堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はCEB SHL Talent Measurementが2011年から毎年実施しているグローバル・アセスメント・トレンド調査の2014年の結果に関するプレスリリース記事をご紹介します。

第156回 HRのサバイバル的考え方がビジネスの成長を阻害

世界経済が活性化しつつある中、CEBの新しい調査によれば、サバイバルモードから成長モードへと移行する体制が整っている企業は16社に1社(6%)しかないことがわかりました。弱い人材インフラが企業の成長を脅かし、戦略的なHRサポートを妨げています。人材の開発と獲得を通して企業の成長基盤を構築することをHRが支援するならば、現在の硬直化した人事施策を強化する早急の対処が必要です。

『経済指標は順調であり、景況感は改善しています。全ての兆候が、ビジネスがサバイバル的な考え方から成長モードへと切り替わる態勢にあることを示しています。しかしながら、我々の調査は、昨日の人事施策が明日の成長チャンスを危うくしている企業があることを示しています。』(ケン・ラッチ、CEB商品開発部長)

CEBのグローバル・アセスメント・トレンド・リポートから明らかになったのは、現在の企業が成長のためトップ人材をエンゲージ・惹き留め・能力開発するための在職社員に向けた施策に意図的に集中しており、後継者育成計画やリーダーシップ開発、人員計画など核となる人事領域で成熟したフォーマルなプロセスを欠いているということです。結果、94%の企業が業績や生産性を妥協しています。

調査結果によれば、2014年のHR優先事項は成長戦略を反映しています:人材のエンゲージメント確保(回答者の56%)、強いリーダーシップの見極めと育成(それぞれ51%、54%)、既存社員のパフォーマンスの最大化(54%)。しかし、きちんとしたプロセスや客観的データの把握がないため、これらの領域をサポートするための人材プログラムは一貫しておらず非効率的です。この3年間これらの領域を改善しようとHRは常に焦点を当ててきましたが、ビジネス施策に対する人材のインパクトを示してROIを実証するためのハードデータを持っているのは回答者の半数以下でした。

パフォーマンスとポテンシャルの客観的で一貫した測定値をきちんとした人事プロセスに組み込めなかった企業は、人材や人事戦略をビジネスニーズにうまく沿わせることができません。

『企業は、自分たちが成長戦略を実行するための適切な人材を持っているかどうか、本当にわかっているのでしょうか?自分たちの採用プログラムがどれくらいよく機能しているか、ターゲットとなる人材マーケットが自分たちのことをどう思っているか、わかっているのでしょうか?我々の調査から、多くの企業がそうではないことがうかがえます。しっかりした人材インフラがない企業は脆弱です。社員の健康や準備状態についての正確な知見を人事が提供できず、トップ人材の獲得と開発によるビジネス成長の加速化を助けるような機会を逃してしまうかもしれません。』(ケン・ラッチ)

世界の人事担当者1400人以上のCEB調査の結果に基づくと、企業が成長できるよう人事施策を強化するために企業が取るべきステップは以下のとおりです。

  • 人事の優先事項、プロセス、リソースの間を連動させること。行動計画やモニタリング、最適化を促進して望ましい結果を確保できるよう、人材優先事項のための頑健な手順を作る。ビジネスの優先事項を直接サポートするような施策に焦点を当てると、企業目標との連携が確保できる。
  • 人材ダッシュボード(計器盤)のインフラを作ること。人材についてリアルタイムで全体的な像を提供できるよう、あらゆる人事ソースやシステムからのデータを統合する。データをひとつのダッシュボードに集めることで、ビジネスリーダーが戦略やスキルギャップを素早くモニターでき、より効果的に成功に向けての企業の舵取りができる。
  • 人事のインパクトをビジネス戦略に関連させること。人材をビジネス成果に関連させるデータを使って、人事インパクトのリターンを量化する。人材がどのように企業の成長の軌跡を促進するかの理解が、ビジネスの転換をリードするという人事の役割にとって重要である。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

この調査は世界の人事測定のトレンドを毎年追っているものです。2014年グローバル・アセスメント・トレンド・リポートはここからダウンロードできます。画面上で申請フォームへのご記入が必要ですが、記入によって何らかの義務が発生することは全くありませんので、どうぞお気軽にご活用ください。

文責:堀 博美

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