人事部長からの質問

2006/04/07 723

採用、選考等にそれなりのコストをかけている。効果の検証法を。

「毎年、毎年、ある時期になるとこのことが話題になるが、結局よくわからず、採用数に応じて毎年、総枠を加減しているのが実情。」 と書いておられます。そうだと思います。それが人間の世界のありのままの姿なのではないでしょうか。だからといって効果の検証法をもたないでよい、となるとそれも問題です。難しい話だと思いますね。ご質問への回答に入りましょう。私は、採った人がいい人だったかどうか、は無意味な問いだとみています。そうではなく、採用業務にあたった人の「負荷」に注目すべきです。あらゆることに通じる原理ですが、「負荷」が少ないほど「焦点」が絞られ、結果的に「質」が確保されます。野球でいえば、バッターが狙い球を絞って打席に入るほうが打率がよくなる、というのと同じです。「負荷」は残業時間に投影されますので、採用チームの人の平均残業時間の年度比較をして「少なければ少ないほどよい」が私の考える検証法です。

文責:清水 佑三

2006/04/06 722

社内の連絡、調整にあたる人たちのモチベーションをあげる秘策はありますか?

よいプレーをとりあげ、スポットライトをあてて称揚することです。ご指摘の社内の連絡、調整にあたる業務部的な人たちの仕事はサッカーのポジションでいえば、ミッドフィルダーにあたります。ミッドフィルダーは、時と場合によって、ディフェンシブ、オフェンシブの一人二役をしないといけないものです。評価基準が一律に設定しにくいのです。そこで、彼らの試合中のよいプレーをビデオにとって、みんなの前でわかるようにして具体的に褒めてあげることです。フォワード(営業・製造)、ディフェンダー(内部管理)は役割が見えやすいが、ミッドフィルダー(業務)は役割が複雑で、試合の流れ、個々の状況に照らして仕事ぶりにうまくスポットライトをあてないとよくプレーの適否がわからないからです。ちなみにいえば、会社の優劣を規定するのは、じつは前線でも、後衛でもなく、このミッドフィルダー(中衛)の人たちの働きだと私はみています。

文責:清水 佑三

2006/04/05 721

私の上司は年金年齢です。私は20歳台。話が通じない。

お気の毒としかいいようがないです。謹んでお悔やみを申し上げます。つきあい方のコツを教えましょう。年金年齢の人は一般に「忘れる能力」が異常に発達しているものです。そこを逆手にとるのです。どういう場合にどういうことを忘れてしまうのか、よく観察し、法則性を導くのです。かりにそれがわかれば、忘れてしまう指示、命令はほうっておけばよろしい。逆に死んでも手放さないだろうと思われる「こだわり」に丁寧に誠実につきあってあげるのです。上司の方は涙を流して喜ぶでしょう。(自分を)構ってくれる人が激減しているからです。そのようにしてティーチャーズペットになってしまえば、自由を手に入れることができます。

文責:清水 佑三

2006/04/04 720

定着する人を採りたいと思う。面接での留意点を。

入社動機に注目してください。大別すると三つに分かれます。一つは「業界、会社、仕事の説明に納得した。」 人たちです。定着率は最悪です。二つは「工場見学、仕事場見学をして、ここで働きたい。」 と思って入ってくる人たちです。定着率は中ぐらいです。三つは「この連中は大好きだ。ここしかない。」 と思って入ってくる人たちです。定着率がもっともよい。以上はデータが語っている事実です。このことから申し上げるのですが、面接でなぜ当社かをよくきくことです。出てくる人、出てくる人がみんな共感できる。こういう人が伸び伸びやれている会社って最高だ。仲間にしてくれ、と語る人を無条件に採用することです。定着率は目に見えて改善されます。

文責:清水 佑三

2006/04/03 719

動物占いで性格診断したらどうでしょうか?

人事マンではなく、工学部の大学院生からの質問です。2ちゃんねる、匿名文明の時代に、平家物語のような名乗りが(最初に)あったことに感銘を受けました。ご質問に対して、真剣に対峙することといたします。犬と猫、ライオンとトラの特徴を対比させると、ご質問のもつ深い意味あいがよくわかってきます。こうした観点ですべての動物を眺め、人間の心と行動に通じる特徴をもつものを十二選んだのが子、丑、寅で始まる古代中国の知恵である十二支です。仮想の動物(辰)まで入れているところがミソでしょうか。動物占いで性格診断する原型がここにあります。私は十二支による性格診断は基本的にあたっていると思っています。申年に生まれた人は、ずるがしこく、自分のことしか考えないとされていますが、申年生まれの自分をあらかじめ用意された十二支の分類箱に、実際にとっている自分の行動を基準に入れるとしたら、やはりここに入ってきます。ほんとに不思議なことだと思います。同級生がみな同じ分類箱に入ってしまう、というところでクビを傾げたくなるのですが…。

文責:清水 佑三