人事部長からの質問

2008/01/25 1163

官僚的な組織に活力を取り戻すにはどうすればよいでしょうか。

「うちも官僚的になっているなあ、昔は違っていたのになあ、と感じることが多くなりました。どうすればよいか。評価軸を変える、トップに非官僚的な人をもってくる、そのほかに何かありますか?」…よく戴く質問です。官僚主義的風土の打破ですが、本社部門のダウンサイジングが有効です。頭デッカチになってしまっているのだと思います。それと、現場に優秀な人を配置し、本社部門にはその反対の人を配置することがとても有効です。企業は所詮、サル山のサルの集団です。力の強い人をどこに置くかで権力構造は決まるものです。

文責:清水 佑三

2008/01/24 1162

年々コンプライアンスの名の下に管理部門の発言力が増している気がする。

「年々契約や購買周り、データの取り扱いなどが窮屈になり、事務作業が増えている。ひどい場合では人事の意向とは違った事業者を購買が勝手に決めてしまう事もある。本来のサポート部隊がそうでなくなっている。何とかならないか?」…個人情報保護法などが典型例ですが、「名簿等の目的外利用」だけを規制すればそれでオシマイなはずなのに、建前が一人歩きして、警察などは捜査に支障が出ているといいます。全体を見る目が弱くなって、部分だけを見る目が強くなっているのですね。文明の衰退現象の一つだとみます。どうにもなりません。

文責:清水 佑三

2008/01/23 1161

誰を送っても辞めてしまう取引先がある。どうしたらよいか。

「弊社はドラッグストアに対して、商品を卸し、それに加えて売り場に人を出しているのですが、あるドラッグストアで、人を人と思わない荒っぽい仕事のさせかたをするところがあります。ここ数年で、数名の人を出しましたが、全員退職してしまいました。当社にとって大きな損失です。取引額も大きく、取引をやめる選択肢はありません。どう考えればよいでしょうか。」…納品する側の弱みにつけこむ悪徳事業者だと思います。すべての納品先に同じような過酷な条件を呑ませて利益を創出しているのです。明らかな公正取引法違反の事案なので、弁護士に相談して公取に直訴すべきです。佐倉惣五郎と同じく、そのドラッグストアからは磔の刑に処せられると思いますが、その前に公取が動いてくれるはずです。泣く子と地頭には勝てぬ、ではダメです。

文責:清水 佑三

2008/01/22 1160

社風って何から生まれるものなんでしょうか?

「M&Aによって親会社が変わりました。以前の親会社からの出向者が大半もどり、新しい親会社から出向者が上層部にきました。それに伴って和気藹々の社風がギスギスした社風に変わり始めた気がします。社風はこういう風にして形成されるものなのですか?」…社風形成の問題に真剣に取り組んだアメリカ人がいます。エドガー・シャインという経営コンサルタントです。彼は社風をコーポレート・カルチャー(組織文化)として捉え、多様な角度から精緻な分析、立論を行っています。有益な知見が多いですが、カルチャー形成の過程については、これくらい複雑でナゾめいたものはないと匙を投げています。ただ、個々の構成員と組織との絶えざる相互作用の結果として、その組織特有の気風・雰囲気がある年月で醸成されてゆくのであって、カルチャーを人為的に短期間で作れると思ってはいけないといっています。参考になりますか?

文責:清水 佑三

2008/01/21 1159

立ち上がったばかりのベンチャー企業です。現有社員の職務分析は有効ですか?

有効ではないですね。職務分析は、職務が継続性、恒常性をもった場合においてのみ有効です。添えられているように、将来活躍する可能性のある人を予測したいということであれば、職務分析という手法をとらず、個人の性能分析という手法をとるべきです。アセスメントといわれる世界です。多様な演習形式のテストからなる能力クリニックを主だった社員に受けてもらうのです。そこから個々人について、発想力、対人力、行動力等の性能リストができれば、どういう仕事を割り振るべきかの一定の情報が得られます。

文責:清水 佑三