婚の喜びにつながるか、裁判沙汰につながるか、の大きな決断です。

ビジネスにとって、アセスメント・パートナーの選択は大きな決断です。採用プロセスの一部分にすぎなくても、アセスメントは、良くも悪くも、並はずれた影響を及ぼします。上手くいくと、最先端の人材科学を使って、優れた人材を惹きつけて採用したり、社員の定着率を高めたり、採用プロセスを加速することになります。逆に上手くいかないと、裁判で何億円もかかったりブランドの資産価値が損なわれることもあり得ます。

例えば、最近、イギリスのある会社が、アセスメントプログラムの結果、求職者に賠償金を支払うよう命じられました。金額は比較的小さかったのですが、その会社やその採用のやり方についてネガティブな評判が立ちました。採否決定やアセスメントの不適切な使用についての議論が沸騰し、その会社とアセスメント・パートナーの両方がメディアで手厳しい批判の対象となる可能性があります。

アセスメント・パートナーの選択は、人生のパートナーの選択にとてもよく似ています。長期的な結果につながる大きな決断です。どちらも、数か月にわたる入念な交際期間のプロセスがあります。関係の初期には見事なほどの印象操作があります。パートナー候補者は常に、いい服を着て、待ち合わせに早く来るなど、ベストな行動をとります。
自分が提示すべき理想像を演じ、一緒に事を成し遂げようとします。HRテクノロジーにおいて、"bright shiny objects"という言葉がよく出ます。買い手である企業の担当者はテクノロジーを使ってより良い人事施策を導入することで実際のビジネス問題を解決しようとしていますが、彼らも人間です。将来のビジネスインパクトについて大胆な主張をするピカピカの商品のデモに惹かれたり(もしくは気を取られたり)します。

HRテクノロジーにおいては、人生と同じように、最初のデートやデモの直後に結婚する人はほぼいません。何度も会い、パートナーについての詳細な情報が共有されます。並行して、相手のことをグーグルで調べたりソーシャルメディアを隅々までチェックしたりして、うわべの美しさの裏を見抜いて真の「適合度」を吟味しようとします。確かに、とても魅力的だし、将来を共にすることを考えるとわくわくする。。。しかし、これが本当に自社にとっての適切なパートナーなのでしょうか?brightでshinyな見かけ、つまりキラキラ輝いている外見の下に十分な実質があるのでしょうか?アセスメント・パートナーの選択では、この段階で外部の基準やプレゼンテーション、アドバイスを参照することが有益です。

大きな約束をするに充分な情報を得てプロポーズが適切だと思えたら(もしくは「うーん、いずれにせよ、1年後にいつでもキャンセルできるよね」と思って)、あなたは飛び込みます。契約し、サインします。結婚します。そして、その後、物事が変わり始めます。

交際期間を経て契約したら、オペレーショナルなレベルでのパートナーシップのストレスが発生します。ちょうど結婚して一緒に住むことによる新しいストレスのようなものです。同居による問題は、テクノロジー・プラットフォームの統合による問題にとても良く似ています。ちょうど「結婚相手が不可解にも戸棚の扉を開けっ放しにする」のように、「商品の中にあるはずだとあなたが期待するボタンがない」ことで、あなたはイラっとします。そして、パートナーが全神経を集中していたデートの間には決して現れなかったコミュニケーションやサポートの問題に遭遇するかもしれません。

しかし、まだ始まったばかりです。よい印象を与えてよい関係を築こうと互いが一生懸命努力しています。我々はこれを「新婚期間」と呼びます。初年度は、導入したアセスメントプログラムが実際有効に機能しているかどうかを調べる外部指標を収集することが特に困難です。表立ったビジネス成果や自社での妥当性の証拠もないため、そのプログラムがあなたが望んでいた成果を出しているのかどうか、わかりません。パートナーシップについての初期の満足度は主に、導入の最中と後の、商品についての社内実施管理担当者の実感と、アセスメントパートナーから受け取るサービスレベルの認知を基にしていることが多いです。残念なことに、これら「認知」の指標は、効果的で倫理的で法律遵守のアセスメントプログラムになっているかどうかの問いに答えてくれるものではありません。

覚えていてください。あなた方はカップルで世の中はそれを知っています。結婚してアセスメントプログラムを導入したら、突如、あなたのパートナーはあなたのブランドを代表するものとなります。公に、しかも、大規模に。今や、あなたのアセスメント・パートナーが直接、あなたの受検者や顧客、社員にHRテクノロジーやサービスを届けます。あなたのパートナーは、そのユーザーエクスペリエンスやリポーティング、登録のプロセス、受検者に対するテクニカル・サポートでもってあなたのブランドについての人々の認知と、最初から最後までのアセスメントや採用のプロセスの公平性や質、プロフェッショナリズムの全般的な認知に影響します。

あなたのアセスメントパートナーは、良い時も悪い時も、病める時も健やかなる時も、死(もしくはプログラムの見直し)がふたりを分かつまで、あなたと共にあります。brightでshinyな見かけに騙されないでください。関係を長期的なものにするのは実質です。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちらです。 https://www.shl.com/en/blog/lets-get-married-choosing-the-right-assessment-partner/

世界ではVRやAIなどの技術進化を利用したアセスメントプロバイダーが次々と現れています。brightでshinyな見かけの裏にどんなロジックがあるのか、どういう証拠データでバックアップされているのか、しっかりと見極める目がユーザーに求められます。

ちょうどこの記事を訳している最中、SHLグループがAspiring Mindsという会社を買収したとのニュースが飛び込んできました。Aspiring Mindsは2007年にインドで設立された急成長のアセスメント会社です。AI活用を得意とし、Fortune 500のうちの100社以上を含む、世界3000社以上にサービスを提供しています。

買収によってどんな商品・サービスが展開されることになるのか、詳細はまだ不明ですが、AIを使った「予測」というポイントが加速されることは間違いないようです。どうぞご期待ください。

(文責:堀 博美)

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