アセスメントに関するFAQ
アセスメントに関して、お客様から寄せられたさまざまな疑問に、各種勉強会の講師が回答させていただきます。
「アセスメントに関するFAQ」は「人事アセスメントFAQ」としてリニューアルし、YouTubeで更新していきます。ぜひ、そちらもご覧ください!
グループ討議を評価する際に、参加者の言動で確認しておくとよいポイントはありますか?
グループ討議の評価指標は企業によって異なると思いますので、ここでは評価の際に参考となるポイントの例を2つ取り上げます。
1つ目は「討議での課題達成に向け、議論を前に進めているかどうか」になります。
社内会議でもよくあるかもしれませんが、集団で1つのテーマを議論していく際には、得てして本筋とは関係のない話題や、重箱の隅をつつくような細かな点に脱線することがあります。時間が限られたなかで、求められる課題に対しての成果(=結論)を出すことが前提である以上、結論に向けて議論を推進していく役割はとても重要です。これは単純な議論の進行役(司会)という意味ではなく、結論に至るための重要な発言や、メンバー間のコンセンサス形成への貢献、本質的な話題への議論の揺り戻しなど、結論を導き出すための影響力の強さに注目するとよいでしょう。
2つ目は「全員参加で議論を進めるための、潤滑油の役割」になります。
1対1のプレゼンテーションではなく、集団での議論から結論を出すことが求められるのがグループ討議です。議論を活性化させるための雰囲気づくりや、議論についていけていないメンバーに対するフォローなど、全員参加で議論を進めることに対しての貢献度の強さを確認します。
グループ討議は「他者に対する関わり方」を直接観察できる演習です。議論を進めていくうえで、他のメンバーに対してどのように関わろうとしているか、ぜひ注目してください。
文責:河合靖弘
グループ討議カテゴリのセミナー:グループ討議セミナー
応募者の価値観について理解を深めるために、採用面接で応募者の思想について尋ねることは問題ないか?
採用面接が応募者に対する採否を判断することを目的とする以上、応募者の思想について尋ねることは避けてください。宗教や支持政党、尊敬する人物などの「思想・信条にかかわる事項」については、本来自由に考えを持つことが認められているものであり、それらを理由に採用判断を行うことは就職差別に繋がるリスクとなります。この点は、厚生労働省の掲げる「公正な採用選考のためのガイドライン」にも定められています。
これらの事項については、評価目的でなく、応募者の緊張をほぐすためのアイスブレイクの際に話題として取り上げる面接官もいますが、面接官側から質問を行うことは避けてください。応募者側からすれば、面接で尋ねられたどの話題が自分の評価に強く影響を及ぼしているかを把握することは出来ません。面接で質問を受けたことはすべて評価に関係する、と思ってしまっても不思議ではなく、すなわち面接の場で話題に取り上げた時点で、これらの話題は就職差別に繋がるリスクとなり得ます。
文責:河合靖弘
退職者が多く出ている部門の社員に御社のMQ(モチベーション・リソース検査)を受けてもらい、フィードバックと対話を行うことで退職を抑制したいと考えている。
MQは受検者の「やる気になる/やる気がなくなる仕事環境」を測定するアセスメントツールです。
ご質問の回答ですが、MQだけでは難しく、パーソナリティ検査も併用することをお勧めします。MQには「昇進基準が明確」「社会的モラルの順守」など、人事制度や組織風土に深く関わり、対話や異動では解決しない(転職するか、出世して会社を変革しないと得られない)ものもあるからです。
一方、パーソナリティは「行動」なので、自分の意識や上司の支援(裁量)次第で変えることができます。そのため、あくまでフィードバックはパーソナリティを中心とし、「相手の特徴をより深く知ったり悩みを引き出したりするための補完材料」としてMQを使ってください。
そもそも、なぜその部門で退職者が多く出ているかという本質的な調査は必要ですが、部門マネジャーの資質的な問題でなければ希望はあります。
文責:清野剛史
優秀社員と要努力社員の適性検査の結果を分析し、差が見られた項目を「採用基準」として選考を行ってきた。ところが採用者の追跡調査をしてみると、入社後評価と採用基準に関係性が見られない。何故か。
「採用基準を作る際に使用した人事評価指標と、入社者の分析に使用した人事評価指標は同じ」という前提で回答します。
採用選考時に、その項目の低得点者を一律に不合格にしていないでしょうか。不合格にしている場合は「選抜効果(切断効果)」の影響を受けている可能性があります。
過去に社員分析を行った際は、低得点者から高得点者まで幅広く分布していたため、その項目で差が見られた。ところが、採用で低得点者を一律にスクリーニングするようになり、高得点者しか入社しなくなった。その結果、社員がみな高得点になり、その項目で差が見られなくなった。これを「選抜効果(切断効果)」と呼びます。
これまでの採用基準が誤っていたわけではありません。他の項目で差が見られないか改めて分析し、採用基準の精度を高めてください。
文責:清野剛史
分析カテゴリのセミナー:統計分析セミナー
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