堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を、日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Global Newsletter」や雑誌「Newsline」、HPから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回とりあげたのは「SHL Global Newsletter」冬号の巻頭テーマです。景気回復の兆しが見えている、見えていないの議論が錯綜している昨今、グローバルに見ても労働市場は買い手市場です。数少ないポストに何千人もの応募が殺到する、という状態にHR担当者がうれしい悲鳴をあげているという状況がうかがえます。

第44回 大量採用

以前なら採用が難しかったような職種も含め、企業は現在、あらゆる職種で大量の応募者を受けています。採用チームの仕事量は加速度的に増え、費用低減と生産性向上のプレッシャーでさらに悪化しています。何千通もの応募書類に目を通すだけでも大変なコストがかかります。そして、間違った人物を採用することのコストは計り知れません。

2010年の採用市場予測

2010年、採用はグローバルな規模で増加することが予測されており、大量採用の問題は人事にとってチャレンジであり続けるでしょう。

  • 2009年9月Manpower Employment Outlook(雇用人員見通し)によると、調査対象国や地域のほぼ3分の2で、グローバル企業の採用予定数が増加している。
  • 2009年、South African Graduate Recruiters(南アフリカ大卒採用企業)の調査では、12業界中5業界が2010年大卒採用数を増やすことを計画している。
  • Australia Association of Graduate Employers(オーストラリア大卒採用企業協会)の調査で、14業界中12業界で大手採用企業200社が、大卒者の募集を増やすことを認めた

大量応募を管理することの難しさ

応募数の増加は多くの要因によるものです。必ずしも経済的な要因に限りません。LinkedInのようなソーシャル・ネットワークや求人掲示板などの技術的な進歩は、募集をより広く知らしめ、さらには簡単に履歴書を送付することを可能にしました。その結果、より多くの人が応募してきます。このことは採用者が最高の候補者に到達することに役立ちますが、一方、不適切な人々が大量に応募してくることにもなります。

履歴書に頼りすぎると間違った判断になりかねません。企業は採用選考において履歴書の正確さのみに頼ってはいけません。SHLの調査では、求職者のほぼ4分の1(24%)が仕事を得るためなら拡大解釈で真実をごまかすつもりがあると回答しました。

大量採用へのSHLの解決策

最も適切な人々が公平に選抜されるようにするためには、効率的なプロセスが必要です。
SHLの効果的な選抜プロセスは以下の点を可能にします。

  • 採用にかかる時間を低減する
  • オンラインのプロセス
  • 不適切な応募者を公平かつ妥当に除く
  • 最高の応募者がフォーマルな評価プロセスに進む
  • 選抜エラーに伴う費用を減らす
  • 応募者がいい経験であったと思え、ブランドイメージが保たれる

大量採用のための効果的な一次選抜ツール

最も効果的な選抜策は複数の評価ツールを使います。組み合わせることで、応募者がその仕事をできるかどうかだけでなく、その職場で活き活きと仕事をしそうかどうかも予測できます。

通常、それらは既存のウェブベースの人事管理システムに組み込まれます。いったんセットアップしたら、何千もの応募を自動的に処理できます。面接など対面式の評価ステップに至るまで、採用チームの手作業は必要ありません。

最も費用対効果の高い解決策は、以下のようなツールを組み合わせたものです。

  • Realistic Job Preview…その職務が自分に向いているかどうかを応募者が自分で判断するよう促す
  • 行動アセスメント…会社のコンピテンシー枠組みに関連付けられたもの
  • 能力テスト…応募者がその仕事をできるかどうかを評価
  • Talent Screenerなどの状況判断テスト…その職務や企業文化に合っていることを確認

市販されている一般的なツールと、自社独自のカスタムメードのツールを組み合わせることで、費用対効果の高い、効率的で、しかも批判に対して正当化できるような方法で、最高の応募者を面接にあげることができるようになります。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

欧米はまず仕事やポストがあって、その要件を満たす人材を採用する、という職種採用が主ですが、欧米にもやはり大学新卒者の一斉採用はあります。将来の幹部社員候補に育てることを念頭にまずはトレーニーとして採用します。その主な手段はリクルーターによる大学回りでした。

それらの採用活動・選抜評価方法は徐々に大きく変化しつつあるようです。インターネットの発達によって、情報がオープンに広い範囲に行き渡るようになったことの影響が大きいと考えられます。以前は候補者の範囲そのものがまず限られていたため、対面式で時間をかけてじっくりていねいに評価判断することができていたのが、量的・質的に間に合わなくなってきた。さて、どうしよう、という問題意識です。

文責:堀 博美

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