堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「Newsline」、HPから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はグループHPのSHL Viewと題されたコーナーから、Alex Fradera博士による記事をご紹介します。Fradera博士は神経心理学が専門で、脳の機能不全による記憶障害者の記憶に関する論文などを発表しています。この記事では、認識記憶の観点から、ネットワークスキルを向上させるヒントが述べられています。

第51回 ネットワーキングの科学−SHLシニアコンサルタント Alex Fradera

ネットワーキングは重要なビジネススキルですが、仕事を求めての競争が激化している現在の経済状況下、とっかかりをつかみ群集から際立つために、自分のネットワークを最大まで広げることがこれまで以上に重要となっています。

ネットワークは潜在的なチャンスを見つけることに役立つだけでなく、ビジネスが求めているものを理解し、ある会社や仕事が自分に合うかどうかを見つけ出すことにも役立ちます。また、新しいビジネスをもたらすスキルと多くの有益なコンタクト先をもつ人材を採用しようと熱心な経営者に、あなたを印象づけることにも役立ちます。

それにもかかわらず、私は、多くの人が「自分はネットワーキングがものすごく下手なのでそういう機会から尻込みしている」と言っているのをよく聞きます。しかし、実際、ネットワーク構築に必要なスキルのほとんどは学習・練習できるのです。ネットワーキング・イベントを恐れる必要はありません。

常にフォローアップを

ネットワーキング・イベントはあなたにコンタクト先と会う機会を与えてくれます。重要なことは、イベントの後に何をするかです。会った人について調べたり、約束をフォローしたり、その後の接触をするなど、「記憶のための記憶」をしておかなければなりません。これが「prospective memory(展望的記憶)」です。この記憶は意図的な練習で高めることができますが、常にメモ帳を持ち歩き、イベントの後にやるべきことをリストに書き付けるほうが簡単で手っ取り早いでしょう。

繰り返しを避ける

ネットワーキング・イベントで二度と会いたくないと思う人にも辛抱強く付き合わなければならない、という経験はほとんどの人にあると思いますが、あなた自身がそういう人にならないようにするためのこつがあります。通常、ネットワーキングとは、自分のことを話したりちょっとした逸話を共有したりすることです。ここで大変重要なことは、あなたがその情報をすでに誰と共有したかを覚えておくことです。これは、「destination memory(目的地記憶)」と呼ばれ、多くの人が難しいと感じます。しかし、同じ話を二回することは相手にとって退屈なだけでなく非常に無礼なことで、それではよい関係を築くことはできないでしょう。もしあなたがこの点で苦労しているなら、話をするたびにそれぞれの会話自体があなたにとって面白いイベントになるようにしてください。簡単なことです。情報の流れが必ず双方向になるようにすればよいのです。相手自身のことについて尋ね、どんな話が相手に最も合いそうかを考えます。誰でも自分のことを話すのは好きです。さらに、将来相手がどのように自分に有益になってくれそうかを見つけ出す助けにもなるでしょう。

接触した人にその後フォローしなかったり、同じ話を何度も繰り返して相手を死ぬほど退屈させたりするようならば、あなたは世界で最もカリスマ的で外向的な人物でありながらも、ネットワーカーとして最悪の人物となる可能性があります。しかしながら、実践的なステップに焦点を当てれば、あなたは自分のネットワーキングのスキルを高めることができ、その結果、自信をつけて将来のキャリアやビジネスチャンスへのドアを開くことができるでしょう。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

至極当然のことを述べているのですが、それを「prospective memory」と「destination memory」という2つの記憶の概念に絡めているところが面白いところです。皆様はどう感じられたでしょうか。

さて、前号で、本コラム連載50回記念企画「SHLグループCEOへの質問」についてお知らせしました。おかげさまで多数の質問が集まりました。お寄せくださった方々にはどうもありがとうございました。現在質問を整理し送付の準備をしているところです。回答が到着しだいこの連載の中で皆様と共有したいと思います。どうぞお楽しみに。

ところで、今号の記事でも「双方向の情報の流れ」が重要と語られています。右側(過去ログリンク一覧)の一番上に投稿ボタンを設けました。 本コラムを読んでのご意見・ご感想、またご要望をお待ちしています。

文責:堀 博美

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