人事部長からの質問

2008/02/01 1168

人事制度全体を貫く軸のようなものを持ちたい。

「採用、教育、異動、評価など、当社の制度はどこかバラバラな印象がある。人事制度全体をうまく機能させるために、バラバラでなくするためには何から手をつけるのがよいでしょうか?」…多くの企業がその角度から期待を持っているのがコンピテンシー概念です。長嶋茂雄さんが監督就任時だったと思いますが、「球際に強くなる」という標語を掲げました。これをもってチーム全体を貫く軸のようなものにしたいと考えたのです。これがコンピテンシー概念ですね。原辰徳さんは、「チーム愛」を掲げました。要は、採用、教育等にあたって最優先させるものを定義し、会社として統一する、です。

文責:清水 佑三

2008/01/31 1167

最近見たTV番組で印象に残っているものはありますか?

お正月に見たものでヒルマン(前日ハム監督)とバレンタイン(ロッテ監督)の対談番組がとても面白かったです。バレンタインは酒が入っていたのか、とても陽気で、日本のプロ野球機構のバカバカしさについて思う存分話していました。また、イチローの天才ぶりを興奮して話していました。それに対してヒルマンはギターを出して、カントリーソングを歌っていました。それとお父さんが息子の大リーグ監督就任をとても喜んでいるシーンが映り、いずこもかわらぬ家族の気持ちに共感しました。二人ともが日本プロ野球の選手のすばらしさ、マネジメント層のアホさについて同じ印象をもっているのが印象的でした。

文責:清水 佑三

2008/01/30 1166

人事部のマネージャーがうつ病になってしまいました。降格はアリですか?

「人事部のマネージャーが突然うつ病になり困っています。トップが彼に対し期待を抱き、昇格させたすぐ後のことです。今後、降格させてそのポストに違う人を持ってくるしかないのですが、どのようにお考えになりますか。」…サッカー日本代表のオシム監督の事例と同じだと思います。初めに「外す」ことがあるのではなく、しかるべき手立てをその人に対して取り続けることが大事です。うつ病になられた人の家族の立場に立てば、そういう会社に対して安心し、信頼すると思います。社員もそういうことはとてもよく見ているものです。やれるだけの手立てをしたあと、みなさんの声に押された格好で、適切な人をそのポジションに置くべきです。その場合も病者に対して降格という言葉はなじみません。

文責:清水 佑三

2008/01/29 1165

役員は学歴や体育会にこだわる。変えたいが。

「古い会社であり、一定のブランド力をもっているので、これでやれているのだと思いますが、役員の考え方が古いように思えてなりません。例をあげると学歴が高いか、体育会系出身者が良いと頑固に言い張る人が多いのです。彼らの考え方を変えるにはどうすればよいでしょうか?」…それは無理ですね。経験則が信念のレベルにまで届くと合理的な説明を受け付けなくなるのです。年をとった権力者によく見られます。役員面接を選考ステップから外す方法がよいと思いますが、猫に鈴をつける人はさて誰でしょうか。

文責:清水 佑三

2008/01/28 1164

採用や教育で現場が人事に非協力的で困っている。

「ある時期、現場に面接官を出してもらう要請をするのですが、優秀な人ほど断ってくる傾向性があります。同業には反対に面接官に抜擢されるととても喜び、優秀なみなさんがお祭りのようにして協力しあうところがあります。この差は何によりますか?」…まさに企業風土、カルチャーの違いですね。どちらの会社が将来明るいでしょうか。全員参加のお祭り型の会社です。現場でバリバリやっている人が「一緒にやろうよ」といってくれた方が応募者は嬉しいからです。取り合いになったときにその差が出るはずです。お祭りが大好きなトップを戴くまでは難しいですね。

文責:清水 佑三