人事部長からの質問

2006/06/28 778

正解を求める根深い心的傾向が気になる。ビジネスに正解なんてないと思うが。

ご指摘のとおりですね。社員への教育、研修を担当される部署の方々によくわかって頂きたいと思うことの一つですね。あらゆるビジネスは、長いこと解読されることを待っている暗号のようなものです。どこにも参考書がなく、正答を知っているものが皆無なのが「解けない暗号」です。暗号解読を社員に求め続ける、は強い会社に共通してみられる「モード」ですね。ご指摘の正解を捜し求める心的傾向は、学校教育の場では意味があるかもしれないがビジネスではむしろ発展の阻害要因、障害だとみます。払拭させるよい方法は、R&D部署に1年間配属して成果を強く求めるのです。正解を求める心的傾向をもつ人は血反吐がでる思いをするでしょう。それがビジネス世界での教育のありようです。

文責:清水 佑三

2006/06/27 777

職群別階層別にコンピテンシーリスト作成を命じられている。規格品の乱造につながらないか。

欧米で生まれた未知の概念に対する誤解事例の典型だと思って拝読しました。コンピテンシーとは何かが不明確ゆえに起きている「?」です。ボールを扱うスポーツ選手に求められるコンピテンシーは「動体視力」「反射性能」です。柔道の選手だったら「足腰のバネ」「闘志」です。こうした定義づけが、選手の規格品の乱造につながるでしょうか。違いますよね。会社の中で活躍する選手においても同じです。すぐれた職群別階層別コンピテンシーリストは、採用・配属・教育・登用の軸を用意してくれる利益はあっても、規格品乱造の危険はありません。

文責:清水 佑三

2006/06/26 776

何年も管理職登用試験に挑戦して不合格になる人への扱いを教えてください。

自習用ソフトを会社が用意されるとよいと思います。登用試験の科目別に、入試と同じような「傾向と対策」を準備できる道を形の上で用意するのです。過去の出題内容が開示されることにつながりますが、それでよいと私は考えます。自習ソフトの作り方ですが、解きかたを解説するのではなく、過去の最高点をとった人の解答と最低点をとった人の解答を比較できるようにならべるだけでよいです。いくら努力をしても最高点をとった人のように答案が書けないと思った人は試験への再挑戦をあきらめます。「センス」が問われていて自分にはその「センス」の持ち合わせがないことを悟ってもらえばよいのです。

文責:清水 佑三

2006/06/23 775

官僚制のよい面を教えてください。

官僚制はbureaucracyという政府の行政システムにつけられた名称です。特定の人または政治集団によって行政機構が収奪、私物化をされないようにがんじがらめに管理運営の仕方を取り決めているのです。専門化・階層化された職務体系、上から下への権限委任規定、文書による意思疎通・決裁機構などが特徴としてあります。田中真紀子さんがかつて外務大臣になられた時に、(報道で伝えられる限りですが)この人は官僚制を人類がもった理由をまったく理解していないなとよく思いました。江戸時代のできの悪い領主が家臣にものをいうように次官をはじめとする上位者に瑣末な指示・命令を出していました。大臣は与えられた枠内でのみ、次官からの相談に与ったり、次官以下の業務を管理、監督する責任はありますが、あれもってこい式の命令の自由はまったくないのです。ご質問の官僚制のよい面ですが、(規定どおりに運用されれば)なぜ、なにを(組織として)したか、一定の透明性をもって説明できることでしょうか。

文責:清水 佑三

2006/06/22 774

入魂の儀式、の重要性を何かで訴えておられましたが。

エス・エイチ・エルを立ち上げたとき、社歌、社旗とならんで社の踊りを制定、振付けました。『タイタンズを忘れない』で高校生のアメラグ選手たちがやってみせたような踊りです。鯨が海中で大声をあげるときの声に似た声をだして、かがり火のまわりを踊りまわるのです。一年に一回、厳粛な創業記念日の夜、合宿先の庭でやりました。代表取締役であるイギリスの同志はこの光景に驚いていましたが、自分が所属する伝統のあるホッケークラブにも(この踊りとは趣味が違うが)同じような意味不明の儀式があるといっていました。入魂の儀式は大事ですね。何が大事かよくわかりませんが大事だと思います。一年に一度、そういう儀式をやることによって根源様(という神)が蘇るのだと思います。いざというときに助けてくれるし、力をくれるのですね。わけがわからない回答ですみません。

文責:清水 佑三