堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループが季刊で配信している「SHL Global Newsletter」などの中から記事をピックアップ、日本語に翻訳してご紹介するものです。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回も採用に関する事例をご紹介します。SHLがグローバルに事業展開している様子の一端として、ヨーロッパやアメリカではなく、パプア・ニューギニアでの事例を取り上げました。

第26回 ケーススタディ:オイルサーチ社

パプア・ニューギニア国の石油・天然ガス開発企業であるオイルサーチ社は、心理測定アセスメントを活用して、公平かつ文化に配慮した方法で新卒者を採用しています。

背景

2003年、オイルサーチ社は急激な拡大を遂げ、2年間で社員数65人から800人に成長しました。次なる課題は、パプア・ニューギニアからオーストラリアへの天然ガスのパイプラインの建設・運用、中東への事業拡大などです。そのための人材を確保する方策のひとつとして、オイルサーチ社は、将来のリーダーとなる大学新卒者を評価・選抜する、効率的でしかも公平な方法を必要としていました。

問題意識

トップレベルの大学の学生を選抜し、上級技術職や監督職に育てる手法について、オイルサーチ社はSHLに問い合わせました。SHLは心理測定アセスメントを活用しての人材の選抜・能力開発の専門家です。2004年、パプア・ニューギニア全土の大学生から599名の応募がありました。5人が選抜され、2年間の幹部養成プログラムに導入されました。2006年はさまざまな職種で12人採用します。

オイルサーチ社の人事部長マーク・ゴロデッキ氏は次のように述べています。「これまで、オイルサーチ社では履歴書と学業成績で書類選考し、面接で選抜していました。しかし、応募者が600人近くなると、このやり方では手間がかかりすぎます。」

解決策

ゴロデッキ氏が続けて述べています。「より効率的、公平に応募者を選抜するため、現在は能力テストを活用しています。テストで候補者を絞り、アセスメントセンターを実施します。アセスメントセンターは職場でよくある状況をシミュレートしたものです。アセスメントセンターを経ることで、我々は、選抜された新卒者が高い確率で成功するだろうとの安心感を得ることができました。」

SHLサラ・カーネイ部長は次のように述べています。「アセスメントセンターが適材獲得のチャンスを高めます。また、候補者の強みと弱みについて貴重なデータが提供されますので、各個人の能力開発プランを会社側が事前に用意できるというメリットがあります。我々はオイルサーチ社の初年度の新卒評価プロセスを進行するかたわら、次からはオイルサーチ社が自分たちでできるよう、社員トレーニングを行いました。2年目はSHLがほとんどアシストすることなく実施されました。」

結果

現在、オイルサーチ社は全ての職種の採用でSHLパーソナリティ検査と能力検査を活用しています。今後、ポテンシャルの高い社員のディベロップメントセンターでも活用する計画です。

ゴロデッキ氏は述べています。「我々にとって採用は重要課題です。地域の人材を能力開発し、事業を展開する国々にすばらしい財産を残そうと一生懸命やっています。成功するためにはまず適切な人材を獲得する必要があります。天然ガスの新しいパイプラインが完成すれば、我々のビジネスは新しい局面に飛躍し、新しい仕事が数多く生まれます。また事業が拡大すると、さまざまな地域に人を動かす必要があります。どちらの状況でも、適切なリーダーが必要です。SHLのおかげで我々は自分たちが正しい方向に進んでいると確信をもつことができています。」

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

パプア・ニューギニアは、オーストラリアの北、ニューギニア島の東半分を占める国です。人口は約540万人、産業の中心は鉱業。近年は原油や天然ガスを大量に輸出しています。

2009年1月、新日本石油株式会社とオイル・サーチ社が事業提携契約を締結したとのニュースが流れました。オセアニア地域におけるガス資源商業化の事業拡大を目指しての契約です。

エネルギーの安定供給にも人材面からSHL事業がお役に立っているのですね。

文責:堀 博美

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