堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はデンマークに本社のある製薬企業ノボノルディスクで実施された能力開発の事例をご紹介します。

第216回 事例:ノボノルディスクがリーダーシップ・パイプラインを強化

<ノボノルディスク 会社概要>

  • グローバル製薬企業
  • 糖尿病治療の第一人者として90年以上に渡り革新的な製品を提供
  • デンマーク本社
  • 世界75カ国で操業し、社員数4万人以上

ノボノルディスクはより競争の激しいグローバル市場に直面していました。新しいリーダーシップ開発プログラムによって自社人材の明確な像を描くことができ、ヨーロッパ全体での継承計画の基礎を得ることができました。

ノボノルディスクではグローバルのビジネスが成長し、かなりうまくいってはいましたが、競争がますます激しくなっているという問題に直面していました。イレーネ・ホルネロ氏(ヨーロッパ担当人材開発マネジャー)は次のようにコメントしています。「我々がわかっていたのは、ますます競争が激化するグローバル市場に直面できる新しいリーダー世代を育てなければならないということです。」

彼女は、ノボノルディスクがヨーロッパの最高の人材を惹きつけ、保持し、能力開発できるようにするために、会社としてより中央集権的で焦点を絞ったアプローチを取る必要があると考えました。「ヨーロッパのビジネスエリアは7つに分けられており、それぞれが独自の人材プログラムを持っていました。人材を可視化し、社内の異動をやりやすくするために、我々にはエリアの枠を超えたプログラムが必要でした。」

ノボノルディスクはCEB SHL Talent Measurementチームと一緒に、新しいユーロキー・リーダーシップ開発プログラムを立ち上げ、推進しました。会社が求めたことは二つあり、それらは互いに関連していた、とイレーネは述べます。「当社の人材とその実務的専門性についての知見を深めること、そして、彼らがリーダー職に上がれるよう支援するツールを備えたディベロップメントセンターを整備すること、でした。」

社員の実績とリーダーシップスキルを基に、ノボノルディスクのマネジメントチームは最も有望なスタッフをユーロキー・プログラムに指名しました。対象者は3日間のプログラムに参加する前に、360度評価を受けました。

1日目:リーダーシップへの扉
ヨーロッパ各地からの参加者が4名ずつのグループになって、CEBとノボノルディスクの担当者からのコーチングを受けます。インスピレーショナル・リーダーシップについてのグループ討議、現実を反映したビジネスシミュレーションやロールプレイのセッションが行われ、参加者が自分の強みと弱みを理解し、自分の能力開発目標を設定することを助けます。
2日目:鍵を見つける
「リーダーシップ」「コミュニケーション」「交渉」に焦点を当てた、非常にインタラクティブなセッションです。テーマのそれぞれはノボノルディスクがマネジメントの成功に必要不可欠であると考えるもので、各テーマで役立つツールが参加者に与えられました。コンサルタントがファシリテーションするセッションやロールプレイを通して、参加者は自分の現在の仕事のし方を見直し、どのようにしたら自分の強みを最大限に発揮して課題を克服できるのかを理解できるようになります。
3日目:扉を開ける
CEBコンサルタントのリードで、参加者に「フィードフォワード」(前向きのフィードバックの価値を強調した面談技法)の活用方法が示されます。この技法は参加者が自己認識を深めるセッションで使用されると同時に、直属部下への実践的なマネジメントツールとしてどう使えるかも示されます。

プログラムを通して各参加者には自分の強みや課題、能力開発テーマがはっきりとわかります。そして、それらのテーマにどう立ち向かうかを具体的に行動化した能力開発プランを持ってプログラムを終えることになります。

  • ヨーロッパ全体の人材の可視化ができ、追跡できるようになった
    今ではノボノルディスクはどんな人材がいるのかについてより明確に描くことができ、新しい機会に合わせて人材の能力開発を積極的にマネジメントできるようになりました。
  • ヨーロッパ全体での継承計画の基礎ができた
    強固な人材プールができ、ヨーロッパ全体でのビジネスチャンスへの意識が増し、シニア・マネジメント層の後継者候補について強固なパイプラインができました。
  • 社員の能力開発に会社が力を入れているという評判が高まった
    プログラムは参加者に非常に好意的に受け入れられました。参加者の大多数が、プログラムによって自己認識が大きく高まり、キャリアで成功する確率が大きくなったと自信を持つようになりました。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

アセスメントセンターを社員の能力開発を主目的に行った事例です。セッション中のグループ討議やロールプレイなどの模擬演習の情報に加え、事前に実施された360度フィードバック調査やパーソナリティ検査など心理測定技術の結果を基に、参加者が自己認識を深め今後の能力開発行動プランを立案します。同時に会社にとっては、どこにどういう人材がいるのかの棚卸しができ、将来の人員計画の基礎が得られます。

(文責:堀 博美)

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