堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は前回に引き続き、公的機関におけるアセスメント活用事例をご紹介します。

第160回 事例:ウェストヨークシャー州消防局

英国ウェストヨークシャー州消防局(Fire & Rescue Service)は昇進プログラムを合理化しなければなりませんでした。CEB SHL Talent Measurementのアセスメントによって、コストと面接にかかる時間を低減しながら質を確保することができました。

課題 将来に向けて最善のマネジメントを

1977年、ウェストヨークシャー州消防局は一日3交代制から4交代制へと移行し、消防士の人数が急激に増えました。その多くが30年の勤務を終えて2007年と2008年に退職し、2008年と2009年、中間管理職層に昇進機会がめぐってきました。さらに、ウェストヨークシャー州消防局はイギリスで4番目に大きい局なので、かなり大きな数の昇進がルーチンとして見込まれます。

消防局内部の昇進プログラムは長い時間と多くのリソースを要するプロセスでした。最初の段階のアセスメントは、能力テスト、マネジメントポテンシャルを測定する2種類のアセスメント、上級マネジャーによる面接とFBです。2008年、これらの面接にグループマネジャー1.75人日分が費やされました。(2008年の最後にグループマネジャーは全部で12人でしたから、かなりの比率になります。)第2段階はさらに人手のかかるものでした。面接が重要であり2009年に必要とされるリソースが懸念でした。

2008年、第2段階にはミドルマネジャー520人日分が必要でした。これには準備、実際のアセスメント、フィードバックが含まれます。そのため、同じアウトプットを生みながらも、革新的でリソースのさほどいらない解決策が必要でした。つまり、上級マネジャーの時間を使いすぎることなく、昇進を成功させ、将来に向けたベストなマネジメントを実現することです。

解決策 CEB SHLマネジメントシナリオ

2008年後半に、2009年の昇進プロセスに向けてパイロット計画が始まりました。CEB SHL Talent Measurement Solutionsチームが消防局キャリア開発チームに対し、Verifyと管理判断力テスト「シナリオ」の実施とフィードバックができるようトレーニングを行いました。テストの結果が消防士の個人特徴・特性に紐付けられ、パイロット・プロセスで使用されました。 2009年、応募用紙と上司の推薦状に続いて、対象者は言語能力テストと計数能力テスト、マネジメントシナリオテストを受けました。合格者は面接と業務知識テストを含むアセスメントセンターに進みます。 シナリオテストの得点とアセスメントセンター・面接の成績との間には顕著な関係がありました。結果、シナリオテストは昇進のポテンシャルをみるかなり正確な予測変量であることが実証されました。

結果 年間6万1000ポンドのコスト削減

旧プロセスの第1段階をオンラインテストに切り替えたことで、質を保ちながら、コストやアセッサーの時間が大きく低減しました。

ウェストヨークシャー州消防局Stationマネジャーのポール・アルミタージ氏は次のようにコメントしています。

『2009年にシナリオテストを使用し、ミドル・マネジャーの面接に必要な時間は286人日減りました。これは約6万1000ポンドにあたります。

『将来のマネジメントポテンシャルを見極める我々のプロセスの鍵が心理測定アセスメントです。既存の面接プロセスに並び、重要な情報を提供します。ツール導入によって財務面で大きな節減ができ、同時に貴重なシニア・マネジャーの時間を空けることができました。

『2010年には「計算」や「照合」のテストも導入する予定で、またハイポテンシャル人材施策でOPQとMQ(意欲検査)を導入するつもりです。これらが昇進プロセスの客観性を増してくれるでしょう。2010年のプロセスではさらに1万2000ポンド削減できると予想しています。』

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

管理判断力テストは当社で「羅針盤」として出しているツールです。実際のマネジメント場面を模した状況判断シミュレーションで、管理職に必要な判断力とマネジメントスタイルを測定します。

文責:堀 博美

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