アセスメントに関するFAQ

アセスメントに関して、お客様から寄せられたさまざまな疑問に、各種勉強会の講師が回答させていただきます。

6462022/09/21その他

社員の適性検査データを分析し、高業績社員の特徴を見出して採用基準に反映したい。ただ、社員数が少ないため統計分析をすることができない。データ分析以外に、採用基準を作る方法にはどのようなものがあるか?

社内の関係者にインタビューを行い、高業績者の特徴を見出してみてはいかがでしょうか。
当社では、インタビューの対象に応じて以下の方法をお勧めしています。なお、当社でインタビューを代行することも可能です。

  1. クリティカル・インシデント技法(対象:現場社員)
    職務の遂行に重要な行動や特性を見出すインタビュー手法で、大きな成果を出している現場社員が対象です。業績に大きなインパクトを与えた成功・失敗経験を掘り下げて尋ね、その成否を分けた行動、特性、スキルなどを明らかにします。
  2. レパートリー・グリッド技法(対象:管理職)
    高業績者と低業績者を分ける要素を明らかにするインタビュー手法で、複数の高業績者と低業績者をよく知っていて、相互に比較できる立場にいる管理職が対象です。高・低業績者の組み合わせを変えながら比較してもらい、両者を分かつ共通項を見出します。

上記は、インタビュア−(採用担当者など)が募集職種の業務をよりリアリティを持って理解できる(応募者に職務の内容や魅力を伝える際に役立ちます)とともに、適性検査データの分析では得られない要件(専門知識、スキルなど)も見出せる可能性がある反面、実施には専門的な知識と技術が必要です。当社の「採用基準設計セミナー」では、職務遂行に一般的に求められるコンピテンシーが書かれたカードを使って相手に優先順位をつけてもらう「カードソート技法」という、より簡便に実施できるインタビュー技法も紹介していますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

文責:清野剛史

6452022/09/14その他

当社では、30分の面接で「主体性」「チームワーク」など3つの能力を評価している。採用基準の見直しがあり、来年から6つの能力を評価したいと考えているが、妥当か?

能力にもよりますが、30分で6つは難しいと考えます。30分の面接時間で見る(評価に足るだけの証拠を得る)ことができるのは3つ程度が限界です。それ以上は、時間内に十分な証拠を集めきれず評価の精度に影響が出るため、「6つの中で、評価する優先順位を付ける」「他の選考でも評価する」など、やり方を変えたほうがよいでしょう。なお、面接や実施時間に限らず、1回の選考で評価する能力は3〜4つ程度にとどめることをお勧めします。数が多いと、評価者が各能力の定義を把握しきれなくなり、誤った評価や主観評価につながりやすくなります。

文責:清野剛史

6442022/09/07その他

現在、新卒採用基準の見直しを行っている。基準を作成するにあたっての注意点があれば、教えてほしい。

貴社の経営戦略を実現するための人材要件が反映されている、という点に加えて、以下の点を満たしている必要があります。

  1. 組織風土を反映している
    現在の組織風土や価値観と大きくかけ離れた基準ではない(かけ離れている場合は、定着を支援する施策や制度とセットで考える必要があります)。
  2. 採用選考の場で測定することができる
    「信頼感」「誠実さ」など内面的な要素は測定が難しいため、行動や資格など観察・測定が可能な要素を基準にする。
  3. 各基準が独立している
    「責任感」と「当事者意識」など、定義や評価項目が似ている、または重複している基準は統合する。
  4. 評価者が理解しやすい
    「リーダーシップ」「タフネス」など、評価者によってイメージするものが大きく異なる基準は、その定義を明確かつ具体的に記述する。

文責:清野剛史

6432022/08/31その他

当社では、新人は100%営業に配属されます。セミナーや面接を通して、営業の厳しさを伝えた上で採用しているつもりなのですが、入社後の退職者がかなり出る現実があります。何か良い方法はありますでしょうか?

角度の違う2つの方策を思いつきます。
1つ目は、採用を「退職してしまう人の実証的な研究の場」として捉えることです。
採用時の適性検査結果の分析などから傾向的なものがつかめれば、退職確率を示す指標のようなものができますから、
翌年からは指標に該当しない層を積極的に採用していけば良いと思います。
もうひとつの方策ですが、現場体験をさせてみるのはいかがでしょうか。
内定を出す前の段階で「仕事を体験的に参観する日を設けて、最前線で働く現場社員と一緒に過ごさせるのです。
一種の授業参観ですが、現場の仕事を目の当たりにして、「やはり自分には向く(向かない)」という気持ちを持つ人がでますが、それで良いと思います。
ある種のセルフスクリーニングを促し、内定後の辞退を抑制するのです。

文責:藤原明香

6422022/08/24面接

採用時には良かれと思った人が、案外活躍できなかったり、周囲と揉め事ばかり起こし退職したりということがあります。 一方、それほど期待していなかった人が、チームの主戦力として活躍してくれることもあり、自分の面接力に自信が持てなくなっています。

個人的には、面接官が自分の評価に絶対的な自信を持つようになったら、おしまいだと思っています。
そのような面接官は、採用の失敗を育成や現場の教育のせいにして、自分の面接を振り返ることをしなくなるからです。
面接歴がどんなに長くなろうとも、ぜひご自身の振り返りを行ってください。
可能であれば、入社後間もない時期に再度模擬面接の場を設け、その様子を映像に残し、数年後に問題となった社員の映像を見返してみてください。
(本来なら選考時に撮影することが望ましいのですが、個人情報の問題で難しいケースもあるでしょう)
その時に相手が使用していた言葉、言い回し、とっていた行動と、入社後の言動に驚くべき相似形を発見することがあります。
そのようなアラートの発見から導かれる基準の見直し、質問項目の再検証を繰り返していくことで、徐々にではありますが面接の精度が上がっていくのだと思います。

文責:藤原明香

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