堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はヨーロッパ最大の人工衛星開発企業でSHLの人材開発ノウハウが活用された事例をご紹介します。

第92回 事例:タレス・アレーニア・スペース

「アセスメントとコーチングの両方にここまで集中した専門能力開発プログラムは非常に稀だと思います。参加者からのフィードバックは大変肯定的で、成熟度や自律性、自己への気づきが増したと述べています。」

タレス・アレーニア・スペース 専門能力開発HR部長 クレア・オクスマン氏

キーポイント

  • タレス・アレーニア・スペースはその優秀な人材のために、彼らの具体的な要望に合わせてカスタマイズされた能動的な専門能力開発プログラムを立ち上げたいと考えていた。
  • SHLがコンサルティングから「人材開発センター」の創立・管理まで、最初から最後までの展開を実現した。

会社概要

タレス・アレーニア・スペースはタレスとフィンメッカニカの合弁会社で、ヨーロッパにおける人工衛星システム開発のリーダーです。宇宙通信、レーダー、光学的地球観測、防衛・治安、ナビゲーション・科学などのソリューションで世界標準を打ち立てています。フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ドイツの11拠点に7200名の従業員が勤務しています。

同社の国境を越えた構造や文化は、文化的にミックスされたアプローチを促進し、会社の中心に専門的能力の開発を置くものです。

背景

タレス・アレーニア・スペース社は技術的・専門的な人材開発支援に積極的に取り組んでいます。パフォーマンス向上、ポテンシャル開発、ロイヤリティ構築が目的です。

同社の専門能力開発HR部長であるクレア・オクスマン氏は次のように述べています。「専門能力プログラムの設置を含む我々のプロジェクトは、当社の優秀な人材や将来のリーダーに焦点を当てています。人材のポテンシャルを見分け、その人達のキャリア・パスを支援できるよう、我々は、能動的に展開したいと考えています。」

専門能力開発プログラムの展開において、SHLが同社とパートナーを組み、組織の特定ニーズに合わせてカスタマイズを行いました。

ソリューション

共同作業の最初のステップは、プログラム専用のコンピテンシー枠組みを定義することでした。クレア・オクスマン氏は次のようにコメントしています。「SHLがコミュニケーションを助けてくれました。新しいコンピテンシー枠組みと同時に、それをうまく適用した社内プログラムを一緒に作成しました。」

プログラムへの参加者が選抜され、OPQ、MQ、360度評価を受けました。それらの結果は会社の『人材開発センター』で解釈され使われます。

『人材開発センター』は同社HRチームとSHLコンサルタントのパートナーシップの産物です。毎年、参加者がフランスのカンヌに集められ、数多くのセッションに参加します。セッションは様々なシミュレーションやSHLコンサルタントによる面接から構成され、その後、フィードバックと行動計画作成が続きます。そして、一年間を通して、個別のコーチングが提供されます。

SHLが『人材開発センター』プログラムの全体(運営や編成、テストの実施、フィードバック、コーチングから満足度調査まで)を管理します。クレア・オクスマン氏は次のようにコメントしています。「我々の人材開発センターはカンヌにありますが、各セッションに各国からの人材が含まれるようにしています。系統的に国を混ぜ、国が異なっても公平であることを保障するためです。」この国をまたいだアプローチに合わせて、SHLプロジェクトは、SHLフランスとSHLイタリアの両方のチームで二重に管理されました。

メリット

多文化構造で仕事を進めるSHLの力によって、最初のパイロットはたった3ヶ月で実施されました。2007年以降、160人以上が『人材開発センター』に参加しました。

SHLとタレス・アレーニア・スペース社の共同作業の成功、2つの組織間のダイナミックな関係のおかげで、プログラムは組織の中で認められ、受け入れられています。

参加者の反応は非常に肯定的で、プログラムの結果として成熟度や自律性が増し、自己への気づきが得られたことを強調しています。今日では、同社は、社内でそのポテンシャルを実現しつつある多くの優秀な人材が真のキャリア進化を遂げていることを実感しています。

「人材開発センター参加者からのすばらしいフィードバックのおかげで、まもなくタレス・グループ全体でSHLと新しいプロジェクトを立ち上げて協力関係をさらに進めることになっています。」とクレア・オクスマン氏は結論しています。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

第82回の本コラムでNASAの事例をご紹介しました。航空宇宙業界という最先端技術を核とする組織でも人材開発が課題となっていること、いや、そういう業界だからこそ、根源にあるのは社員一人ひとりのパワーなのだということを改めて感じました。

文責:堀 博美

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