SHLグローバルニュース

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループHPのプレスリリースやブログなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

ダイバーシティとインクルージョンに、エクイティ(公平性)を加えた「DEI」の推進に取り組む企業が増えています。DEI施策がなぜ失敗をするか、どのようにアプローチすべきかを解説したSHLグループHPブログを全3回にわたってご紹介しています。今回が最終回です。

第330回 テクノロジーがDEI施策に真の変化をもたらす(3/3)

このシリーズの第1回と第2回では、DEI 施策がなぜ失敗することが多いかと、成功のために、プロセスが重要な役割を果たすことについて説明しました。連載の最後となる今回は、人事プロセスにおける客観性を高め、DEI 施策を強化するうえでテクノロジーがどのような役割を果たすかについて説明します。

人材の獲得に関して言えば、採用担当者は燃え尽き症候群になる寸前です。しかし、マネジャーが職務に適した人材を見つけるのに苦労していれば、危機を収めなくてはなりません。多くの場合、候補者が次のステップへ進むか進まないかの最初のスクリーニングは応募用紙や履歴書のみで行います。履歴書は候補者について最も予測力がない情報源であることが広く受け入れられているにもかかわらず、です。市場で最高かつ最も多様な人材を選抜する上で、出だしから間違っているとしか言いようがありません!

候補者の観点から見ると、COVID-19 の発生以来、雇用環境は大幅に変化し、現在、より多くの人々が永続的なリモートワークの機会を求めており、より多くの企業が柔軟な勤務形態を提供しています。このことは組織にとって技術面や物流面の課題を生じさせます。しかし同時に、場所のバイアスを取り除くことは、組織が多様な人材プールに手を伸ばし、多様な人材の採用を最大化するチャンスでもあります。

採用プロセスに適切な人事テクノロジーを導入することで、採用担当者の負担と候補者経験の両方にうまく対処できます。

第一に、心理測定評価、リアリスティックジョブプレビュー、ビデオ面接など、仕事に関連する手段を組み込んだプラットフォームを使用することです。採用担当者は、候補者について履歴書や応募用紙をはるかに超えた、仕事に関わる予測情報を収集することができます。採用担当者は並列のデータを収集することで、候補者を同じ基準で比較することができます。

標準化されたリポートと候補者ダッシュボードによって、採用担当者の「正確で公正な決定を行っている」という自信を高め、彼らがより多くより迅速に意思決定し、ストレスを軽減することができます。重要なことは、このようなプロセスを行うことで、組織は履歴書の品質のばらつきや履歴書のバイアス (採用の意思決定を行う人が、ある職務に自然に結びつかない候補者を無意識に排除するという広く知られた現象)などの問題を解消するのに役立ちます。

第二に、組織がより幅広く多様な候補者プールから採用するとき、テクノロジーは候補者を教育し、エンゲージメントを高めることができます。これは候補者から仕事に関する情報をさらに引き出し、辞退者を最小限に抑えるのに役立ちます。通常、私たちは候補者経験について時系列であると考えています。つまり候補者は応募する前に組織と募集されている職務について調べると思っています。実際には、ほとんどの候補者は多くの職務に応募し、選考プロセスを通して組織と職務について学びます。インタラクティブな候補者プラットフォームを使用すれば、組織や役割、仕事内容に関する短い情報を提供することで、多くの候補者を教育することが可能です。

また、インタラクティブなコンテンツは、候補者に構造化され標準化された方法(たとえば、短いアセスメント、ビデオ面接など)で自分自身について回答することを求めます。候補者にとっては、自分の好きな時間にその役割について学ぶことができ、組織に良い印象を与えるために最善を尽くすことができるので、エンゲージメントが高まります。同時に、採用担当者に対して、候補者についての仕事に関わる情報を提供します。

多くの人事チームは、従業員のレビューや後継者育成計画、能力開発計画を実行する際に、依然として表計算ソフトとスライド資料集に依存しています。これは人材ダッシュボードの作成と複数あるデータセットの統合を手動で行うことを意味します。これでは、結局人材に関する問いにリアルタイムで答えることがほとんどできず、組織内の人材をうまく把握することができず、常に古い情報を参照することになります。適切なツールがないと、熟練した人事ビジネスパートナーであってもデータ収集とプロジェクト管理に終始し、ビジネスリーダーとともにデータを使用して知見を見出したり、実行可能な戦略を作成したりすることができません。

現在の従業員を理解することは、組織にとって非常に重要であると同時に、多くの場合非常に困難です。各従業員の心理測定データを収集し、個人と集団の観点からデータを分析する機能をもつプラットフォームがあれば、現在の従業員についてより深く理解することができます。組織的、職種的な観点や地域的な観点から強みと弱みを理解することで、大規模なトレーニングと能力開発について、情報に基づいた戦略的な決定を下すことができます。チームと個人のデータを利用することで、小規模な能力開発プログラムについてもより多くの情報に基づいて決定することができ、個々人の能力開発ニーズに即した機会を提供することができます。

適切な人事テクノロジーを活用することで、客観的なデータを使用してリアルタイムに知見を得ることが可能になり、能力開発を促し、人材マネジメントに関わる重要な決定を助けます。

重要なリーダーシップ職に求められる特定のコンテクスト(文脈)と心理測定データを組み合わせたダッシュボードによって、リーダー候補者についてより深く理解することが可能です。そこから、ポテンシャルが高い候補者に必要なリーダーシップ経験や能力開発計画を定義することができ、より良い後継者育成計画を作成できます。最終的に、適切なテクノロジーによって組織内に多様なリーダーが増え、重要な職務の候補者として挙がっていないけれども、成功に必要な能力やポテンシャル、そして必要な経験を持っている隠れた宝石を発見することができるようになります。

要約すると適切なテクノロジーは、候補者とリーダーシップパイプラインの多様性を最大化するのを助け、最終的にはDEI 施策が目指す真の変化を起こす可能性を秘めています。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/how-technology-can-make-a-real-change-in-dei-efforts/

SHLグループのTalent Centralはインタラクティブなプラットフォームです。 こちらのページから、受検者画面やダッシュボードのイメージをつかむことができます。

(文責:廣島晶子、監修:堀 博美)

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