堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回と次回、英国人事専門誌HR Magazineから、人事にとってのリスク上位8個をご紹介します。

第133回 人事リスク上位8個と、その対処方法(前半)

どんなリスクか
競争に勝ち、革新・成長するために必要なスキルをもつ適切な人材がいなければ、組織の将来は大きく妨げられます。「いかに多くの企業が新興市場で成長したいと思っているかを考えてください。彼らの最大の懸念点は適切な人材を見つけられないことです。」(全英産業会議メアリー・ヤング)労働力の高年齢化が進んでいる業界、たとえば、2015年までに労働力の50%が退職すると予測される石油・ガス業界では、一層心配です。

人事にどう関係するか
ヤングが述べるように「これらは人事の本業です」。リスク・マネジメントの点で人事はすでに人員計画を検討しているでしょうが、それを組織の他部門に向けて言い換える必要があります。

今、何をすべきか
会社のリスク・マップに加えるべく説得力ある主張を展開するために、データを収集して分析しましょう。ビジネスの議題に載せるよう集中します。

どんなリスクか
SHLによれば、実際にCEOの後継者選抜・育成計画を設置している企業は32%だけです。英国企業の43%は過去1年間に予期しなかったリーダー交代があったと認めています。これはけっこう大きなリスクです。将来のリーダーシップ計画をもっていないことは株価の急落を引き起こすかもしれず、さらには、CEOが突然退職すれば会社は敵対的買収のリスクにさらされることさえあります。

人事にどう関係するか
人事はリーダーシップ開発に重要な役割を果たします。将来のリーダーシップ・パイプラインに時間と資金を投資すべきです。

今、何をすべきか
「承継計画については、社内オーディットを使い、リスク委員会で討議すべきです。さすればすぐに経営幹部全員が注目するでしょう。」(KPMG人材部長ティム・ペイン)

どんなリスクか
パンター・サウスホール医療保障コンサルティング社(PSHPC)の最近の調査によれば、英国で従業員500名以上の企業の保険外債務は約936万ポンドになると見積もられます。企業の15.6%が知らないうちに保険外になっていて、保険申請が拒否された場合に膨大な支払いが発生するリスクがあります。

人事にどう関係するか
「人事は社員福利を担当しており、保険が正しく整っていることを確認しなければなりません。もしデータが間違っていれば債務は会社の側に帰します。」(PSHPC営業部長ジョン・ディーン)

今、何をすべきか
採用場面などで誰かに何かを約束する前に、常に細かい点をチェックします。保険会社がデータを要求するのは年に一回だけですが、何か変更がないかどうか定期的にデータを更新しましょう。

どんなリスクか
昨今の企業スキャンダルの多くは、非倫理的行動によるものです。「我々にとって、一番のリスクは倫理違反です。ブランドにダメージを与えるという点で、回復が最も難しいものです。」(Skanska建設 人事担当取締役 ハーベイ・フランシス)

人事にどう関係するか
企業の価値観の守護者が人事であれば、倫理的な行動が促されるような風土を構築しなければなりません。企業の風評が損なわれれば、採用や定着、エンゲージメントにもマイナスの影響を与えます。

今、何をすべきか
行動規範を作成し、倫理委員会を設置しましょう。「人事はデータ分析結果を検討し、考えられる事故について警告することができます。働き方のパターンなどを見ましょう。」(デロイト ティム・トンプソン)

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

8個のうち、まず4個をお伝えしました。次回、残り4個を取り上げます。

文責:堀 博美

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