人事部長からの質問

2006/07/27 798

うさぎタイプと亀タイプ、それぞれへの対応法を教えてください。

「当社では、うさぎタイプ、亀タイプと呼ぶ独特の若手分類法をもっています。うさぎタイプは敏感かつ臆病。耳が発達していて情報依存症。燃え尽きるのが早い。早期退職はここから出る。亀タイプは何をやるのも遅い。時間がたてば安定した成果を残してくれるようにも思うが待っていられない。それぞれにどう対応すべきか。」 帯に短し襷に長し、ですね。亀タイプ7、うさぎタイプ3の割合で採用されるとよい気がします。うさぎタイプに対してよい指導をして早期戦力化に成功するとします。亀タイプがひきずられて活躍の時期を早めます。うさぎタイプへの指導法だけが重要かつ難関ですね。徹底してマンツーマン、手取り足取りしないとダメです。家庭教師の名人をつけることです。

文責:清水 佑三

2006/07/26 797

期待して抜擢すると胡坐をかく。人の性質ですか?

「思い切って抜擢した管理職が“アガリ”みたいになってその立場に安住し胡坐をかいてしまう。部下の親身なサポートに加えて、先頭に立って大きな仕事をとってきて欲しいと思うのだがそういう覇気が消えてしまった。さらなる努力を求めるのは酷なのでしょうか。」 というご質問です。入試合格後にみられる燃えつき症候群を思い起こします。潜在エネルギーが少ない人を採ってしまうとこういう現象となります。人は埋蔵量がまちまちの油田を自分の中、奥深くにもっているのですね。油田の潜在埋蔵量は人によって天と地ほどに違うのです。採用時に一番よく見てほしい点です。このあたりは筆跡によくでますね。筆圧強く大きな文字を書く人をどんどん採れば避けられます。ただし頭が固い人は慎重に避けてください。

文責:清水 佑三

2006/07/25 796

教育部門への異動を命ぜられた。何か一つ言葉を。

「営業畑で切った張ったを繰り返してきた俺がなんで教育部門なんだと正直思ったが、会社を愛するので受けて立つ。前任者と酒を飲んだら愚痴ばっかだった。来た当初は理想があったがなにもかも剥がされてしまったよ、と半分泣きながら話してくれた。とんでもない部署のようだ。」 という添え文が印象的です。営業の仕事は、やればやっただけ目に見える数字にあらわれます。教育部署は確かに違う。やってもやらなくてもすべてが「気のせい」で移ろう世界です。蜃気楼、逃げ水を追うようなところがある。私の意見は簡単明瞭です。教育部門のあとにもう一度営業畑に戻ることを意識し、教育機会に集まる全国の俊秀の言動をつぶさに観察、記録、分類するのです。得がたいノートがつくれるはずです。それが次の営業の仕事に生かされれば、この異動は神慮であり、天の配剤です。

文責:清水 佑三

2006/07/24 795

最終面接を役員がやっている。判断に「?」を感じる。

ネットワーク関連のIT企業の方からの質問です。IT系の企業の役員の特徴は(1)若い、(2)エンジニアとして優秀、(3)データにこだわる傾向性、でしょうか。米心理学者のゴードン・オルポートによれば人をあるべき場所にあるべきように布置できる人の主要な条件は、(1)人にだまされた経験が豊か、(2)多様な仕事を多様な立場でやってきた、(3)芸術や美への興味、関心が強い、などです。まさにその対極にある人たちが人間の値打ちを鑑定する立場に立つわけで、周囲からみて「?」の判定がでるのはやむをえないですね。ただ一つだけやりようがあります。「この中からなら誰をとってもよい」最終集団形成を人事のお立場でしっかりやっておくのです。その上での上司の人間オンチの発動なら被害は小さいですね。

文責:清水 佑三

2006/07/21 794

派遣スタッフが派遣先の人間関係に悩むことが多い。

人材派遣業の人事の方からの質問です。「仕事上のスペックでは絶対OKの筈なのにうまくゆかないケースがある。話を詳しくきくとどうも派遣先の人たちとの人間関係がうまくいかないため。特に女性にその種のトラブルが多い。仕事上のスペックはチェックできるが、人間関係などは事前にチェックできない、どうすればいいと思いますか。」 が補足的な説明です。職場不適応現象はみなさんが考える以上に事前予知ができるものです。問題はデータ・ベースの厚みです。派遣登録者の「自己理解チェックシート」記入データが1000を超える数になり、人間関係ミスマッチで派遣先を忌避する事故事例が10個程度集まれば、傾向性は浮かびあがってきます。私の経験から人間関係ミスマッチを理由にして続かないのは2つのタイプの人に限られます。これ以上の情報開示は控えますがサイエンスのご利益がもっともあるテーマですね。

文責:清水 佑三