堀 博美のSHLグローバルニュース

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、前回、プレスリリース記事としてお知らせした『2012年度グローバル・アセスメント・トレンド調査』について、報告書のサマリー部分を和訳してご紹介します。

第99回 2012年度グローバル・アセスメント・トレンド調査結果(サマリー)

今回の調査は2011年11月〜12月にオンラインで実施され、世界各国からSHLと関わりのある企業の人事担当者481名がご回答くださいました。主な結果は以下のとおりです。

  1. ピープル・インテリジェンスと事業成果との関係にはさらに深まる余地がある。
    • 80%以上が、『自分の組織は、事業目標に関連させて人材に関する意思決定を行っている』と回答しました。
    • しかしながら、『自分の組織は、総合的な事業決定を推進するために人材に関する情報を活用している』と回答した者は半数以下でした。
  2. 2012年の優先課題は『エンゲージメント』と『リーダーシップ』。
    • 回答者の過半数が2012年の優先課題として『エンゲージメント/定着』(56%)と『リーダーシップ』(55%)を挙げました。さらに、回答者のほぼ70%が『そのような施策を実施するためのフォーマル/インフォーマルなプロセスを持っている』と回答しました。
  3. キャリア開発についてはあきらめ気味?
    • 2012年度、『エンゲージメント』が注目され、『外部からの採用よりも社内人材登用を重視している』とした会社が半分以上あるにもかかわらず、『キャリア開発が優先課題である』とした人事担当者は3分の1強のみでした。同様に、『キャリア開発を定着化戦略として活用している』会社や、『社内で新しいキャリアを探すフォーマルな方法を社員に提供している』会社は減少しています。
  4. アセスメントが最も使われる場面は、引き続き、社内外からの採用。ただし、採用後の活用もかなりある。
    • 現在、『社外からの採用』にアセスメントを使用している会社は70%以上。『社内からの採用』に使用している会社は60%以上。
    • 採用後の活用では、『トレーニング』(47%)、『リーダーシップ開発』(45%)、『キャリア開発』(39%)。
    • 今後、活用を計画している分野は、『人員計画/人材分析』と『キャリア開発』。
  5. 人材測定の焦点は、『現在の行動』と『ポテンシャル』
    • ほとんどの人事担当者は、アセスメントする対象として、『過去の関連経験』ではなく、『現在の行動』か『将来のポテンシャル』を用いています。『過去の成果や経験をアセスメントする』との回答は、人事の主要分野14個でそれぞれ30%以下でした。
  6. アセスメントを事業成果に関連付ける
    • ほとんどの人事担当者が、『社員の全般的な生産性に影響を与えるためにアセスメントを使用する』と回答しましたが、その『影響度を評価するための指標を収集している』とした回答者は半数以下でした。
  7. スマートフォン・モバイルツールを採用で使用したいとする潮流はアジアがリード。
    • アジアの人事担当者は、スマートフォン・モバイルツールを採用で使用したいという強い要望をもっています。(現在の使用度もアジアのほうが高い。)また、それらのツールでアセスメントを受けたいと要求する受検者も、ヨーロッパやアメリカよりもアジアのほうが多い結果となりました。
  8. ソーシャル・メディアの許容度と効果認知度は増加。
    • 採用におけるレビュー・ツールとしてますます多くの会社がソーシャル・メディアを使い始めています。しかし、その使用に関する公的方針はあまり変わっていません。
    • 同様に、ソーシャル・メディアは受け入れられつつあります。それが効果的な採用ツールであるとの認知度は10ポイント増えました。

(© SHL. Translated by the kind permission of SHL Group Ltd. All rights reserved)

訳者コメント

「グローバル・アセスメント・トレンド調査」はSHLが毎年実施しているもので、今回で4回目となります。(昨年度2011年度の調査報告サマリーは本コラム第77回でご紹介しています。)

今年の調査概要を見て大きく異なる点は、回答者の中に中国企業が増えていることです。昨年はオーストラリア・アジアで8%だったのが、今年は中国のみで19%を占めています。SHLグループの中国展開を反映してのことと推測されます。サマリーの7点目でテクノロジー利用に関してアジアがリードしている、と指摘されていますが、これもほぼ中国企業の傾向のようです。

日本企業にとってもグローバル採用、グローバル人事が重要テーマとなっています。調査結果報告書の本文はここから入手できます(申請フォームへのご記入が必要です。)どうぞご活用ください。

文責:堀 博美

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