堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はグループのブログから、採用プロセスにおいて応募者体験に配慮することの重要性に関する記事をご紹介します。

第269回 採用戦線で勝てる応募者体験を実現する3つのポイント

第一印象が大事ですが、採用プロセスで応募者が何を考え、感じ、どんな体験をしているかまで考えが及ばない会社は多いです。

採用をデートと考えてみましょう。気持ちは高ぶり、第一印象が大事ですが、物事が期待どおりにいかない時の落胆は壊滅的です。しかしもし応募者がベストパフォーマンスを発揮して応募先企業の心をつかもうとしても、企業の側が最悪のデートのように振る舞うことが多いものです。関心を示してくれるだけでありがたいと応募者に思わせたり、好悪の混じったシグナルを送ったり、最初に興味を寄せた後に沈黙してしまったりする企業が多すぎます。

これはとっぴな喩えではありません。そして、ひどいデートについて友人に話すように、応募者は採用でのネガティブ体験について言い広めます。不採用になった人で嫌な体験をした人は、ソーシャルメディアなどでその企業をけなすかもしれません。口コミは素早く広がり、企業のブランドにダメージを与えます。応募者の中にはひどい扱いを受けたと感じて、その企業の商品やサービスをボイコットする人も出るでしょう。企業は、応募者がお客様でもあることが多いことを忘れないでください。

企業は良い顧客サービスが重要であることを知っています。顧客から問い合わせ対応は優先事項で、効率的なコミュニケーションが必須とみなされます。なのに、自社で働きたいと応募してくれた人にこのアプローチを応用できない企業がこんなに多いのはなぜなのでしょうか?

企業に悪役になる意図はありませんが、受検者の目線で物事を見れないことが非常に多いのです。多くの企業は昔からの無骨で陳腐な採用プロセスを引き継いでおり、テクノロジー依存の若い新卒者が即フィードバックを期待する時代にはそれが問題になります。さらに、企業の側も大量の応募を処理する必要があり、採用担当者は応募者を採用プロセスに流すことに手を奪われ、立ち止まって応募者にとってどうなのだろうと思う暇もありません。

企業は何をすべきでしょうか?それは、「透明性」「共感」「コミュニケーション」というシンプルなことにつきます。

「透明性」――応募者はこの先どうなるかを知りたがっています。その職務がどんなものか詳しく知りたいのはもちろん、自分が採用プロセスのどの段階にあるのかの情報も欲しいです。企業が透明性を持って応募者の期待に対応すれば、彼らが思いがけず不快な思いをさせられることはなく、結果がどうであれミスリードされたと感じることはないでしょう。

「共感」――応募者はフィードバックを受けたがっています。応募者は会社研究、履歴書作成、応募書類記入、アセスメント受検に時間を費やしてきました。そのお返しとして、自分のパフォーマンスがどうだったかのフィードバックを期待します。うまくいっている人でさえ合格通知を受け取るまで何週間も宙ぶらりんにされるようですから、時が刻々と過ぎる中で自分がどう進んでいるのかのヒントを得たいと受検者が思うのは当然です。応募書類受領やアセスメント実施、面接実施など、プロセスのポイントポイントで伝えましょう。フルの報告をする必要はありません。強みと弱みについてのヒントを与えるだけで応募者の能力開発につながります。彼らが合格ラインにいるのかどうか、知らせましょう。

「コミュニケーション」――応募者はフィードバックを与えたがっています。企業が本当に応募者中心のアプローチをとるならば、企業は応募者が自分の採用体験について述べる言葉に耳を傾ける心構えを持つべきです。フィードバックを奨励してください。それが、応募者は採用プロセスにおけるパートナーであるという考えを強化します。そして、ベストな人材を採用し、応募者満足を改善し、定着率と業績をアップさせることに役立ちます。応募者の声を聞くことで驚くことがあるかもしれません。

もちろん、応募者集団にうまく効率的に対応している企業はたくさんあります。そして、応募者体験をよいものにすることの効果は大きいです。前向きに入社できた人は自ら一層の努力をし、長期間企業にとどまる可能性が高いです。簡単にいえば、ハッピーな社員はより一生懸命働きます。

しかし、採用場面でのいやな経験のリスクは深刻であり、ビジネスに関わる全ての人がそのことをわかっていなければなりません。自分を応募者の立場に置いてみてください。いざという時には「私はどう取り扱われたいか?」と自分に尋ねてください。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

就職活動シーズン中、採用担当者は目の回るような忙しさでしょう。しかし学生がどんな思いで各ステップに臨んでいるか、学生の立場から採用プロセスを見直してみることも時には必要ではないでしょうか。

(文責:堀 博美)

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