人事部長からの質問

2006/08/24 818

はじめに意欲ありき、と思うが間違っていますか?

「我々をすべりどめにしているなとわかる優秀な学生と、入社意欲が非常に高いごく普通の学生のどちらを優先すべきか迷う。上は学歴を好むので、そのあたりを考えると前者でしょうか。私個人としては、はじめに意欲ありき、と思うのです。清水さんの意見をきいてみたい。」 昨日と同じ方からのご質問です。質問にケチをつけるのはよくないですが、「優秀」という言葉の使い方がひっかかります。すべりどめで受けていますと広言したり、態度でそれを表現したりするような人は、人生を生きてゆく上で決して「優秀」ではないです。「優秀」の定義がおかしいのだと思います。普通の人を採って、卓越した人にして世間にお戻しするのが企業の社会的貢献です。質問者ご自身が(私からみて)未熟であります。

文責:清水 佑三

2006/08/23 817

学生に足元を見られた。優秀である場合、耐えるべきか。

「**社から内定がでればそちらに行きます、と競合の名をはっきり出していう学生がいる。比較すると優秀な学生であることが多くそれなら応募辞退の扱いにしましょう、と突っぱねることができない。足元を見られているようで不愉快。こういうときはどうでればよいでしょうか。」 お答え、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、欲しがりません、勝つまでは、でいってください。入社したら苛め抜いてリベンジすればいい。そういいたいところですが、ウソです。その学生は優秀でも何でもないです。質問者の錯覚です。会社に入るとは人と一緒に何かをやる、と同義です。相手の気持ちが汲み取れない人は、人格的にペケです。もっといえば人間の屑です。阿る必要はまったくないです。黙って袖にしなさい。

文責:清水 佑三

2006/08/22 816

「愛読者招待講演」をききました。最初の謝辞と講演で別人のようでした。こういう芸当はどうやったら身につきますか?

「冒頭に今にも消え入りそうなボソボソとした声で謝辞を述べられた後、講師として檀上に立つと、堂々と大きな声で自説を述べられておられました。どうしてああいう“変身”がいとも簡単にできるのですか。仕事をする上でとても大事な能力のような気がします。」 というご質問です。そうおっしゃられますが、講演後はいつも「失敗感」に襲われ、山奥にこもってしまおうと思うものです。どちらの自分が自分だろうかと考えたのですが、檀上に上らず、社長として来てくださった人に、平伏して御礼を申し上げるのは、私の衷心からの言動です。ごひいき、ごひきたてが過分だといつも思っているからだと思います。そちらが本当の自分です。講演では、「泥縄」「付け焼刃」「とりつくろい」ばかりであり、自信がないのでつい大きな声になってしまうのだと思います。ほんとに、ごめんなさいでした。

文責:清水 佑三

2006/08/21 815

入社後の配属を約束しないと特定分野の学生は来ない。困っている。

この悩みはエンジニア採用においてポピュラーですね。応募側に強い「職務」志向性があり、会社などつぶれなければどこでもよいと考えているのだと思います。入社後の配属について言質を与えようとしない日本の伝統大企業を袖にしてしまうのですね。提言。ハイブリッド方式をとられたらどうでしょうか。会社に入ってもらうグループと特定の仕事に就いてもらうグループを2本立てで採るのです。専門分野での勉強実績を一定以上評価できる人に限定して、後者を思い切ってアリにするのです。そうすれば従来方式の利点を失わず、仕事指名の人も吸収できると思います。このことに限らず右か左かと考えず右も左もという(ハイブリッド)方式をとると前に進むことが多いです。

文責:清水 佑三

2006/08/18 814

「面倒くさい」という気持ちは業務の効率化につながると思われますか。

そのとおりだと思います。面倒だなと感じる背後に、「不要なことをやっているのでは」という苛立ちが隠れていることが多いからです。なんとなくヘンだと思うことが発明、発見の出発点となるような感じです。したがって、「面倒くさい」点検大運動を社内で広範囲に進めてゆかれたらどうでしょう。ただ、天性、勉強や仕事が大嫌いな人が間違えて会社に入ってきてしまったような場合、何に対しても面倒くさい、といいます。これは上の話とは分けて扱うべきです。仕事量がとても多い人が「面倒くさい」と一番感じるケースは何か、に焦点を絞って情報を収集すると(業務効率化をする上で)おいしい場所がみつかると思います。優秀なSEが無意識にやっていることの可視化のような話ですね。

文責:清水 佑三